1999年の予測を再点検

  • by Jakob Nielsen
  • 1999年12月26日

1999年のウェブ予測に関する補足記事

1998年12月に、私は1999年のウェブ・トレンドを6つ予測した。

  • ウェブはペースを落とし、重要な変化が起こるには1年以上かかるようになるだろう
  • モバイルからのインターネット・アクセス
  • ウェブ標準の復活
  • 顧客サービスの自動化
  • ウェブ特許の殺到
  • 12月にはY2K問題の前触れが

(これを書いている1999年末時点で)これらの予測を、実際に起こったことに則して再点検してみた。

変化のペースダウン:当たり

間違いない。年末現在のウェブは、年初当時の状況とほとんど変わらない。確かに拡大はした(400万サイトから1000万サイトへ)が、1年前とやり方が変わったようなところはほとんどない。

テクノロジーにはほとんど変化なかった。帯域幅も目に見えるほどは拡大しなかった。ビジネスモデルもほとんど同じ。メインとなるサービスもほぼ同様だ。

今年も、重要なサイトがいくつか立ち上がっているので、変化が止まってしまったわけではない。特に評価管理がついに現実になった。1993年、1994年のアイデアの爆発期ほど、迅速でも、ドラマチックでもないだけのことだ。当時は1週おきに地球が動くくらいに感じたものだ。

巨大化したウェブにはひとつおもしろい点がある。1998年だと、何か必要なものがあっても、たいていの場合はウェブで見つからなかった。2000年になると、必要なものはたいていウェブで見つかるようになる。問題は、探し出せるかどうかだ :-(

モバイル・アクセス:まだ

1999年、ワイアレスでのインターネット接続があまり成長しなかったのにはかなりがっかりした。合衆国に住む私たちは、分断化した携帯ネットワークと、穴だらけのデジタル網の犠牲者だ。世界に目を広げれば、私たちは、携帯電話をパケット単位でなく時間単位で課金しようとする電話会社の犠牲者なのである。

標準の復活:当たり

ウェブ標準の普及にともなって、最先端のデザインを志向するウェブサイトは今ではかなりまれになった。

顧客サービスの自動化:実現せず

顧客サービスの悪さを訴える記事は、山ほど書かれている。だが、驚いたことにほとんどのアナリストが、未だに人間のオペレータを用意したコールセンターがその解決策だと信じているようだ。

本当に使えるサイトをデザインして、自分の力で解決策や回答を探せるようにした方が、よほどよいはずだ。

例えば、顧客サービスへの電子メールをランダムに100選び出してみよう(ぜひ実践されることをお薦めする)。その中のかなりの部分は「数週間前に注文した商品はどうなっている?」という内容のもののはずだ。こういった質問は、以下のようにすればほとんど防止できる。

  • ユーザが注文する前に、在庫切れになっている商品は正直にそう記載しておく
  • 商品の発送時、あるいは入荷待ちの際は、告知の電子メールを送信する
  • シンプルな注文追跡のユーザ・インターフェイス

特許の殺到:当たり

花マルつきの正解だ。ワンクリック注文を独占しようとしたAmazon.comの動きは、今年最大のニュースだった。多くの企業が、過去に特許取得に関心を示さなかったことを激しく後悔している。

不思議なことに、発明したものすべてを特許申請していないスタートアップ企業が、まだたくさんある。

Y2K問題の前触れ:起こらなかった

今のところ(1999年12月26日現在)、ウェブ上では深刻なY2K問題は何も起こっていない。だが、2000年1月にはいくらかあるだろうと予想している。