Webページにおけるユーザーの滞在時間

ユーザーはウェブページを10秒から20秒で離れてしまうことが多いが、バリュープロポジションのはっきりしたページは人々の注意をより長くひきつけることが可能である。なぜならば、滞在時間は負のワイブル分布をたどるからである。

ユーザーは離脱する前、1つのウェブページにどのくらい滞在するつもりなのだろうか。これは繰り返されてきた質問だが、答えは常に同じである:

  • あまり長くない。

ページごとの平均滞在時間は1分弱である。

ユーザーはウェブページをチェックするときには急いでいるので、実際に訪問しているページの(全部はもちろんのこと)テキストの4分の1しか読む時間がない。したがって、あなた方の文章が並外れて、明快で、焦点を絞ったものでない限り、ウェブサイト上で言っていることのほとんどは顧客に届かないことになってしまう。

とはいえ、ユーザーはウェブ上では常に急いでいる一方で、彼らが個々のページ訪問に費やす時間は千差万別である。例えば、すぐに直帰してしまうこともあれば、1分よりずっと長く留まることもある。こうしたことから考えると、ユーザーの行動を分析するのに、平均を取るというのは最も有益なやり方とは言えない。ユーザーは人間である。したがって、その行動のばらつきは非常に大きく1つの数字ですべてを把握できるものではないからである。

ウェブページの離脱: ワイブルハザード関数

Microsoft ResearchのChao Liuとその同僚による最新の研究によって、今、ユーザーのページ離脱行動についての数学的な見解が提供されている。科学者たちは「人気のあるウェブブラウザのプラグイン」からデータを収集し、10,000以上の訪問数を記録した205,873のウェブページに関して、ページ滞在時間を分析した。彼らが処理したデータが大量だったということだけは言っておこう。

結果は、ユーザーがウェブページで過ごす時間はワイブル分布をたどるというものだった。

ここで読者の99.9%は次の質問をすると思う。ワイブル分布とは何なのか。

ワイブルは信頼性工学の一概念で、部品の故障時間を分析するために利用されるものである。そこでのモデルであるハザード関数が示すのは、 時点で1つの部品が機能しなくなる可能性であり、そのときには、その部品は という時点までは問題なく機能しているというのが前提になっている。

したがって、ある機器の予備の部品を取り替え後に、ワイブル分析が予測するのは、それを次に取り替えなければならないのはいつになるのかということである。また、単純化された、平均故障時間、という域を超えた、リスク分析を行うことも可能になる。さらに、あなた方の所有している機器が多数であれば、集計分析を、例えば、予備の部品の在庫管理に利用することができるだろう。

もちろん、ウェブの訪問数を分析するときには、「部品の故障」を「ユーザーのページの離脱」に入れ替えるだけである。ワイブルモデルがユーザーの経験的に観測される行動にいかにぴったり合っているかを示すため、Liuとその同僚はその研究論文で徹底的な統計分析を行っている。

過去の研究によると、ワイブル分布には次の2種類がある:

  • 正のエージング: その部品の稼働時間が長ければ長いほど、故障する可能性は高くなる。言い換えると、 の値が大きくなるほど、ハザード関数は増加する。これは直感的に理に叶っている。なぜならば、物というのは使われている時間が長ければ長いほど、すり減るものだからである。したがって、長期間使用されてきたものはその限界に近づいていっている。
  • 負のエージング: その部品の稼働時間が長ければ長いほど、故障する可能性は低くなる。ここでは の値が大きくなるほど、ハザード関数は減少する。部品ごとの性能にばらつきがあるとき、これは理に叶っている。出来の悪い部品は通常、早い時期に機能しなくなるので、長期間使用されてきたものは特に丈夫なものであり、さらに長く使えることが多いからである。

負のエージング: さっさと離脱するのか、長く滞在するのか

ウェブページの99%には負のエージング効果があることを研究者たちは発見した。ヒューマン-コンピュータインタラクション(HCI)の研究で、これほどはっきりした結果が得られるのは極めてまれなため、Liuとその同僚は重要な新しい知見を発見したと評価されるべきである。

なぜ負のエージングになるのか。それは、ウェブページの質のばらつきが実際、非常に大きいからである。ユーザーはこのことを知っているので、ページ上での最初の時間を、価値のないものを捨てるための無慈悲な選別に費やす。人々がウェブページの上でぐずぐずしていることはまれである。しかし、ユーザーはページに価値があると本当に判断すれば、少しの間は留まるだろう。

以下のグラフは、ハザード関数、つまり、離脱の可能性を示したもので、科学者たちの集めた途方もなく大きなデータセット全体に適合する、ワイブルパラメータの中央値である:

Weibull hazard function showing the probability that users will leave a Web page at time t if they have already stayed for t seconds.

横軸: ページ滞在時間(秒)。
縦軸: ページから離脱する可能性。

グラフから明らかなのは、そのページに留まるか離脱するかをユーザーが判断する際、ページ訪問の最初の10秒間が非常に重要だということである。この最初の数秒間の離脱の確率は非常に高い。なぜならば、過去、デザインのひどいウェブページを数え切れないほど経験してきているため、ユーザーは極めて懐疑的だからである。人々はウェブページのほとんどが役に立たないということを知っているので、出来の悪いページ上にある絶対に必要なものより、これ以上時間を無駄にするのを避けようとする。

極めて過酷なこの最初の10秒の審判をくぐり抜けられれば、そのウェブページはユーザーから少しの間は見て回られることになる。しかしながら、訪問後のそれに続く20秒間もまだ、離脱の可能性は高い。人々がページに約30秒滞在した後、ようやくカーブは比較的平らになる。引き続き、人々は途切れなく離脱しているが、最初の30秒間に比べると、その割合はかなり緩やかである。

したがって、30秒間、あなた方のページに滞在してもよい、とユーザーに思わせられれば、彼らがさらに長く滞在する可能性も出てくる。そうしたときの滞在は2分以上になることも多いが、これはウェブ上では永遠とも言える長さである。

つまり、大ざっぱに言えば、ここで示されているのは2種類の事例である:

  • 悪いページ。数秒で見捨てられる。そして、
  • 良いページ。数分間の時間が割り当てられる可能性もある。

注: 「良い」 vs. 「悪い」の判断は、ページ到着後の最初の数秒以内に、各ユーザーによって下される。デザインに必要とされることははっきりしている:

数分間ユーザーの注意を引きつけるために必要なのは、10秒以内であなた方のバリュープロポジションを明快に伝えることである。

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公開:2011年9月22日(原文:2011年9月12日)
著者:ニールセン博士
原文:How Long Do Users Stay on Web Pages?

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