サンプル検索結果に出現したサイトの幅広さ

  • by Jakob Nielsen
  • 2003年6月16日

Jakob Nielsen のコラム「専門サイトの味方は多様性」への補足記事

ウェブは中央集権的メディアで、わずかなサイトがユーザ体験を支配していると主張する分析家がいる。この主張をテストするために、検索結果としてユーザが見つけるであろうサイトを調べてみた。Matthew Hindman と Kenneth Neil Cukier が彼らの記事で取り上げた 2 件のサンプル事例とあわせて、さらに、別の領域で 2 件のトピックを調査した。

銃規制と極刑: 重複ゼロ

最初に、Google で銃規制(gun control)にヒットしたトップ 10 を見てみよう。このリストにはアメリカのサイトが 6 件、その他にオーストラリア、カナダ、日本、英国のサイトがあり、銃規制に賛成のサイト、反対のサイト、両方が含まれている。多様性がひとめで見て取れる。

極刑(capital punishment)でヒットしたトップ 10 を見よう。さらに 8 つのサイトが加わる(合衆国 司法省、University of California San Diego は、それぞれ 2 リンクずつ掲載。このためリスト内のサイト数が減った)。もっとも重要なのは、銃規制極刑トップ 10 サイトの中に重複がゼロだったことだ。

ウェブ・ユーザ全員が同じ言葉で検索するとは限らない。かなり特定の関心事があることが多い。銃規制 暴力 ライフル(gun control assault rifles)と銃規制 隠匿 武器(gun control concealed weapons)で検索してみると、19 のサイトが見つかった( National Center for Policy Analysis が 2 度リストされた)。この中で、一般的な銃規制での検索結果トップ 10 に含まれていたものは、たったの 2 件(guncite.com および guncontrol.ca)だった。

同様に、極刑(capital punishment)のかわりに死刑(death penalty)で検索すると、トップ 10 の中に新しいサイトが 9 件出現した。唯一の重複が American Society of Criminology のページである。死刑でのヒットを銃規制のヒットと比べても、さほど一枚岩的な思想の証明にはならない。両方のリストに出現していたのは、ただひとつ、American Civil Liberties Union のサイトだけだ。

経済政策:独占的サイトなし

犯罪や銃のかわりに、経済政策(economic policy)に関するトピックを試してみよう。ブッシュ大統領の減税(President Bush’s tax cuts)で検索すると、トップ 10 リストの中に 8 つのサイトが見つかる(White House と PBS が 2 度出現)。この 8 サイトのうちで、銃規制と極刑で見つかった 43 サイトに入っていたものはひとつもない。社会保障はいつ破綻するか(when will Social Security run out of money)のトップ 10 サイトに移ろう。ここでも重複はわずかだ。PBS が再びリスト入り。これと並んで Cato Institute が入ったが、これは銃規制 隠匿 武器でのトップ・ヒットだった。