大統領選最後の週のEメールニュースレター

Eメールニュースレターの力を理解することが、Bush の勝利に直接結びついた。

※「Bush 対 Kerry:Eメールニュースレターの評価」への補足記事

またもや、ユーザビリティガイドラインでより高得点をあげた候補が、アメリカ大統領選で勝った。( Clinton が Dole に勝ったときも、同じような比較を行った。Clinton はキャンペーンの最後のほうで、より多くのユーザビリティガイドラインに従っていた。)

Bush がユーザビリティだけのために勝ったとは言わないが、Eメール・ニュースレターの賢い使い方は、彼の勝利に貢献したのではないだろうか。私は両候補が送った選挙投票日の 1 週間前からのニュースレターを分析した。各メッセージで扱われていた主なテーマは以下の通りだ。

Bush Kerry
寄付金集め 8% 57%
投票の呼びかけ 38% 29%
課題 / 時事 54% 14%

(投票日直前に各候補から送られた、票を自分に入れるように求めるメッセージは数えなかった。)

この分析が示すように、Kerry 支持者たちはしつこい寄付金催促にあった。しつこさのあまり、多くの人は最も重要となる投票日間近になるころには、ニュースレターを読むのを辞めてしまったのではないかと思われる。インターネットが大衆から資金集めをするのに適してはいるものの、それには限界がある。Kerry はそれを超えてしまったのだ。

Bush は、支持者たちに他の有権者たちに投票に行き、彼に票を入れるように呼びかけるメッセージを、Kerry より多く送った。このほうが読者と感情的に接点をつくるため、ニュースレター媒体の正しい使い方だ。公民活動に活発に参加している人として扱われるほうが、紐の緩んだ財布として扱われるよりも、モチベーションがあがるというものだ。

Bush は、繰り返し彼自身のプロモーションを行うような情報や、時事ネタ(たとえば Osama bin Laden のビデオ)中での彼の敵を批判するような情報を送り続けた。これはよい戦略だ。時事ネタを扱うことによって、読者たちはニュースレターを読み続けることが多くなるのだ。その時々の問題を扱うのは、Eメール使用の典型だ。Bush の支持者たちには、それが他人に Bush に投票するよう、働きかける活動の栄養源になった。こうして有権者たちを投票所に向かわせるという、ニュースレターの役割を強化したのだ。

選挙投票日後の Bush 陣営からのニュースレターは、ニュースレターの読者によって、会って、または電話によって、投票の呼びかけがされた有権者の数は 1500 万人に上ると見積もられていた。

まとめるとこうだ。Kerry は最後の週を、ニュースレターを使って資金集めを行った。Bush は投票数を集めるのに使い、彼のほうが支持者を投票所に向かわせるのに長けていたため、勝ったのだ。Eメール・ニュースレターの力を理解することが、Bush の勝利に直接結びついたと言える。彼のインターネットチームには、この結果の手柄を主張する権利が多少はあるだろう。

2004 年 11 月 7 日