テストユーザのリクルーティングをアウトソースすべき場合

ユーザテスティングのコストに関するコラムへの補足記事

(テストユーザの)リクルーティングは、フォーカスグループ企業にアウトソース(そのコストは5ユーザで1000ドル以下)しても構わないとした私の主張に対してコメントをもらった。Elizabeth Buieはこう書いている。

フォーカスグループ業者にユーザのリクルートをアウトソースする件ですが、これには例外もあります。(これが該当するのは、一般大衆の代表としてのユーザを集めるプロジェクトだけだと言おうとしたのですが、その時、フォーカスグループ企業ではある種の選択基準を課していることに気がついたのです)。専門性の高い企業や政府エージェントのイントラネットウェブ空間をテストするために、外部から適切なサンプルユーザを集めると言うのは、外部の企業にとってはとても難しいはずです。ユーザ人口が比較的小規模だったり、明確に定義されている場合なら、そういう人を集めて、スケジュールを調整するしかありません。私が最近、この種の政府エージェントのために行った調査では、この工程にカレンダー上もっとも長い時間がかかりました。

Buieの分析にはまったく同意する。ユーザビリティプロジェクトの中にはリクルーティングをアウトソースした方がいいものも多いが、そうでないものもある。

ユーザビリティテスティングで不変のルールは3つしかない。

  1. テスト参加者として、代表的なユーザをリクルートしてくること
  2. そのインターフェイスを使った代表的なタスクを行ってもらうこと
  3. ユーザが何かしている間は黙っていること: 彼らが自発的にとる行動が観察したいのだから、助け舟を出したり、彼らのサイトに対するアプローチにバイアスをかけるような言動は慎むべきだ。これはユーザテストであって、デモではない。

イントラネットのユーザビリティテストでは、「代表的ユーザ」は自社の従業員ということになる。よって、外部の代理店にリクルートを頼むのはバカげている。テストユーザを5人集めるために、5つの部署、または職能別に従業員にランダムにあたっていくのだ。スタッフにアプローチをかける前に、その部署の管理者に許可を得る必要があるかもしれない。だが、管理者にリクルートをお願いするよりは、自らコンタクトをとった方がよいことが多い。管理者としては、ついつい「模範的」な従業員をテストユーザに選びたくなるものだ。その部署を少しでもよく見せたいという願望があるのかもしれないし、間違って、その部署で一番のインターネットファンにテストさせるのが最善だと思い込んでいるのかもしれない。実際はまったく反対で、テスト対象としては、できるだけ平均的な従業員が望ましいことは明らかだ。

同様に、ごく絞られた外部ユーザを狙ったサイトも、リクルーティングを自前でやった方がいいかもしれない。ユーザが特殊で、厳密に定義可能なグループである場合もある(例えば、大型顧客の購買エージェントだけを対象にしたエクストラネットなど)。あるいは、サイトが登録ユーザや既存顧客のリストを持っっている場合もある。この場合、これらテストユーザ候補にコンタクトを取るのは簡単になるだろう。外部エージェントではだめでも、あなたの話なら聞いてくれる見込みが高い。

一般大衆や、比較的大規模なグループ(例: 農家、Perlプログラマ)を狙った外部ウェブサイトなら、リクルートを専門とする企業にユーザ集めを代行してもらった方が簡単だ。マーケティング部門が、すでにフォーカスグループ企業とコンタクトをとっている可能性が高い。こういった企業は、あなたの業界に特化し、調査のための人集めに必要なあらゆる手段を持っていることだろう。見込み客に電話をかけ回ってスケジュールを組み上げるには、非常に長い時間がかかることが多い。この仕事をアウトソースすれば、浮いた時間でサイトのデザインに集中できるというものだ。

テストユーザへの謝礼

希望するプロフィールに当てはまる人を見つけるのがどれくらい難しいかによって、フォーカスグループ会社からの請求は、ひとりあたり50ドルから100ドルまでの幅がある。さらに、テストユーザには、ひとりあたり50ドルから100ドルの謝礼を渡すのが普通だ。よって、5ユーザのトータルコストは1000ドル以下というのが通例だ。

ある種の調査では、テストユーザへの謝礼を100ドル以下に抑えられる場合もある。

  • 子供や学生をねらったサイト: この種のユーザには、すてきなオモチャか、10~15ドルを渡すのが通例だ。
  • 非常に専門性の高いサイトでは、サイトに深く依存した既存のユーザグループを抱えていて、彼らの間に改善への意欲が旺盛な場合がある。こういった人たちは、Tシャツやその他の記念品でも満足してくれることが多い。サイトと内部的なコネクションがあるという証明になるからである。

公開: 1998年5月3日
著者: Jakob Nielsen

分類キーワード