Web会議の困りごとと顔出しの状況
Web会議に関する調査(1)
イードが実施した調査では、有職者の約3割がWeb会議(ビデオ会議)を行なっていることが分かりました。ここでは、Web会議での「困りごと」や顔出しの状況など、Web会議の実態についてご紹介します。
コロナ禍の影響でテレワークが普及し、それに伴い、Web会議をする機会も一気に増えた人が多いのではないでしょうか。株式会社イードでは、Web会議の実態やWeb会議の「疲れ」について探るため、独自調査を実施いたしました。2回に分け、その結果をご紹介したいと思います。
調査概要
- 調査手法
- インターネットアンケート(アンケートパネルに対する調査)
- 実施期間
- 2020年6月30日~7月6日
- 調査対象者
- 20-59歳男女、有職者、月に1回以上仕事でWeb会議をする人
- 回収
- 性年代均等回収
- 本調査有効回答数
- 1,010s
有職者の3割はWeb会議をしている
20-59歳の有職者(パート・アルバイトを含む)5,623人にWeb会議ツール(Zoom、Teams、Skype、LINE WORKS、Slackなど)の利用経験を聞いたところ、半数強が利用経験ありと回答しました。またそのうち4割は「今年使ったことがある」と回答しました。Web会議ツールの利用用途は「仕事の会議」が7割強と最も多く、続いて「オンライン飲み会」でした。この2つを掛け合わせると、有職者の約3割は今年に入ってからWeb会議をしているということになります。
さらにWeb会議をすることがある人に、その頻度を聞いた結果が以下です。半数以上は、週に1回以上Web会議をしているという結果でした。
※なお、以降でご紹介する調査結果は、ここで「1か月に1回」以上Web会議をすると回答した人を対象としたものです。
Web会議で使うツールはZoomが最多、次にTeams
Web会議をする人に使っているツールを聞いたところ、最も多かったのが「Zoom」、次にMicrosoftの「Teams」でした。「Slack」や「LINE WORKS」を使う人はまだ少数のようです。
次にWeb会議の際に使っているデバイスを聞いたのが以下の結果です。ノートPCで参加するケースが多いものの、デスクトップPCで参加する人も一部いるようです。(個人所有のPCを使うケースが一定数見られるのは、新型コロナウィルスの影響によりシステム整備が整う前にテレワークを始めたケースがあるから、ということも考えられます)
半数は顔出しをし、4割は顔出しをしない
「顔出し」についてはどうでしょうか。顔出しの状況について聞いたところ、半数弱は「ほとんどの場合出している」「出す方が多い」と回答しました。一方で4割弱は「ほとんどの場合出さない」「出さないことが多い」と回答しており、「出す派」と「出さない派」がいることが分かりました。
この「顔出し」の有無に影響を与えていると考えられるのが、「会議相手の顔出しの有無」と「テレワーク実施状況」です。会議の相手が顔出しをしている場合、(当然ながら?)顔を出す人の割合が高く、逆に会議の相手が顔出しをしていない場合、顔を出さない人の割合が高い、という結果になりました。「相手は顔を出しているけれど、こちらは出していない」「相手は顔を出していないけれど、こちらは出している」というケースは少ないようです。
また、テレワークの実施状況とも関連が見られました。毎日テレワークをしている、つまり自宅からWeb会議に参加していると考えられる人は顔出しをする割合が低く、毎日出勤している、つまり職場からWeb会議に参加していると考えられる人は顔出しをする割合が高いという結果でした。可能性として、「職場から参加」の場合は社外との会議が多い(社外との会議は顔出しが必要なケースが多い?)、また自宅参加で顔出しをしたくないと考える人が多い、といったことも考えられます。
Web会議で最も困るのは「発言のタイミングがつかみづらい」
続いて「Web会議で困ること」を聞いたところ、最も多かったのが「発言のタイミングがつかみづらい」でした。「他に発言しようとしている人はいるか」といった、“場の空気”が読みづらいことが原因と考えられます。続いて「相手の表情を読み取りづらい」「相手の音声が聞きづらい」でした。
なお、この「Web会議で困ること」を顔出しの状況別に見たのが以下のグラフです。「困ること」の上位として挙がっている「発言のタイミングがつかみづらい」「相手の表情を読みとりづらい」を含め、全体的に「顔を出している」ケースと「顔を出していない」ケースでそれほど差はなく、顔出しをすることではこれらの問題は解決されないことが分かります。(「発言者が誰なのか分かりづらい」のみ、顔出しによってやや解決されるようです)
まとめ
今回は以下のことを見てきました。
- 有職者の3割はWeb会議をしている
- Web会議で使うツールはZoomが最多、次にTeams
- 半数は顔出しをし、4割は顔出しをしない。会議相手の顔出しの有無やテレワーク実施状況と関係があると考えられる
- Web会議で最も困るのは「発言のタイミングがつかみづらい」
- Web会議の困りごとは顔出しでは解決しない
次回は引き続き調査結果をご紹介しつつ、「Web会議と疲れ」について考えていきたいと思います。