1997年の予測を再点検

1998年のウェブトレンドに関するコラムへの補足記事

1997年の予測として、私は大きく2つのことを掲げた。

  1. ビジネス界がウェブに真面目に取り組むようになる
  2. 意味論的なコード付けの復活、見た目を特定するマークアップにはスタイルシートを利用

ウェブがビジネスツールとして真面目に考えられる: 当たり

1番目の予想は、部分的に実現した。数多くの伝統的企業がウェブに取り組み出した。手遅れにならないうちに、ウェブに特化した新興サービスに対抗するためだ。もっともよく話題に上るのが、Amazon.comに対するBarnes & Nobleの反撃だろう。あまりにもメディアに取り上げられたため、この対決はかなり例外的である。

The Economistの記者が、1996年のクリスマス・ショッピングを全部ウェブで済まそうと試みたが、プレゼントにふさわしい買い物は1つしかできなかった。1997年のホリデーシーズンでも、ほとんどの人は、ウェブ上で買えるプレゼントだけではやはり満足できないだろうと考えている。だが、ウェブ上のショッピングで、かなりの部分がまかなえるはずだ。大手のおもちゃ販売店で、ウェブ上の販売を行っているところは数多い。最終的な数字で見ても、1996年12月に比べて1997年の休暇中の売上は2倍になっている。私自身もクリスマス用のガチョウをウェブで購入した。ウェブ戦略家たらんとする者は、自ら可能な限り「ウェブ・ライフスタイルを実践」すべきだという持論にもとづいてのことだ。実生活のウェブ利用にともなう不満を、身をもって体験するのが目的だ。

サイト上に、パンフレットの焼き直ししか載せていない企業がまだまだたくさんある。ダウンロードに時間のかかる派手なしかけを仕込んだサイトも数多い。だが、スリム化したサイトもたくさんある。この年内に、実用性、ユーザビリティ、それにダウンロード速度を改善したサイトが数多くあるのだ。例えば、1997年11月、Slate誌の編集者は、彼らのもともとのデザインが間違っていたことをついに認め、1996年7月に発表した私の評価記事に提案した事項をかなり取り入れている。この中には、オンラインでの読解に求められるより簡潔な文章作法も含まれている。

意味論的コード化の復活: まだ

私は、ウェブページが、見た目を指定するようなマークアップを減らして、もっとクラス・プラットフォームで閲覧されることを意識したものになると予測した。サイトが、もっと多種多様な閲覧状況に適応できるようになることが私の望みだ(障碍やその他のニーズをもつユーザを含む)。技術的にはスタイルシートの適用によって、この変化が促進されるだろうと考えていた。これなら、さらに細かいレイアウトが可能になる一方、コンテンツ自体の移植性は失われない。

これはほとんど実現しなかった。スタイルシートは、現在のところ、その優位性にも関わらず、ごく限られたウェブサイトで利用されているだけだ。最大の問題は、今年リリースされたある有名ブラウザにおけるスタイルシートの実装に、きわめてバグが多かったことだ。これらのバグを回避する手間を考えると、当面、デザイナーにとって、スタイルシートに魅力は感じられない。1998年のリリースでは修正されていることを祈ろう。よって、私はまだスタイルシートは有望だと思っている。ダメなソフトウェアのおかげで、予想より1年遅れるだけのことだ。

ハンドヘルド・コンピュータの成長に伴って、クロス・プラットフォームのウェブデザインは、1998年にさらに大きな流れになるだろう。1998年には、ハンドヘルドがビッグになるだろう、というのが1997年11月のComdexで得た教訓だ。残念ながら、ワイアレスモデムが標準的に組み込まれた機種はほとんどない。だが、アドオンとして、このようなモデムを入手する人はたくさんいるだろう。モバイルでのウェブ接続は次世代のインターネットのキラーアプリになるだろう。また、出張旅行者の中にも、ハンドヘルドを持ち歩いて、ホテルの部屋から、ウェブや電子メールへのアクセスに利用する人がたくさん出てくるはずだ。合衆国の航空各社は、機内持込の手荷物に厳しい制約を課するようになっているので、この傾向はさらに強まるだろう。

ハンドヘルド・コンピュータの画面は小さく、WYSIWYGオーサリングツールでデザインしたようなウェブページの表示には適さない。あらゆるユーザが17インチモニタを使っているという前提で作られていたりするからだ。小さな画面でのウェブアクセスという点では、WebTVユーザや、1998年中に登場が予想されているその他の新しいデバイスのユーザも増加するだろう。拡大中の市場に適応するため、ウェブサイトには、さらにクラス・プラットフォームのデザインを目指すことが求められる。数多くの異なったデバイスでも、うまく表示されるページが重視されるようになるだろう。固定的なWYSIWYGのデザインは衰退する

公開:1998年1月1日
著者:Jakob Nielsen

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