Webサイトのデザインは誰に依頼すべきか?

誰かにウェブサイトのデザインを依頼することになった。契約書にサインする前に気を付けなくてはならないことは何だろう? コンサルタントにも、いくつかのタイプがある。

  • HTMLハッカーは、ページ単体の構築には最高だが、インターフェイスデザインはまったくわかっていないことが多い。本当に難しいのはサイト全体をデザインすることであって、ナビゲーション構造もなしに、単に個別の、バラバラなページをデザインすることではない。
  • ユーザインターフェイスの専門家なら、使いやすいページのデザイン方法を知っているし、ハイパーテキストの経験があれば、使える構造とナビゲーション機能をデザインすることも可能だ。私自身はUIの専門家だが、これまでのところ、もっぱらシステムを学習しやすくしたり、利用の効率を高めたりすることに主眼が置かれて来たことは認めざるをえない。(Tim Skellyの発案になる用語を借りるなら)「魅力的インターフェイス」という点では、それほどの努力は傾けられて来なかった。ウェブでも、学習の容易性はやはり重要だ。そこで何ができるのか、どうやってナビゲーションすればいいのかがわからなければ、ユーザはすぐにサイトを離れてしまうからだ。だが、魅力的であることが、ますます重要になって来ている。
  • 広告代理店に2万ドルから1万5000ドルの料金を払ってやれば、喜んで、美しい雑誌広告のようなウェブサイトをデザインしてくれるだろう。だが、必ずしもインタラクティブなメディアの利点をフルに活かしたものになるとは限らない。ウェブの仕事を取ろうとしてニューメディアグループを立ち上げる代理店はますます増加している。残念ながら、「ニューメディア」という言葉自体が、その部署には、つい最近、電子出版の勉強を始めたばかりのオールドメディア型の人間しかいないことの証明だったりすることがある。だが、過去の歴史を振り返れば、オンライン情報はそれほど新しいものでもない。私が初めてハイパーテキストのプロジェクトに関わったのは1984年のことだったし、Engelbart、Nelson、それにvan Damといった本当のパイオニアたちは、1960年代からこれに取り組んでいる。

さて、ウェブサイトデザインの完璧な適任者は、これでいなくなってしまった。どうしたらいいだろう? 私がお薦めするのはチームでのアプローチだ。実装の知識を持つ人と合わせて、ユーザインターフェイスのバックグラウンドを持った人を、さらに、広告、あるいはソフトウェア以外でのコミュニケーションのスペシャリストを、最低でもひとりは加えておこう。

コンサルタントや代理店に頼んでサイトのデザインをしてもらうつもりなら、過去に彼らがデザインした他のサイトのデモはさせないこと。それに関する話をデザイナーから聞く前に、自分でそのサイトに行くべきだ。何しろ、ウェブページは、チーフデザイナーによる補足説明なしでも、コミュニケートできなくてはならないのだから。各デザインがどれほどうまくコミュニケートできているか、よく見極めよう。各ステージでできることが明確になっているか、ナビゲーション空間での移動がサポートできているか、気を付けることだ。以下に挙げる簡単な課題を試してみよう。

  1. まず、もっとも興味のあるリンクをたどってみて、どこへ行くかを確かめる。(そこがどこかわかるだろうか? 関連情報を探すにはどうしたらいいだろう?)
  2. 次に、ホームページに戻って、サイトのどこかに必ずあると思われる特定の情報を探してみよう。(それは見つかっただろうか? その情報が存在しない場合、探せるところはすべて見たと確信できるまでに、どれくらいの時間がかかっただろうか?)

2番目の課題は欠かせない。目的を持ったシステムの利用体験は、単にウロウロしてみるのとはかなり違うからだ(そして、ユーザには、この両方ができるようであってほしい)。これら2つのテストは、必ずサイトのデモを見る前にやること。いったんデザインの仕組みを聞いてしまうと、もはや初めてサイトにやってきた新規ユーザの立場には戻れない。

1995年10月

公開: 1995年10月1日 (原文:1995年10月1日)
著者: Jakob Nielsen
原文:Who should you hire to design your website?

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