Web読解のユーザビリティ測定
※ユーザのウェブの読み方に関するJakob Nielsenのコラムへの補足記事
ウェブサイトの各バージョンのユーザビリティは、5つの面から測定した。
- タスク時間。ユーザが、そのコンテンツに関する特定の問題に対する、回答を探し出すのに要した時間。
- エラー。決まった答えのある問題に対して、ユーザが誤答した回数をパーセンテージで表したもの(ある問題は、一番気に入った観光地をユーザに選んでもらうというものだった。これには決まった答えがない。こういった問題では誤答は算出しなかった)。
- 記憶。サイト利用後にユーザに出された試験から得られた2つの数値。短期記憶は、5つの選択肢式設問に関して、正解数から誤答数をマイナスした数字をパーセント表示した。長期記憶では、テスト後にきちんと思い出せたアイテム数から思い出せなかったアイテム数を差し引き、パーセント表示した(ユーザには、このサイトに出てきた観光地をできるだけたくさん思い出してもらった)
- サイト構造の想起時間。ユーザがサイトマップを描くのにかかった時間。情報アーキテクチャがどれだけユーザに理解できたていたかの指標となる。よく理解できていればすぐに描けるだろうし、そうでなければ長時間考え込むことになるだろう。
- 主観的満足度。質問項目に対する参加者の回答によって決まる。各設問は10段階評価。4つの満足度基準の平均をとって主観的満足度とした。基準としたのは、体験的品質(例:「サイトの文章の質にどれだけ満足できましたか?」)、体験的使いやすさ(例:「このウェブサイトで特定の情報を見つけるのはどれくらい簡単でしたか?」)、好感度(例:「どの程度、使っていて楽しいといえるでしょうか?」)、ユーザの愛着(例:「どれくらい疲れましたか?」)の4つである。
主観的評価とは、実際の目標達成度ではなく、そのサイトの動きをユーザがどう受け取ったかで測るものである点に留意されたい。質問に答えるのにものすごく時間がかかったとしても、ユーザ自身はそのサイトはとても情報を見つけやすいと感じることがありうる。
全体的なサイトのユーザビリティは、これら5つの指標を幾何級数的に平均して算出した。各指標は、対照条件の目的達成指標に合わせて正規化してある(例えば、ユーザが対照条件では5つのことを記憶していたが、それ以外のある条件下では6つだった場合、この条件は記憶に関して120%の評価となる)。
私たちの調査では、全体のユーザビリティを算出するにあたって、5つのユーザビリティ指標に均一なウエイトを与えた。プロジェクトの目的によっては、重み付けを変えた方がいいかもしれない。
- 教育的なサイトでは、記憶指標にウエイトを置くべきだ。また、サイト構造の理解にも、いくらかのウエイトを与えた方がいいだろう。
- イントラネットでは目的達成度が非常に重視される。また、従業員の効率性を拡大するべきでもある。よって、イントラネットプロジェクトでは、タスク時間とエラー(顧客サービス担当者用のサイトなら、エラー防止を最も重視すべきだ)に最大のウエイトを置くこと。
- 娯楽サイトでは、主観的満足度に最高のウエイトを置こう。反対にエラーについてはゼロ、その他の効率性指標についてもごく低いウエイトで構わない。