アクセシビリティと音声合成
※2009年3月9日付Kindle 2 ユーザビリティの関連記事。
Kindle の最も優れた機能は、どんな本でも大型活字で印刷した本に変えられることかもしれない。フォント 6 の大きさで表示出来るのは、高齢の読者全て、そして低視力のユーザ達にとって本当に重宝する。
また、盲目のユーザや非常に低視力のユーザ達には、テキスト読み上げ合成機能を提供する。実験的な機能として、これはなかなか良さそうだと感じる — そして実際、私が聞いたことのある多くのスクリーンリーダーよりも上手く機能する。音声合成装置は、3つの異なるスピードで本を読み上げることが出来る。とは言え、熟練の盲目のユーザ達が望む程度のスピードには劣っている。
合成された音声について私が見つけた主な問題点は以下の 2つである:
- 文書の構成を認識しない。例えば、1つの長い文であるかのように、見出しと本文のテキストの最初を一緒に読み上げる。見出しの後に一休止おかないのが、情報について行くのを難しくしている。
- 聞き慣れない固有名詞について行くのが難しい。ある本を部分的に自分で読み、他の部分は、Camaban、Cathallo、Derrewyn、Ratharryn、Saban、 Slaol といった固有名詞を含めて読み上げさせた。これらの名前は視覚的に認識、判別するのは易しかったが、合成装置に処理させると誰が何をどこで行ったのか、簡単に見失ってしまった。
明らかに、Kindle が盲人向けのブックリーダーになるためには、そのユーザインタフェイス自体のアクセシビリティを改善しなければならない。現在、仮にあなたが画面を見られないとしたら、Kindle に読み上げて欲しい本を選ぶことが出来ない。しかし、ここは始まりである。現時点でも、視力に若干問題のある多くの読者に対して、Kindle は十分なアクセシビリティの恩恵を与えている。
最後に、Kindle 1 は、誤ってページをめくってしまう程簡単にしすぎたという点で、激しく批判された。新しいリリースでこの問題は改良されているが、そのデザイナー達は少しやり過ぎた: 現在ページをめくるのには、それなりに正確な向きで、ある程度の力を入れて押さなければならない。これは、関節炎を持つユーザ達には少しやり難いことかもしれない。