「誠実な対応と徹底した情報開示」
会社・組織の不誠実とも思える対応がネットで「炎上」に発展するケースが後を絶ちません。一般の人々がネットによって情報や力を持っている今、ユーザーやステークホルダーに誠実に対応し、自社に都合の悪いことでも積極的に情報開示することが求められています。
先日、業務で必要になって、ビービットの中の人がお書きになった『ユーザ中心ウェブサイト戦略』を読み返していました。そのとき強く印象に残ったのが、「誠実な対応と徹底した情報開示」と題された下記の一節でした:
インターネットによる情報流通革命によりユーザが圧倒的にパワーを持つ現在、企業やウェブサイトはユーザに対して誠実であることがユーザからの信頼を勝ち取る唯一の方針になる。情報の主導権を企業が持っていた時代であれば、市場への情報提供によって市場そのものをコントロールできたが、現在ではこのような情報操作はまったく効力を持たないどころか、自社・自サイトを壊滅的な状況に追い込むリスクとなってしまう。
武井由紀子、遠藤直紀 著『ユーザ中心ウェブサイト戦略』pp.69-70
月額課金制サービスの解約手順のわかりにくさが話題になり、その手順を詳細に解説したブログ記事がTwitterなどによって広くシェアされたり、一般の人々がインターネットを駆使してグラフィックデザインの盗用を発見し、当事者側の対応が後手後手になって釈明に追われたり…。そのような「炎上」の結果、その会社・組織のブランドイメージの低下につながるケースが見られます。
まずは誠実に対応すること。そして、自社に都合の悪いことでも情報開示すること。そのような活動を地道に続けていくことは、「炎上」を防ぐ、あるいは最小限にとどめるための消極的な対策というだけでなく、その会社やブランドを応援するファンになってくれる人を増やすためにも不可欠だと思います。