モバイルの未来を先取りする日本製品

日本では、現在、新型のインターネット接続デバイスが幅広く出荷されている。中でも目を引くのはEggy(エッギィ)のような新型モバイル写真ユニット、それに2次元の操作を可能にしたiモード端末である。

各種のガジェットと高品質の消費者エレクトロニクス製品という面で、日本が世界のリーダであることに疑いの余地はない。最近の東京訪問で、私は外国人観光客の標準的な手順にしたがって、秋葉原一帯を散策した。確かに、巨大な高画質テレビから家庭用ビールサーバLet’s Beer(レッツビアー)まで、ショップにはありとあらゆるものが並んでいた。

だが、もっとも興味深いガジェットは、宿泊していたホテルの通りをはさんだ向かい側にあるごく普通のDoCoMoの販売店にあった。新しい日本の携帯電話には、驚きを禁じえない。欧米の携帯電話のぼんやりした画面を見慣れた者にとって、日本の端末の比類なき鮮明なカラー画面は衝撃的だった(残念ながら、以下の写真では、その画面品質が十分に表現できていない)。

かなり使える携帯電話

特に印象深かったのはP503iだ。iモード端末であるのはもちろんだが、私の見た電話端末で初めて使いものになるインターフェイスを備えた機種だ。インターネット電話のほとんどは、画面上の選択バーを上下させるのにローラーを使っている。機能キーを押すよりはマシだが、ローラーと選択バーの動きは1次元的であり、大きな限界がある。基本的に、ユーザとしては動きを制限された感じを受けるだろう。この感覚は、メインフレームコンピュータを利用する時の感覚にとてもよく似ている。自由度が少ないというのは、現在のWAP電話が快適に使えない理由のひとつだ。

DoCoMoのiモード対応携帯電話P503i
DoCoMoの端末P503i

ローラーの代わりに、P503iでは小型のジョイスティックを利用している。IBM製のラップトップ機に搭載されているトラックポイントに似たものだ(これよりは少し大きい)。この結果、動きに2次元的な自由度が生まれた。何と解放感のあることか!さらにジョイスティックを画面上の何かに重ねると、そのアイテムが拡大して、注目しているものが見やすくなる(例えば、この写真ではアルファに似たシンボルの上にカーソルが置かれている)。

ランチタイムの席で、NTTの研究者にP503iを貸してもらった。私は日本語が読めないのに、それでも、自分の書いたAlertboxコラムを画面に呼び出すことができた。その前夜に、ホテルの部屋からアップロードしたページだ。これこそ、優れたユーザビリティというものだ。

モバイル写真

ハイクオリティな電話機では、話が半分しか終わっていない。DoCoMoの店頭には、特定用途のためのモバイルインターネット機器がたくさん並んでいた。ここに示した2つの例は、モバイル写真のために作られた端末だ。Camessepetit(キャメッセプチ)とEggy(エッギィ)は、両方とも、ユーザが写真を撮影でき、それをマンガ風のオーバーレイで飾り付けをしたり、同じ機種を使っているユーザや、通常のiモード電話機に転送したりできるようになっている。

DoCoMoのCamessepetitとEggy
DoCoMoが出しているモバイル写真製品Camessepetit(キャメッセプチ: 左)とEggy(エッギィ: 右)

Camessepetitは、明らかに子供をターゲットにした製品である。DoCoMoが、需要の見込めるこのユーザ層をねらって、シンプルなモバイル製品を出してきた点は、称賛に値すると思う。

Eggyはデジタルムービーにも対応しているが、よりオタク的な感じを受ける。「Eggy」などという名前の製品にどうして「オタク的」という言葉を使うのか?それは、modemenu、それにshiftなどと書かれたボタンがあって、これが、何と言おうと、まぎれもないオタク的な傾向を示しているからだ。DoCoMoはEggyの出荷前に、もう少しユーザビリティを適用すべきだったのではないだろうか。

2001年4月29日