検索すれば見つかるかも

ある程度の規模を備えたウェブサイトでは、検索はもっとも重要なユーザインターフェイスのひとつだ。定石からいうと、200ページ以上あるサイトには検索を備えておくべきだ。検索のガイドラインとしては…

  • 全ページに検索ボタンを
  • 全体検索(サイト全体を検索)の方が、範囲内検索よりもよい
  • 絞込検索は、副次的な「上級者向け検索」ページの方に回そう

ユーザビリティ調査の結果では、検索中心のユーザが全体の半数を越えることがわかっている。リンク中心のユーザは約1/5、それ以外のユーザはこの両者の混在型である。検索中心のユーザは、ウェブサイトに入るとすぐに検索ボタンに向かうのが普通だ。サイトを見て回ったりすることには興味がない。タスク中心であり、できるだけ迅速に特定の情報を得ようとしている。これと正反対なのがリンク中心のユーザで、彼らはサイト内のリンクを追いかける方を好む。たとえ、特定の情報を求めている時でさえ、最初のうちは、ホームページから見込みのありそうなリンクをたどってこれを見つけようとする。どうしようもなくなるまでやって、初めて彼らは敗北を認め、検索コマンドを使うのだ。混在型のユーザは、状況によって検索とリンクのいずれか見込みのありそうな方を使い分けるが、特にどちらが好みということはない。

検索が優位を占めるとはいえ、やはり、ウェブデザインは強力な構造とナビゲーションサポートに基礎を置くべきである。サイト全体の中で占める位置が、どのページでも明らかになっていなければならない。第一に、検索を好まないユーザ、混在型のユーザをサポートする必要があることは明らかである。第二に、検索を通じてページにたどり着いたユーザも、やはりそのページとサイト全体の関連性を理解するには構造が必要だからである。サイト内で、検索で見つけたページの周辺にあるものを見て回るにも、ナビゲーションは必要だ。ひとつのページであらゆる答えが得られることはまれだし、検索で見つかったのがもっとも関連性の高いページだとしても、ユーザにはそれ以外の関連ページも見る必要があるからだ。

検索は、サイト内の全ページから簡単に行えるようにしておこう。検索中心のユーザは、ホームページに来てすぐに検索ボタンをクリックすることが多いが、他のユーザは迷子になってしまうまで、あちこち動き回るかもしれない。こうなった場合、彼らに検索を捜し回らせたくはないだろう。当のそのページに置いてあるのがいいはずだ。これはすなわち、すべてのページということになる。ユーザがナビゲーションに音を上げ、検索ボタンを捜し始めるのがどこか、予測はつかないからだ。

範囲内検索

サイト内の特定エリアだけが関連性が深く、サイト内の他の部分とは明確に区別できるという場合には、範囲内検索ができるようにしておくというやり方もあるだろう。検索対象をサブサイトのみに制限するわけだ。一般的にいって、私は範囲内検索をお薦めしない。というのは、いろいろな観察結果から、ユーザはサイトの構造を理解していないことが多いというのがわかっているからだ。間違ったサブサイトに答えがあると思い込んでしまうユーザも珍しくない。これでは、範囲内検索しても見つかるはずがない。あるいは、自分の今いる位置や、検索対象がわかっていないユーザもいる。てっきり全サイトを検索しているものと思い込んだり、あるいは本人が実際にいるのと違ったサブサイトを検索していると思い込んだりするユーザが出る恐れがある。

範囲内検索オプションを検討するなら、デザイナーはできるだけこれを避ける方向で考えるべきだ。そのサイトに、現実に範囲内検索を要するようなサブサイトがあるなら、あらゆる範囲内検索ページには、次の2点が求められる。

  • どの範囲が検索対象になるかを明示する。検索入力ページと結果ページの両方に表示しておくこと。
  • 全サイトを検索するページへのリンクを入れておく。ここでも、このリンクは検索入力ページと結果ページの両方に必要だ。結果ページのリンクは、こういう文句にしておくといいだろう。「捜しものが見つかりませんか?それでは、検索対象を広げてFoo.comサイト全体から捜してみましょう」。このリンクをクリックすると、範囲内検索で用いられたのと同じ検索語を引き継いで、全体検索が始まる。ユーザは直接、全体検索の結果ページに移動するわけだ。

絞込みは上級者向け検索に

絞込み検索は避けよう。あらゆる経験から言って、ユーザはこれを正しく利用できないからだ。私たちは、下記のようなタスクを与えて、たくさんのユーザ群を調査してきた。

あなたは次のペットを飼っています。
– ネコ
– イヌ
ペットについての情報を探してください。

ユーザのほぼ全員が、検索語としてネコ AND イヌと入力するだろう。私たちの調査では、これだとほとんど何も出てこない。なぜなら、この両方の動物を扱ったページはサイト内にないからだ。「検索結果なし」というメッセージを見て、ユーザの大多数は、ペットについての情報はないと判断するだろう。経験豊かなプログラマでも、たいてい同じ過ちを犯す。だが、結果ゼロというのを見て気が付くのが普通だ。「あ、そうか。ANDのかわりにORを使わなきゃいけないんだ」

残念ながら、ほとんどのユーザにはデバッグの経験がない。このため、彼らは非常に検索語の書き直しが下手だ。範囲内検索は最小限に、そして絞込検索は最初の検索インターフェイスには不要、というのはこれが原因だ。単純検索ではなくページでやる分には、高度な検索も有用だ。高度な検索ページには、多種多様なオプションを用意できるだろう。ここには絞込検索、範囲内検索、それに様々な変数を使った検索(例:ある日時以降に追加、更新されたページだけを捜す)といったものが含まれる。「上級者向け検索」といった威圧感のある名前を利用して、初心者ユーザがこのページに迷い込んで傷つくことのないようにしておくことが重要だ。ユーザを威嚇して一定の行動を取るように仕向けるというのはめったにお薦めしないのだが、検索はその数少ない例である。

検索システムをもっと使いやすくするには、(ユーザの検索語と文書での用語の両方に)スペルチェックを組み込んだり、同意語に展開したり、関連性に加えて品質も明示したり、サイト構造に則して結果の提示方法を工夫したりするといい。例えば、サイト内に検索語についてのFAQが用意されているなら、たとえ他にもっと関連性の高いページがあったとしても、結果ページの一番最初にこのFAQページを持ってくるべきだ。同様に、サイト内の同一エリアからの一連のページは、サブサイトを示すひとつの参照項目にまとめておくべきだ。

最後に、小学校でも検索技能を教えるべきだということを言いそえておきたい。ユーザインターフェイスの未来は、ほぼ確実に検索が支配するに違いない。広大な情報ベースから検索し、得られた結果を徐々に望みどおりのものだけに絞り込んでいくのだ。検索語の再構成や、関連性フィードバック、それに実例にもとづいた検索といったアイデアはすべて重要であるが、ユーザにとって自然なものとはいえない。現在、子供たちに教えているコンピュータ利用法よりも、検索能力の方がずっと役に立ちそうだ。

さらに詳しく

Nielsen Norman Groupによる、検索をもっと使いやすくするための29のデザインガイドラインも参照されたい。

1997年7月15日

公開:1997年7月15日(原文:1997年7月15日)
著者:Jakob Nielsen
原文:Search usability

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