入力機器としてのマウス vs. 指

現在、人気のユーザーインタフェース向けの主な入力機器はマウスと指である。両者の違いについて、評価要素ごとに、どちらがより優れているポインティングデバイスであるか見てみよう。

(2012年4月のJakob Nielsenの「モバイルサイト vs. フルサイト」に関するコラムへの補足記事)


デスクトップコンピューター(とラップトップ)では入力にマウスが主に使われ、モバイル機器とタブレットでは入力に人のが主に使われる。

そう、大きなコンピューターにはトラックボールがあることもあるし、ラップトップユーザーは入力にトラックパッドを使うことも多い。そして、モバイル機器にはスタイラス(タッチペン)が付いているものさえ、いくつかある。しかし、現在、人気のユーザーインタフェース向けの主な入力機器はマウスと指である。では、両者の違いについて考えてみよう。

以下の表で緑のセルが示すのは、各評価要素に対して、より優れているポインティングデバイスである。

マウス

正確さ

指定可能なポイントの数

1個

普通は1個
マルチタッチなら2~3個

コントロールの数

3個: 左右のボタンとスクロールホイール

1個

ホーミングタイム

あり

なし

シグナルの条件

マウスオーバー、マウスダウン、マウスアップ

タップダウン、アップ

加速した動き

あり

なし

(30インチ以上の)大型デスクトップモニターでの使用への適合性

あり。
加速した動きが可能だから

なし:

腕が疲れるから

ポインター/カーソルの可視性

あり

なし

画面の表示の遮断

なし。したがって、継続的なビジュアルフィードバックが可能

あり

モバイルへの適合性

なし

あり:
余分に何も持ち歩く必要なし

学習しやすさ

かなり簡単

学習時間はほぼ不要

画面への直接的接触と「使う」楽しさ

なし: 接触は間接的なポインティングデバイスによる

あり

アクセシビリティサポート

あり

なし

以下はこのテーブルについての注である:

  • ホーミングタイムとは、例えば、キーボードのような、ある入力機器から、マウスのような別の入力機器に手を移動させるために必要とする時間のことである。
  • 加速した動きとはポインティングデバイスと画面上のポインターを動かすスピードの関係をノンリニアにできることである。つまり、マウスを速く動かすことで、画面上のポインターをさらに速く動かせ、逆に、マウスをゆっくり動かすことで、ポインターを非常にゆっくり動かせるため、高精度のポインティングが可能になる。
  • 指でポイントしてタッチスクリーンを操作するのに、学習時間はほぼ不要、というのは、ユーザーは自分の手や指を使えるという点では既に十分に器用だと思うからである。このために赤ん坊は数年をまさに費やす。

このテーブルから得られる重要な見解とは、ここには唯一無二の勝者はいないというものである。マウスと指にはそれぞれ長所があるからである。

したがって、あるプラットフォーム向けにユーザーインタフェースをデザインするときには、利用可能な入力(および出力)機器の強みを強調し、さらにその欠点を和らげるために作業することが重要である。

例えば、マウスにはマウスオーバーという状態があるので、ツールチップ等のロールオーバー効果はデスクトップコンピューターでは有効な効果として使うことが可能である場合が多い。同様に、コンテクストメニューは2つのボタンで起動するコントロールなら容易にサポート可能である。しかし、こうしたデザイン要素はタッチスクリーンでは不自然だろう。

マウスとタッチ入力の長所があまりに違うことが、デスクトップのウェブサイトとモバイルサイトに対し、別々のユーザーインタフェースをデザインする主な理由の1つである。(そして、デスクトップのアプリケーションとモバイルアプリ向けにも)。

(ずっと速いタイプを可能にし、エラーを少なくできる)デスクトップの本物のキーボードの存在と、画面サイズの大きな違いによって、2つのUIに関する議論は他にも存在している。

公開:2012年5月8日(原文:2012年4月10日)
著者:ニールセン博士
原文:Mouse vs. Fingers as Input Device

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