多次元尺度構成法(MDS)を用いることで、商品の類似性の関係を視覚化し、消費者の認知構造や商品の競合関係を明らかにします。

多次元尺度構成法(MDS)とは

多次元尺度構成法(Multi-Dimensional Scaling; MDS)は、プロダクト間の関連性や類似性の強さをマップ上の点と点の距離に置き換えて、プロダクト同士の相対的な関係性を視覚化する手法です。
リサーチで得られるデザインイメージといった対象物間の類似度データだけでなく、マーケティングの過程で蓄積される購買データなどの実データに対しても分析を行うことができます。

多次元尺度構成法では、対象物間の全ての対の類似度を1対1でまとめた表を元に分析を行います。以下の表は、4つのファストフード店の類似度を7件法*で評価した場合のデータイメージです。
(*「非常に似ている」を7点、「全く似ていない」を1点として評価)

何ができるか/ご利用想定シーン

デザイン(プロダクト)イメージ分析

新商品開発の際、既存商品と新商品のデザインイメージの類似性を消費者に直接評価してもらい、多次元尺度構成法を用いて消費者の心の中の認知構造を視覚化します。新商品は既存商品に対して、十分に差別化されて認識されているか? また、消費者はどのような要因から差異を感じているのか? といった問題について考察することができます。

市場の把握と自社製品の競合分析

ある商品カテゴリの購買に関して、ブランドAを買った後、ブランドBを購入、またブランドAに戻るといったスイッチデータも、ブランド間の関連性の強さを表したデータといえます。そこからマップを描くことによって、その商品カテゴリにおける市場全体の状況を一目で把握することができるとともに、自社製品のポジショニングや競合関係の分析が可能になります。

類似性の高いプロダクトのグルーピング

多次元尺度構成法は他の解析手法と組み合わせることによって、さらに有益な情報を得ることができます。POSデータから商品の併買回数(ある商品とある商品が一緒に購入された回数)を計算し、多次元尺度構成法によってマップを描きます。その後、クラスター分析を行うことによって、一緒に購入される可能性が高い商品同士のグループを作ることができます。併買傾向にある商品同士は近くに陳列、配置するなど、店舗の棚割りやレイアウトに活用することができます。

アウトプット例

女性ファッション誌のポジショニングマップ

100名の女性に普段読んでいる女性ファッション誌をマルチアンサー形式でアンケートし、それぞれの雑誌が他の雑誌と一緒に読まれている回数をカウントしたデータから2次元のマップを作成。