人間行動データ収集
ユーザーの意見の収集・分析だけではなく、「非言語」の行動データを対象者から収集・分析します。制御プログラムのしきい値設定、「行動結果」をベースとした優劣判断、制御プログラム/ディープラーニングのベースデータなどにご活用いただけます。
このサービスの背景
イードでは、自動車関連の調査をメインとしてきました。その中で、開発の上流工程において、想定ユーザーに実際の環境で試してもらい、そのデータを収集したいとのご相談が増えてきました。
それらに対応させていただくなかで、
- 想定ユーザー像と一致する参加者のリクルート
- 適切なデータ取得環境の整備(会場設定、対象者への説明、計測環境設定…)
- リスク管理(事故防止策、事故時の対応、情報漏えい対策…)
などのノウハウが蓄積されてきており、今回リサーチサービスメニューに加えることとなりました。
フル電子制御化により「いかようにでも」設定できるがゆえに困っている/社内ではなく一般ユーザーの操作結果のデータで判断したい/制御プログラムを考えるにあたり実際のデータがほしい、といった際にぜひご相談ください。
実施のイメージ
まず、貴社内での計画段階で、「ある機能の実装/セッティングのためには、実際のユーザーがどう使っているかを把握する必要がある」という場合、実際の使い方のうち「制御に用いるデータ」はどれか、データを実際に測定してしきい値を決めましょう。
それがきまったら、イードにご相談ください(下記の組み合わせ、応用):
誰のデータを取得するのか
- 一般ユーザ
- 性/年代、リテラシー、活用頻度等で区分
- 身体特性(体型、疾患有無等)で区分
- 特定商品のユーザ
- 外国人
- 在日外国人
- 海外で実施
どこで実施するのか
- 実際の状況を見るので一般道
- ナンバー無しなどで専用コース
- ドライブシミュレータ上
- 長期間多サンプルのためのレンタルオフィス
- 防音室/録音スタジオ
何のデータを取得するのか
- 運転時のクルマの動き(単位時間ごとの速度、前後左右G)
→OBDポートから取得、モーションセンサー等 - 運転操作(スロットル開度、ブレーキ踏力、シフトポジション、ステアリング角度)
→OBDポートから取得、専用センサー、目視カウント等 - 運転時の身体状況(頭位置での前後左右G、心拍数、表情等)
→モーションセンサー、活動量計、ビデオカメラ等 - 運転(シミュレータ上)時の視線、瞳孔、表情
→複数カメラから抽出した表情解析、視線・瞳孔解析データ - 音声コーパスの録音
→WAV形式で録音、オーディオインターフェース使用
同時に確認しておくべきことは何か(インタビュー項目、記録項目)
- 普段の実際の使い方、使い分け
- (複数体験してみての)印象の違い、選好度
- イレギュラーな操作/動きがあった場合の理由、背景
- 環境要因(天候、風速、渋滞の原因など)
運営ノウハウ
イードは、実際の開発に安心してご活用いただけるデータを収集するために、様々なノウハウをご提供いたします
- 実際の利用環境に近づけるための会場環境の設計、「外部要因によるノイズ」の排除
- 実施会場は、一般的な会議室やグループインタビュールームでは不適なケースが多く、豊富な過去経験をもとに、様々な会場をご提案させていただきます。
- 対象者として適格な人、不適格な人の選考
- 対象者は、複数のオンラインパネルや機縁法などにより、出現率の低い方への対応も可能です。また、オンライン上の回答結果だけではなく、電話による口頭確認も徹底しています。
- 適切なデータが得るために、対象者に対するプロジェクトや留意点の説明
- 当日の対象者へのご案内のための資料作成にもノウハウがあります。何を「意識して」行動してほしいのか、何については可能な限り「意識しないで」ほしいのか、また、どのような目的で実施していると伝えると対象者にとって分かりやすいかなどを総合的に判断します。必要に応じ、動画による事前説明や、模型を使っての説明も行います。
- 他の対象者とは異なる操作/行動への対応、計測機器や各種機器の取り扱い、エラーや故障発生時の対応
- このサービスでは、実際のデータ取得前に必ず「実際の環境」でのテストと調査員教育が必要です。調査員向け対応マニュアルは事前にイードにて作成しますが、実際の環境にてテストすることにより、内容を更新します。その後、実際のデータ取得を進めながら、データ取得時の課題をやりとりし、スムーズに進行できるよう解決していきます
- 想定されるリスク(事故の発生、情報漏洩など)への事前準備と、当日/事後の対応
- 事故への対応としては、短期間加入できる自動車保険、公道外でも適用可能な自動車保険など、過去の実績から最適なものをご提案します。また、情報漏洩への対応としては、対象者への同意書を取得するとともに、カメラ類持ち込み規制、会場の動線規制などの対策を行います。
事例
- 一般公道での運転データ収集
- 各種モード設定の変更が運転にどのような影響を与えるため、一般ドライバーに市街地の同一コースを周回してもらい、その際の各種データ(速度、スロットル開度、瞬間燃費など)を取得し分析。
- クローズドコースでの運転データ収集
- 試作中の新システムについて、一般ドライバーにとって違和感がないかどうかを調べるため、クローズドコースにて課題(加速、減速、車庫入れ等)を設定して運転してもらう。その際に、車両から取得できる様々なデータや、運転者の生体データを取得し分析。
- シミュレータ上での視線/表情データ収集
- シミュレータにて、運転者がどのような状況でどこを、どのような表情で見ているかをデータ収集。
- 各種言語の音声コーパス収集
- 音声認識の各種言語対応のため、日本国内に居住している外国人を対象に、様々な言語の音声コーパスを収録。