2008年 イントラネット・ベスト10

優れたイントラネットでは、一貫性のあるデザインと統合的なIAが標準となりつつある。今年の受賞サイトが注力していたポイントは、生産性を向上させるツールや、従業員によるセルフサービス、ナレッジを提供できるユーザへのアクセス(いわゆる“ナレッジマネジメント”に対抗するアプローチと言える)、企業ニュースの表現力向上などである。

2008年の最優秀イントラネットデザイン賞を勝ち取った上位10サイトは、以下の通りとなった:

  • Bank of America(アメリカ)
  • Bankinter S.A.(スペイン)
  • Barnes & Noble(アメリカ)
  • British Airways(イギリス)
  • Campbell Soup Company(アメリカ)
  • Coldwell Banker Real Estate Corporation(アメリカ)
  • IKEA North America Service, LLC(アメリカ)
  • Ministry of Transport(ニュージーランド)
  • New South Wales Department of Primary Industries(オーストラリア)
  • SAP AG(ドイツ)

勝利をおさめたデザインのほとんどは、従来の全社規模のイントラネットのものだが、IKEAの場合は北米のみを対象とした地域限定のイントラネットとして成功している。また、Coldwell Bankerのイントラネットは、社外向けサイトのような役割も兼ね備えている。このサイトでは、住居やオフィス用の不動産物件を所有・管理する、3,800か所の支店やフランチャイズ店舗の情報をまとめており、ユーザから見ると、企業全体というより拠点単位のイントラネットに見えるからだ。

上記のベスト10の半数はアメリカのサイトで、長期的な実績の平均値である53%にほぼ一致する割合となっている。残りの5サイトの母国はすべてバラバラである。今年は南半球勢の活躍が目立ち、ニュージーランドから初の受賞サイトが登場した。オーストラリアは以前から多くの受賞サイトを輩出しており、イギリスやドイツも然りである。スペインは、今後も質の高いイントラネットがますます登場しそうだと期待できる国であり、今年は3回目の受賞となった(過去のスペインの受賞サイトは、2003年のAmadeus Global Travel Distribution、2005年のBanco Espanol de Credito [Banesto]である)。

業種ごとに見ると、3社が受賞した金融セクターの活躍が目につく(銀行が2社、不動産業者が1社)。これも従来通りの流れだ。過去の結果を見ても、金融セクターからは格段に多くの受賞サイトが出た年が多い(ただし2007年は異例の事態で、金融セクターで受賞したのがJPMorgan Chaseの1社のみだった)。

金融関連の組織が、飛びぬけて優れたイントラネットを構築しているように思われる理由は2つある:

  • この種の企業は概して規模が大きく、事業効率の最適化に当てられる予算も豊富である。したがって他のほとんどの業種に比べ、IT投資に一段と力を入れている。
  • これらの企業では、かなり昔から —— かれこれ10年以上という場合も多い —— ユーザビリティについて真摯に受け止めている場合が非常に多い。オンラインバンキングなどは結局のところ、そのユーザーエクスペリエンスが至極身近でなければ、失敗を免れないからだ。それと同じで、金融セクターでは複雑な取引を扱うため、本社の各部門と各地の拠点の双方のユーザのニーズをイントラネット担当チームがきちんと理解しないと、イントラネットアプリケーションの研修コストが跳ね上がってしまう。金融セクターでのイントラネットのレベルの高さは、彼らがユーザ中心デザインに対して平均以上の関心を寄せていることによるのは明らかだ。

例年は、技術セクターからも多くの受賞サイトが出ている。この業種では —— 誰が見ても明らかに —— 平均を上回る高度な技術活用ができる傾向にあるからだ。ただし今年は、技術関連の受賞サイトはSAPのみとなった。

もちろん、技術活用の面で技術関連企業の力が他の業種を上回っているとみなす理由は、次第に薄れつつあるようだ。たとえば今年の場合、2社がランクインした小売業セクターの躍進が目立つが、彼らはこれまで以上に技術志向を強めて平均以上の実績を打ち立てている。たとえばBarnes & Nobleは書店であると同時に、代表的なECサイトにもなっている。そして、B&Nのイントラネットの事例研究を見れば分かるが、彼らが技術を最大限に活用しているのは確かだ。

過去2年分の結果と同じく、今年の受賞サイトのほとんどは平均50,000名の従業員を抱える大企業である。ただし今年のベスト10には、2005年以来久々に小規模な組織がランクインした。それがニュージーランド運輸省(Ministry of Transport)で、そのイントラネットのユーザ数は200名にすぎない。イントラネットにとって規模がすべてではないし、小規模でもきちんと目標を見据えたデザインを行えば素晴らしいイントラネットが作れることを、再び証明する結果となった。

 

企業ニュース

イントラネットでその企業や業界に関するニュースを提供するのは、さほど目新しいことではない。しかし今年は、各企業が一段とニュースに力を入れているようだ。受賞したイントラネットのほとんどが、メインのホームページ上のスペースをニュース用に割り当てているし、ニュースエリアのコンテンツの編集やメンテナンスにかなりのリソースを配分しているところも多い。

Campbell Soup Companyでは、興味深いアプローチでニュースを扱っている。彼らのイントラネットでは、おもな事業部門や職域ごとのニュース枠をホームページの上部に並べて、誰でも各部門のニュースを見られるようにしている。もっと小規模な企業のイントラネットでは、ここまでしなくてもよいはずだが、大企業の場合 —— 特にCampbellのような数々の有名ブランドを持つ企業なら、その組織的な複雑さに対処するのに役立つだろう。

Barnes & Nobleでは、ホームページのほぼ全体を各種のニュースエリアに割り当てている。特に中心的な扱いを受けているBarnes & Noble Todayのエリアは、さまざまな店舗や地域での話題を取り上げ、各地に散らばっている書店スタッフのコミュニティを形成するために役立っている。それより扱いは小さいが、Store Alertsというエリアでは、売れ行き抜群のベストセラーの入荷予定から、書店併設のカフェのおすすめギフト商品まで、業務に役立つ情報が一覧表示される。定期的に毎日Store Alertsを投稿することがイントラネット担当チームの責任となっており、それが成功の秘訣となっている。新着以外のニュースはあっという間に古くなるので、きちんとニュースへのアクセスを増やして従業員の関心を得るには、B&Nのようにイントラネットニュースの責任者を置くことが必要なのだ。

イントラネットでのマルチメディアの活用は、ここ数年で着実に増えてきたが、今年になって新たな段階に達している。SAPはホームページ部門とイントラネット部門全体を挙げてSAP TVに取り組んでおり、サッカーのSAP Cup決勝戦からロシアでの事業展開まで、幅広いトピックを動画ニュースとして提供している。

 

品質の向上と洗練

受賞したイントラネットでポイントとなった機能の多くは、ニュースと同様、昔からおなじみのものだ。従来との大きな違いは、それらの機能が進化し続けている点である。総じて品質が向上しているが、どれだけ多くの従業員がイントラネットの基本機能を日常的に利用するかを考えれば納得がいく。ユーザーエクスペリエンスに磨きをかけることで得られる生産性の向上は、立ち上げ当初のデザイン案をさらに改良する努力をして達成するだけの値打ちが十分ある。

例として、従業員ディレクトリ(名簿)について考えてみよう。これはイントラネットでの定番と言ってもよい機能で、その基本デザインガイドラインはよく知られている。Coldwell Bankerではその基本に留まらず、地理的条件による従業員検索までできるように機能を強化している —— 不動産関連企業にとっては、まさに必然的な対応だ。このColdwell Bankerの従業員検索ツールには特殊な仲介機能もあり、エージェントが仲介目的で同業者を探すのに役立っている。タブとラベルを用いたディレクトリ構成は、同業者探しというものを企業内ユーザがどう考えているのかを明らかにした、ユーザビリティ調査の結果から生まれている。

受賞したイントラネットのほとんどは、シングルサインオン機能を強力にサポートしている。それが従業員の満足度と生産性を向上させる決定的な要因であること —— と同時に、達成が難しく、期待ほどの成果はめったに上がらないものであること —— は、われわれが実施したイントラネットポータルに関する調査からも明らかだ。この部分にきちんと手を加えれば、ユーザーエクスペリエンスが(そして生産性が)日々向上することは間違いない。

全般的に見ると、インテグレーションが大きなテーマとなっている。多くの企業で優れたリニューアルを行う推進力となったのは、一貫性のあるナビゲーション計画とユーザエクスペリエンスを実現するイントラネットの情報アーキテクチャ(IA)を一つにまとめることだった。このようなリニューアルでは、ナビゲーションがバラバラでユーザエクスペリエンスが矛盾だらけとなっている多数の個別サイトを総入れ替えする場合が多い。こうしたカオス状態は多くのイントラネットで常態化しており、結果的にユーザビリティや従業員の生産性の低下を招いている。それに対して、先進的なイントラネットでは例外なくコンテンツ管理システムを導入し、コンテンツ提供者向けのユーザビリティを高めるように設計された特別なインターフェースを用意している。またCMSのインターフェースは、標準化されたデザインに基づく、できるだけ少数のテンプレートでサイトを作ることの大切さを強調している。

それぞれの部署が自主性を尊重しようとするあまり、統一された一種類のイントラネットデザインを目指す方針に難色を示す場合もある。Campbell Soup Companyのケースは、それに対する注目すべき反例だ。その従業員たちは自分が担当するブランドに非常に強い愛着を持っているので、イントラネットに統一感を出そうとする試みはことごとく失敗しそうに思えた。しかしながらデザインチームは知恵を働かせ、カスタマイズ機能や“スキン機能”(画面デザインを、各ブランドのカラーパターンなどを反映したものに変更できる機能)によって、イントラネットのデザインがユーザとブランドの結び付きを強められる手段を提供したのである。

Coldwell Bankerでは、その独自のフランチャイズ方式により、全社レベルのコンテンツと各拠点(フランチャイズ店舗や支社)レベルのコンテンツを混合する“まぜこぜ”ルールを、CMSに取り入れる結果となっている。このようなアプローチを採るには、CMSの機能強化が必要となる。たとえば、全社レベルの各コンテンツを拠点レベルのコンテンツよりどれくらい優先すべきかきちんと分かるように、重要度を示すタグを入力できるフィールドを追加する必要が出てくるかもしれない。しかしこのようなアプローチを採れば、他の多くの企業で見られる飛び入り参加自由な方式よりも、格段に一貫性のある(すなわち生産性も高い)ユーザーエクスペリエンスを生み出せることにもなる。

更新性のあるコンテンツは、イントラネットの品質を高める主役だ。オーストラリア第1次産業省(The Department of Primary Industries)では、関連のある二つのトレンドをそこに取り入れている。第一に、ユーザがニュース記事を自由に投稿できるツールを用意して、コンテンツ提供者にとってのユーザビリティを最大限に高めている。これが言うまでもなく、企業ニュースに優先順位を付けるという第二のトレンドに深く関わってくる。編集者がニュースの鮮度を保ち、常にユーザの関心を呼べる状態にしておきたいなら、組織内のあらゆる場所から休みなくニュース記事が流れ込むようにする必要があるからだ。

 

生産性の重視

受賞したイントラネットでもっとも重要な機能の多くは、日常の業務にすぐ役立つものである。British Airwaysでは、従業員によるセルフサービスの実現がイントラネットのおもな目的であり、デザインチームはそれを助ける豊富なツールを用意している。

高機能なアプリケーションは生産性を加速できる場合があるが、もっと小型のツールでもそれが可能なことがある。たとえばオーストラリア第1次産業省では、従業員(鉱山の安全調査員など)が施設外での公用車の使用許可を必要とすることがよくある。従来は、従業員が現地担当者に電話連絡して公用車を予約し、現地担当者が電話の内容を公用車の管理システムに入力していた。それが今では、1ページのシンプルな入力フォームで同じ目的が果たせるようになり、時間の節約と予約ミスの減少につながっている。(このイントラネットでは、地理空間的データをビジュアル表示できる高機能なアプリケーションも利用でき、洪水や干ばつ、風土病の流行などの緊急事態の管理に役立っている。ハイテクも使いどころが肝心だというポイントが証明されていると言えよう。)

SAPのイントラネットでは、生産性の重視に関して、企業の経営陣向けのパーソナライズページを特別に設けるという興味深い工夫をしている。トップレベルの重役は多忙であり、彼らの時間は高くつくが、別の任務にかかりっきりでユーザとしてのスキルは最低レベルに近いことも珍しくない。したがって、この少数ながら重要なユーザグループに特化したユーザビリティの向上に力を入れるのは、まったく理にかなっている。

 

ナレッジマネジメント

ここ数年、“ナレッジマネジメント”という用語は、イントラネットに関して盛んに飛び交ったバズワードであった。今年も、受賞したサイトのほとんどはナレッジマネジメントの動向と同じ目標を目指していたが、そのアプローチはむしろ正反対に近かった。これらのサイトでは、ナレッジは人と共にあると認識している。結果的に、必要なナレッジの持ち主である人物へのアクセスを向上させることに注力したデザインが多くなっている。

Bankinterは、おそらくもっとも見事なナレッジ検索機能を作り上げたと言えるだろう。そこでは、全従業員の間でのナレッジの伝達経路や、その保存場所を視覚化するグラフィックツールが豊富に用意されている。

 

多種多様な技術プラットフォーム

これらのベスト10サイトでは、イントラネット用の技術プラットフォームとして合計41種類の製品が使われていた。例年通り、イントラネット向けの技術は、まだ勝者が決まらない不確定な分野だという結論に達している。

もっとも利用されている製品はSharePointとGoogle Search Applianceである。その他によく利用されているのは、Red Hat Linux、Lotus NotesおよびDomino、Oracleデータベースだ。

最近4年分(2005~2008年)のデザイン年鑑で、もっとも利用されている製品として4回ともリストアップされたものは一つもない。この単純な事実は、イントラネット用プラットフォームがまだまだ先行き不透明であることを裏付けている。ただし以下の製品は、ここ4年間で2回以上、利用頻度の高い製品の一つに数えられている:

  • 4年間のうち3回: Google Search Appliance、Microsoft SQL Server
  • 4年間のうち2回: Apache、Documentum、IBM WebSphere、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)、Lotus NotesおよびDomino、Oracleデータベース、SharePoint

主流を占めるこれらのイントラネット用技術に加えて、新たな製品が採用されるケースも次々に出てきている。たとえば、ニュージーランド運輸省では早くもMicrosoftのSilverlightテクノロジーを採用し、一部のイントラネットでインタラクティブな機能を追加している。

 

イントラネットでのブランディングはより控えめな傾向へ

ここ数年、受賞したイントラネットの半数強では、別のサイト名を冠されるほどブランディングに力が入っていた。それより少数派のイントラネットには名前がなかったが、単に“イントラネット”などといった名前で呼ばれていた。

今年の受賞サイトの中にも、ただのイントラネットと呼ばれているものや、Discover、InSite、Flagscapesなど、従来のイントラネットにありがちな名前が付いたものがある。だが、第3の選択肢を示すような優れた例もある。イントラネットに名前を付けてはいるが、それ自体がブランドとして一人歩きしないような名前にしているケースだ。そのようなサイト名は、その組織の主要ブランドの力を借りつつ、イントラネットの機能を分かりやすい言葉で表したものとなっていることが多い。たとえば、Employee Self Service、my Campbell、Coldwell Banker Works、US Retail Insideといったサイト名である。

イントラネットでブランディングを行うかどうかに関わらず、(特に大規模なイントラネットでは)その豊富な機能や新たなコンテンツを従業員に熟知させるための組織内マーケティングが必要である。今年はいくつもの受賞サイトで、イントラネット機能の利用を促進する、魅力的で効果の高い手法が見受けられた。

 

イントラネットのトレンド

ここまで挙げたポイントに加えて、今年は以下のようなトレンドが明らかになった:

  • パーソナライズ機能の増加
  • 情報源のインテグレーション: いわゆる“ワンストップショッピング”形式で単一ページにまとめているケースが多い
  • ミッションクリティカルなアプリケーションや情報(販売ターゲットなど)の重視
  • イベントやプロジェクト用のカレンダー機能の向上
  • 新規採用者向けのオリエンテーション用コンテンツの提供
  • 株式指標その他のファイナンス情報の表示の強化
  • 社外と社内のニュースのインテグレーション: カスタマイズ可能なフィード形式で配信するケースも多い
  • ユーザに重要メッセージを通知するための、主要イントラネットへのアラート機能の統合
  • 検索機能の再設計と改善: それまで悲惨なレベルだったものが大幅に改良され、ユーザから大いに歓迎されたケースも多い

 

イントラネットユーザビリティのROI

繰り返しになるが、受賞サイトの担当チームが注力したのは優れたイントラネットを作り出すことであり、投資対効果(ROI)の測定によってその成果を判断することではない。イントラネット担当チームが上層部から必要なサポートを得ている企業では、ROIを測定する意義があるし、そのようなサポートが長期的に必要となるのは確かだ。しかし、そこまで理想的な環境に恵まれていないチームにとってもROIのデータは必要と思われるし、この点については情報が乏しい。

Bank of Americaでは、ホームページからイントラネット上の11種類のコンテンツへのナビゲーション所要時間を細かく測定している。リニューアル後、その平均時間は43.6秒から21.7秒に減り、ナビゲーションに要する時間が半減した。これはリニューアル後の101%の生産性向上に呼応する値と言える。ユーザは一定時間内に、リニューアル前の2倍強の作業ができるようになったからだ。

われわれが多数のイントラネットでテストを行った調査では、イントラネットユーザビリティの大幅な改善で得られる生産性の向上は、平均して約72%に達することが分かっている。この調査結果と、Bank of Americaのケースで見られた101%の生産性向上とは、どのように折り合うのか? 以下の2点に注目すれば、両者の差はたやすく説明がつく:

  • 72%の生産性向上というのはあくまで平均値である。リニューアルによってそこまでの向上が見られなかったサイトもあれば、平均以上の数値を達成したサイトもあるわけだ。
  • Bank of Americaはこのような賞を勝ち取るほどのイントラネットを作り上げているので、そのROIが平均を上回るのは当然のことと言える。

イントラネットのリニューアルによるROIを測定するだけでなく、達成したい目的について測定可能な数値目標をあらかじめ設定しておくのも有意義である。British Airwaysが良い例で、たとえばオンライントレーニングの日数を75%増やしたり、最終的にすべての出張をオンラインでスケジューリングするといった目標を立てていた。このBAのリニューアルでは、合計で5,500万ポンドのコスト削減を達成している。しかし結果が分かる前から、そのイントラネットプロジェクトには、企業を挙げて取り組む価値があるだけの規模と可能性が備わっていることは明らかだった。

Campbellの場合、リニューアル後にイントラネットへの一日当たりの訪問数が727%増加したが、1回の訪問当たりの平均ページビューは9.12から1.43に減少してしまった。その結果、ページビューの総計は30%の増加に留まっている。アクセス解析の方法があまりに単純だと、この後者の数値だけが目に付いて、リニューアルでは大した成果が得られなかったという結論に至ってしまうおそれがある。実はその逆で、かなりの成功を収めていることが、他の2つの統計値から判断できるのだ:

  • 727%の訪問数の増加で分かるように、従業員はイントラネットでより多くの作業をこなせるようになっている
  • 従業員はイントラネットに訪問するたびに一段と効率よく作業できるようになっており、それに応じてタスクの生産性が向上している。生産性はタスク当たりの所要時間として測定するのが望ましく、その数値からすぐに1時間当たりの作業量が算出できる。1ページ当たりの滞在時間が増えた場合も考えられるので、平均ページビューの減少が538%の生産性向上に対応していると断言はできない。それでも、リニューアル後にパーソナライズ可能となったホームページで、各ユーザが自分に必要な情報を集約できるようになってから、イントラネットの効率性が —— さらには従業員の生産性が —— 格段にアップしたことは疑う余地がない。

2008 年 1 月 7 日