検索:
目立つところにシンプルなものを

検索は、複雑なウェブサイトを使いこなす上でユーザの生命線となる。シンプルな検索ボックスをホームページに置き、高度な検索や絞込みといった機能を全面に押し出さないものが最良のデザインとなる。

ユーザが検索を愛してやまないのには、理由が2つある:

  • 検索では、ユーザが自分で行き先を決められる。ウェブサイト側の意志に従って、ウェブの使い方を指図されることもない。テストのたびに、いつもこれが実証される。典型的なコメントはこういうものだ: 「私は、彼らの思惑どおりにウェブをナビゲートしたいなんて思わない。自分の探しているものが見つかればそれでいいんだ」。ユーザが真っ先にホームページの検索機能に向かうのは、これが理由だ。
  • 検索はまた、ユーザがナビゲーションに行き詰まった時の脱出口でもある。次に向かうべき場所が見つからない場合、サイトの検索機能を使うことが多いのだ。検索を全ページに用意しておくべきだというのは、これが理由だ; ユーザが道に迷ったと判断するのがどこになるか、事前に予測はできない。

検索はボックスに

検索を探している時のユーザは、急いでいて、夢中になっていることが多い。最近の調査でも確認されたことだが、彼らは通常、ホームページを斜め読みして「タイプ入力できる小さなボックス」を探す。ユーザは斜め読みするということは、昔からわかっている。ここから導き出される点は明らかだ。

  • ホームページに設ける検索は、リンクではなく入力フィールドにしておくべきだ。
  • 検索入力フィールドは、典型的な質問内容が入りきるように十分な幅をとっておくこと; ボックスが小さすぎると質問内容がスクロールしてしまい、ユーザビリティが低下する。

useit.comのホームページを変更して、リンクの代わりに検索ボックスを入れるようにしたところ、検索エンジンの利用が91%も増加した。ちょっとした変更だが、効果は絶大だ(とはいえ、ユーザビリティガイドラインを取り入れて、こういう結果が出ることは珍しくない)。

(デザインが非常にシンプルな場合、サイトの下位ページは検索リンクにしておいてもいいだろう; 下位ページが複雑な場合は、検索ボックスにすべきだ)

質問内容の書き直し: 不可

検索はインターネットではおなじみの機能だから、ユーザも高度な検索能力を身に付けているはず、と思うかもしれない。だが、それは間違いだ。

典型的なユーザは、質問内容の書き直しを非常に苦手としている: 最初のトライでいい結果が返ってこなかったら、その後、何度やり直しても成功の見込みは薄い。それどころか、実際には、あきらめてしまうことが多い。最近、相当数の人数を対象に、各種eコマースサイトでショッピング行動を調査した。そこでの検索の成功率は:

検索1回目 51%
検索2回目 32%
検索3回目 18%

言い換えると、最初の検索で見つからなければ、引き続きの検索では成功率はますます低くなる。わざわざそこまでしないユーザも多い: 私たちの調査では、最初の検索でうまくいかなかったユーザのうち、ほぼ半数は、その場であきらめてしまった。

ユーザが思い通りに検索できるような手法を開発する必要があるのは、言うまでもない。恐らく、長期的なソリューションとしては、教育システムで子供たちに質問内容の書き直し方を教える、ということになるだろう。短期的には、検索インターフェイスに、質問内容の簡単な拡張方法を表示しておくことだ。

しかし、現実的には、ほとんどのユーザに質問内容の再構成能力も、その意志もないことを前提とした検索デザインにすべきだろう。とすれば、重点を置くべきは、1回目の検索での成功率を高めることだ。

ユーザは、1回か、2回の検索結果の良し悪しで、ウェブサイトの価値をあっという間に判断してしまう。この点からも検索は早目に成功させた方がよい。結果リストがゴミの山のように見えれば、そのサイトは完全に見捨てられるだろう。少なくとも、そのサイトの検索機能は使わなくなる。代わりに、Googleのような外部の検索エンジンを利用することになるのだ。

高度な検索: 不可

最近の私たちの調査結果では、質問内容の平均的な長さは2.0語であった。他の調査でもシンプルな検索が多数を占めている。ほとんどのユーザは、高度な検索やブーリアン書式などは使えない。

このことから、検索のデザインに関連して以下の2点が導き出される:

  • 検索エンジンの能力を増強して1語検索を扱えるようにする。また、非常に短い複数語検索においても、質の高い結果を出せるようにする。
  • ホームページでは高度な検索は出さない。高度な検索は、使い方を間違ったユーザをトラブルに巻き込むだけだ。もし意義があるのなら、高度な検索は、検索結果ページからリンクで行けるオプションとして提供するべきだろう: 「お探しのものが見つかりませんか?高度な検索を試してみましょう」。

絞込み検索: 見込みあり

絞込み検索を使えば、サイト内の特定のエリア(検索範囲)のみに検索の結果を限定できる。一般に、これは危険だ。ユーザは範囲を見落としてしまうことが多いし、実際の検索対象となる範囲とは別のサイト範囲にいると勘違いすることもある。

だが、ウェブサイトの拡大にともなって、ひとつのサイトが複数のサービスを提供するようになると、絞込み検索に対する私の見方は変わってきた。今では、絞込みは十分役立つ見込みがあると確信している。ただし、この場合も、サイト内の各エリアの境界がはっきりしていて、それぞれが特定の問題を対象としている場合に限る。

絞込み検索を利用するなら、以下の基本ルールに従うようお薦めする:

  • デフォルトの検索範囲は「全体」(サイト全体を検索)にしておく。
  • ユーザが検索を狭い範囲に絞り込んだ場合、対象範囲がはっきりわかるように結果ページの上部に書いておく。
  • ワンクリックで範囲を拡大できるようにしておく。絞込み検索で何も結果が出てこなかった場合、サイト全体を検索する方法を明示しておくことは特に重要だ。
  • 検索結果が多すぎる場合、範囲を絞り込むようユーザにサジェスチョンを与えること。

検索結果は1ページ目が命

検索結果の2ページ目以降を見るユーザはほとんどいない。このため、有益な形で結果に優先順位をつけておくことが不可欠だ。また、もっとも重要なヒットが1ページ目にのるようにしておこう。

また、検索エンジンのログを見て、もっとも多い質問項目は何か調べ、各質問にもっともふさわしいページがどこになるか決めておこう。こうすれば、検索エンジンに手動で手を加えて、これらのページをナンバーワンのヒット項目として表示させることができる。

くわしくは: 検索デザインガイドライン29

29項目からなるユーザ検索体験ガイドラインの全貌は、51ページのレポートの形でダウンロードできる。

大手eコマース20サイトを分析した結果、平均的なサイトのこれら勧告への適合度はわずか35%であった。ガイドライン29項目のうち、19項目に違反しているのだ。検索に関して言うと、小規模サイトの方がユーザビリティ上の過ちを犯していることが多い。

2001年5月13日

公開:2001年5月13日(原文:2001年5月13日)
著者:Jakob Nielsen
原文:Search: Visible and Simple

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