ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストは、参加者のUIの操作を観察し、UIの問題と原因を特定し、改善につなげます。

ユーザビリティテストの様子。
テスト参加者(左)がスマートフォンを操作する様子を、書画カメラなどで撮影・記録します。モデレーター(右)は、その操作の様子を観察して、UIデザイン上の課題を洗い出します。

ユーザビリティテスト(ユーザーテスト)とは、サイトやアプリのUIの利用が想定される人に実際のUIやプロトタイプを試用してもらい、ユーザビリティ(UIの操作性)の問題を発見し、原因を究明する手法です。

ユーザビリティテストの目的

ユーザビリティテストには、定性的なものと定量的なものとがありますが、現在、よく行われるのは、定性的ユーザビリティテストです。定性的ユーザビリティテストは、ユーザビリティ上の課題の所在や原因を特定し、改善策を探るという、形成的な目的で行います。

ユーザビリティテストのやり方

製品やサービスの想定ユーザー像と一致するテスト参加者にタスク(課題)を提示して、実物のUIやプロトタイプを使用してもらい、その実行過程の行動・発話を記録・観察し、分析します。

たとえば、スマートフォンアプリやウェブサイトのUIデザインが、ユーザーの思考・利用状況・目的に沿ったものになっているか、また、ビジネス側の目的を達成できるものになっているかをテストします。

実行過程において考えていることを話しながら操作してもらうやり方を「思考発話法」と呼びます。

調査結果をゆがめない(バイアスをかけない)よう、タスクの内容・指示説明・順序の設計や、テスト参加者の思考内容の引き出しには、専門的な技量と細心の注意が必要です。

ユーザビリティテストでわかること

参加者のタスク実行過程での行動や発話から、問題(ユーザーが、どこでどのようにつまづいたのか)や、問題が発生した原因(なぜその問題が起きたのか)を把握します。

また、その問題の深刻さ(独力で回復できるか)や発生頻度(何度も間違えるのか)などを推測します。

参加者として、どのような人を何人集めるか

評価対象物に合わせて、その想定ユーザーに近い条件(性別、年代、類似製品やサービスの利用経験など)の人を主にインターネットアンケートを実施して探し(スクリーニング)、指定した日時に参加してもらうように調整(リクルート)します(ユーザビリティテスト参加者のリクルーティング)。

ユーザビリティテストでは、テスト参加者5人で全体の約85%の問題を発見できるとされています(Nielsen and Landauer, 1993)。ユーザビリティの向上には、一度に数十人でテストするよりも、5人程度の小規模なテストを繰り返したほうが効果があります(ユーザビリティテストのユーザー数が5人で十分な理由)。

テストユーザー数と、発見されるユーザビリティ問題の関係

対面でもオンラインでも実施可能

ユーザビリティテストは、従来から対面で行われてきましたが、最近ではオンライン(ZoomやMicrosoft Teamsなどのウェブ会議)でも行われるようになりました。

対面でのテスト

対面でのテストでは、表情や手の動きを直接観察でき、非言語的な疑問や違和感を容易にとらえられます。ただ、テスト会場に来てもらう必要があるため、参加者は会場の近くに居住・勤務する人に限定され、移動時間や交通費がかかるという、物理的なハードルがあります。

ウェブ会議によるオンラインテスト

一方、ウェブ会議によるオンラインテストでは地理的な制約がなく、インターネットにつながる環境であればどこからでも参加してもらえます。

ただ、対面のテストでは可能だった表情や手の動きを直接観察することができなくなりますので、たとえば、スマートフォンでの指の迷いや誤タップ(タップ可能だと思ったが反応しなかった)はわかりません。

そして、ウェブ会議では、通信が途切れる、参加者の音声が聞こえない、画面が共有できないなどの技術的なトラブルが発生することがあります(弊社では、事前に接続テストを行うことで、テスト当日にそのような問題が極力発生しないよう対応しています)。

また、公開前のプロトタイプを見てもらう場合、秘密保持契約を結ぶとはいえ、スクリーンショットを撮影される恐れがあるなど、情報のコントロールがより難しい、という欠点もあります。

オンラインであれば、会場費(また、地域によってはモデレーターの出張費)がかからないというコスト的なメリットがあります。しかし、参加者が問題なくウェブ会議に参加できることを事前に確認するため、テストの実施までに対面に比べて追加で日数が必要、という時間的なデメリットがあります。