UXリサーチ:価値ある体験を提供するための調査

製品・サービス開発でよくある悩みと、それを解消するための具体的な方法についてご紹介します。

製品・サービス開発でよくある悩み

製品・サービス開発を進めていて、以下のような疑問やお悩みがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

製品・サービスとのやりとりによってユーザー個人の中で生じる主観(感覚・感情・反応など)のことを「UX」(ユーザー体験)といいます。そして、ユーザーにとって理想的な体験になるように製品・サービスを企画・提供することを「UXデザイン」と呼びます。詳細は「UXとは:その定義と、UXデザインのプロセス」をご覧ください。

製品・サービス開発におけるアウトプットや、その評価の方法

ユーザーに満足してもらえる製品・サービスにするための方法には、開発フェーズによって様々なものがあります。

初期の段階では、ユーザーが置かれている状況、持っている不満・課題、利用したときの実感・反応といったことを把握する必要があります。また、後期の段階で製品・サービスのコンセプトやUIにフィードバックをもらう場合にも、ユーザー視点の評価が有用です。

製品・サービス開発におけるアウトプットや、その評価の方法 1 新企画・リニューアル検討 2 新コンセプトの具体化 3 新UIの具体化 4 UI量産、システム実装

調査・評価手法は開発フェーズによって様々なものがあります。それぞれの開発フェーズにおける具体的な方法について、以下でご紹介します。

1. 新企画・リニューアル検討

1-1:製品・サービスの現状把握

アナリティクスや顧客データから施策を考えつかない

リニューアルの場合、アナリティクスデータを施策の実行・評価に活用する支援をしたり、顧客ロイヤルティや操作性に関する定量的な指標の収集を行います。

KPIツリー・コンセプトダイアグラムの作成

アナリティクスデータを施策の立案・実行・評価に活用するために用いられるKPIツリーやコンセプトダイアグラムの作成をサポートします。

顧客満足度の測定

製品・サービスに対するユーザーの満足度・信頼度・愛着度を、定量的・継続的に測定するアンケートを実施します。

WUSの測定

製品・サービスのUIの操作性や信頼度などを定量的に測定する指標・Web Usability Scaleを用いてアンケートを実施し、自社と競合を比較し、強み・弱みを把握します。

競合や過去とのベンチマーク評価

自社と競合、自社の旧版と現行版とで、タスクの達成率や達成時間などのデータを定量的なユーザビリティテストで測定・比較し、優劣や改善効果を確認します。

1-2:ユーザー像・行動・利用状況の把握

使う人のイメージ・不満・利用状況が明確でない

対象とするユーザーが実際にどのように製品・サービスを利用しているかを把握します。

デプスインタビュー

インタビュー対象者とインタビュアーが1対1で向き合い、個人の考えを深堀りすることにより、その人に対する理解を深めます。

コンテキストインタビュー

特定の製品・サービスの利用状況をユーザーに再現してもらい、その最中にインタビューを行うことで、行動やその背景を把握します(参考記事)。

フィールドワーク(エスノグラフィック調査訪問調査

特定の製品・サービスの利用場所を訪れ、ユーザーへのインタビューだけでなく現場の観察からも、行動の背景を把握・考察します。

ホームユーステスト

実際に動作する製品を想定ユーザーに自宅で利用してもらい、日記やインタビューで長期間(数週間~1か月)の利用状況や印象を把握します。

日記調査

特定の製品・サービスの利用状況をユーザーにメモしておいてもらい、その記録を分析することで、行動やその背景を把握します(他の調査と併用します)。

アイトラッキング調査

アイトラッキングとは、人間の視線の動きを追跡・分析する手法です。視線を追跡することで、見られたエリア・タイミング・長さを正確・客観的に把握できます。

1-3:ユーザー像・利用状況のモデル化

インタビュー結果を開発に活かしきれていない
1人のユーザーのためのデザイン、って大丈夫だろうか

問題を絞り込み、解決策の発見につなげるため、ユーザー像と行動をペルソナやカスタマージャーニーマップでモデル化します。そして、ユーザー像に似た人がどの程度存在するのか、不満・課題をどのくらい実感しているのかを定量調査で確認します。

ペルソナの作成(ユーザー像のモデル化)

製品・サービスで想定するユーザー像を、インタビューなどの調査から得られた具体的な情報をもとにかたちづくります(参考記事集)。

ワークモデル分析(利用状況の整理)

ユーザー調査を通じて得られたユーザー行動データを、モデル化を通じて構造的に分析することで、ユーザー行動の背景や、そこに隠されている不満・課題を抽出します。

カスタマージャーニーマップの作成

ユーザーの不満・課題や、製品・サービスの利用時の課題について、利用の前後も含めて、ユーザーが体験したプロセスを時系列で可視化します(参考記事)。

ユーザー像や不満などの割合を把握するアンケート

想定ユーザー像の特徴に近い人がどの程度いるのか、また、ある不満・課題を実感している人がどの程度いるのかなどを定量的に把握します。

2. 新たなコンセプトの具体化

調査結果から、新しいアイデアが思い浮かばない
新しいアイデアを評価する方法がわからない

ユーザー調査の結果を基に、製品・サービスのアイデア発想やコンセプト設計を支援します。コンセプトが固まったら、それに対する反応を定性調査で、受容する人がどの程度存在するのかを定量調査で確認します。

ビジネスモデルキャンバスなどの作成支援

ビジネスモデルキャンバスやバリュープロポジションキャンバスはただ枠を埋めればいいのではありません。作り方のコツを踏まえて、それらの作成をサポートします。

アイデア発想ワークショップ

調査でわかったユーザーの不満・課題を解決するサービスアイデアを発想します。モデル化したユーザー像を基に、ユーザー要求にマッチしたアイデアの創出を支援します。

コンセプトの受容性評価

検討中の製品・サービスのコンセプトを文章や図で想定ユーザーに提示し、それに対する反応から、そのコンセプトの受容性や利用意向を、定性的・定量的に把握します。

3. 新たなUIの具体化

UIデザインが思いつきで、設計手順が定まっていない
UIの操作性を評価する方法がわからない

ユーザーの知識構造を反映した情報構造やナビゲーション設計、多機能システムのための操作性の高いUIデザインを支援します。そして、利用時のユーザー行動の観察や、UIデザイン原則に照らすなどしてUIデザイン案を評価し、操作性の改善を支援します。

カードソーティング

情報が記された大量のカードを分類してもらうことでユーザーの知識構造を理解し、サイトなどの情報構造(IA)やナビゲーション設計の参考にします(参考記事)。

UI設計ワークショップ

複雑でわかりにくくなりがちな多機能システムに含まれている要素をオブジェクト指向の考え方で整理することで、操作性の高いUIをデザインするワークショップです。

ユーザビリティテスト

製品・サービスを操作するユーザーの行動を観察することで、そのUIにあるユーザビリティ(理解しやすさや操作性)上の問題の所在と原因を特定し、改善につなげます。

ヒューリスティック評価(専門家評価)

専門家が経験則(ヒューリスティックス)やUI設計原則に基づき、操作時にユーザーのつまづきにつながる恐れのあるユーザビリティ上の問題を発見し、改善につなげます。

認知的ウォークスルー

そのUIを使うのが初めてのユーザーの視点から、探査学習理論の目標設定・探査・選択・評価という流れで、対象のUIの学習しやすさを評価します(参考記事1記事2)。

Webサイトやスマートフォンアプリなどのデジタル製品・サービスでは、「UIがわかりやすいか、操作しやすいか」がユーザーの満足度に大きく影響します。ユーザーにとってのわかりやすさや操作しやすさのことを「ユーザビリティ」といいます。これらの開発では、「ユーザビリティに配慮した設計」と「ユーザビリティ上の問題がないかのユーザー視点での確認」が重要です。

4. UIデザインの量産、システムの実装

UIや操作法が画面や製品によって異なり、統一感がない
機械学習モデル構築のための参考データがない

UIに統一感を持たせるためのガイドラインの策定、また、機械学習モデルなどの構築のための行動データの収集も可能です。

UIデザインガイドラインの策定

複数の担当者で大量にUIをデザインする際、1つの製品内、または、会社全体で一貫した操作性にするため、一般的な原則や弊社の経験を基にUI設計ルールを定めます。

行動データ収集

機械学習モデルの構築や、制御プログラムのしきい値の設定のために、人の動きの加速度センサーデータや、人の発声データなどを収集します。

5. 開発プロセス全体

開発フェーズの要所要所でユーザー参加型の調査・評価を企画・実施し、そこから知見を導き出して製品・サービスのブラッシュアップに活かすという一連の活動を、組織に導入することを支援します。

UX活動支援

組織にHCDプロセスを導入するための支援を行います。研修や実践を通じて、UXの基礎から調査・分析までの取り組み方を、チームにインストールします。

マーケティングリサーチの能力も兼ね備えた、イードならではのUXリサーチ

製品・サービス開発におけるお悩みに、イードなら応えられます。イードにはUXデザインを熟知したリサーチャーが多数在籍しています。イードはその高いUXリサーチスキルによって精度の高いリサーチを提供し、お客様の製品・サービス開発を支援します。

お客様の置かれている状況を十分にヒアリングした上で、UXデザインを推進する上で必要な調査を提案・設計・実施・分析します。お客様と一緒にワークショップ形式で分析する際は、経験豊富なファシリテーターがその実施をサポートします。

UXリサーチが役立つのは消費者向けの製品・サービスの開発だけではなく、業務用の製品・サービスの開発においても有用です。

消費者向けサービス・アプリ

  • EC・旅行・飲食店紹介サイト
  • クーポン・コード決済アプリ
  • LP・サービス紹介サイト
  • 保険見積もりサイト
  • 会員サイト
  • VOD・動画サブスクリプション
  • スマートホーム・音声UI など

消費者向け製品

  • TV・セットトップボックス
  • カメラ本体・カメラ連携アプリ
  • 自動車のHMI・カーナビ
  • 高齢者向けスマートフォン
  • 高齢者向けPC
  • キオスク端末・セルフ手続き端末
  • 銀行ATM など

業務用製品・サービス

  • 企業内イントラネット
  • 行政職員向けサイト
  • EC内広告管理サービス
  • 機関投資家向けサイト
  • 配車管理システム
  • 複合機・オフィス什器
  • 現金出納機 など

まずはお気軽にお問い合わせください。目的やご予算に応じて最適な方法・仕様を提案します。お見積もりは無料です。

イードが提供しているマーケティングリサーチサービスについては、「国内・海外市場調査業務」をご覧ください。