ユーザの主体性を尊重しろ

今回はちょっと個人的憤りを兼ねて、乱暴なタイトルです。というのも、Outlook Expressでのメール受信がうまくいかなくなり、同じメールが8回も受信されて、受信ボックスが同じメールの山になってしまいました。受信の途中、特定のメールで受信エラーになるので、何かそのメールが悪さをしているのだろうと、Nifty Managerを使って開いてみました。でも、そのメールは学会関係でいつものようなメールです。大きすぎるということもないし。

それで今度はOutlook Expressの設定を調べてみることにしました。いろいろ探ってみて、もしやと思って、サーバの設定を見てみると、受信サーバがpop.nifty.comからいつの間にかlocalhostに変わってしまっていました。これかな、と思って、それをpop.nifty.comに戻し、受信を再開すると今度はうまくいきました。

今のところ犯人は分かりません。しかし、ユーザの了承を得ることもせずに、勝手にソフトの設定が変更されてしまうというのは許せません。しかも、その結果、本来の機能が発揮できないような状態になってしまったのですから。

似たような話は、Internet Explorerでも起こります。僕は、メタサーチエンジンのhttp://inazuma/searchをデフォルトに設定していたのですが、いろいろなサイトを見ているうちに、起動時に開かれるサイトの設定が変わってしまったのです。これがまだどうでもいいようなサイトがやるのだったら、まあ仕方ないか、変な奴なんだろう、ということになりますが、私の研究室の院生のI君は、超大手のAコンピュータのサイトにアクセスしたところ、以後、デフォルトがそのサイトになってしまって、設定の修正に手間がかかったと言っています。

手間としては、それほどたいしたことはないかもしれません。ちょっと元に戻すだけなのですから。しかし、ユーザの設定を勝手に変更してしまう、という神経が理解できません。

アプリケーションソフトをインストールすると、たとえばテキストファイルを開くとき、MP3ファイルを開くとき、JPEGファイルを開くときなどのデフォルトのアプリケーションが勝手にそのソフトに変更されてしまうことがありますが、これも同様です。もちろん、それが気に入らなければ、コントロールパネルのフォルダオプションのファイルタイプで設定をしなおせばいいのですが、そんなちょっとしたことであっても、勝手にやられると腹が立つものです。こうしたことは必ず利用者の承認をとってから行うべきです。基本的に、特定のソフトがやって良いのはそのソフトの範囲内のことだけであって、その外側の共用の世界については勝手なことをすべきではありません。

先日、Office XPを購入したのですが、念のためOffice 2000を残してインストールをしました。いろいろと「改善」されているところもあるようなのですが、2000の時に設定してあったマクロが適合しないらしく、毎回起動するごとにマクロの不適合というメッセージがでてきます。また起動時間も気のせいか遅くなったような気がします。それで、フォルダオプションでxlsファイルや、docファイル、pptファイルの設定をOffice 2000に変更しようとしました。docだけはうまくいったのですが、他は何故かXPの方が起動されるままです。そんなことで、結局XPは削除してしまいました。こうした設定についても、最新版だからといって勝手に変更してしまっていいものか、疑問が残ります。フォルダオプションがきちんと動かないということも問題ですが。

カーソルを制御するチューチューマウスというユーティリティがあります。多くの場合、意図したところにカーソルが自動的に移動してくれて、これは優れたソフトだと思っていますが、このソフトはインストールするときに、チューチューマウスのカーソルを使うかどうか、チューチューマウスの壁紙を使うかどうかを聞いてきます。その意味ではとても礼儀正しいソフトといえます。ちゅーちゅーという音は耳障りなので、あとで設定を変更して消してしまいますが、これはそのソフトの範囲内のことだから、デフォルトは鳴るように設定してあってもいいでしょう。

というようなわけで、ユーザに対して無遠慮なソフト、行儀のいいソフトが混在しているということ、それは必ずしも有名メーカだから行儀がいいとは限らないこと、そしてともかくユーザの主体性を尊重する態度を身につけるべきこと、これが今回いいたいことです。

公開: 2001年7月16日
著者: 黒須教授