マイクロコンテンツ:
見出しやタイトル、サブジェクトの書き方

マイクロコンテンツは明快さの結晶でなくてはならない。マイクロコンテンツの説明に使えるのは40~60文字だ。タイトル、ないしはサブジェクトを見ただけでそのページやEメールの内容がはっきりわかるようになっていない限り、ユーザは中を開けて見てはくれないだろう。

オンラインの見出しに求められるものは、印刷物の見出しに求められるものとかなり異なっている。なぜなら利用形態が違うからだ。その違いのうちで、主なものが以下の2点である。

  • オンラインの見出しは文脈を離れて表示されることが多い。記事リストや、Eメールプログラムの受信メッセージリストの一部として、また検索エンジンの結果一覧、あるいはブラウザのブックマークメニューその他のナビゲーション補助の一部として使われる。本来の文脈とはかなり異なった状況に置かれることもある。検索エンジンが出してくる結果は、実に雑多なトピックにまたがっている。このため、いくら背景知識があっても、見出しの解釈にはあまり役立たない。Eメールのサブジェクトについても同じことが言える。
  • 見出しがそれに関連するコンテンツとともに表示される場合であっても、オンラインでの可読性の低さと、一覧できる情報量の少なさという要因のために、ユーザが周辺のデータから得られる情報量は低下する。印刷物では、写真、袖見出し、小見出し、それに記事全体と見出しとが強く結びついていて、このすべてがひと目で解釈できるようになっている。オンラインでは、ウィンドウ内に見えている情報量がはるかに少ない。その上に、情報を読むのが、より困難で、不快でもあるために、あきらめてしまう人も少なくない。news.comのようなサイトで記事一覧を流し読みしているとき、ユーザはハイライトになった見出しだけを見ていて、ほとんどの要約文には目が届いていないことが多い。

こういった違いがあるために、見出しテキストは自立していなければならないし、残りのコンテンツがなくても意味が通るようにしておかなくてはならない。当然、ユーザは見出しをクリックして記事全文を見ることができるわけだが、ウェブで見かけた見出し全部をいちいちチェックしていられるほどヒマな人はいない。遠からぬうちに、Eメールの量に圧倒されたユーザたちは、サブジェクトを見て意味のわからないメッセージは、中身も見ないで消去してしまうようになると予想される。

他の人のコンテンツをリスト化する場合、たいていの見出しは書き直した方がよい。現状では、ほとんどの人が、オンラインでのマイクロコンテンツの書き方を知らないため、そのウェブ以外の場所に配置されると用をなさなくなる。あなたのユーザのためを思うなら、この仕事は、あなたが肩代わりせざるを得ない。

マイクロコンテンツのガイドライン

  • それが何についての記事(またはEメール)であるかを、ユーザの観点から見てはっきりわかるように説明する。マイクロコンテンツは、それに結びついているマクロコンテンツをごく短く要約したものであるべきだ。
  • 簡潔な言葉で書く:駄じゃれや「かわいらしさ」、あるいは「気の利いた」見出しは必要ない。
  • ティーザーは不要。見る人の興味を引き込んで、どんな内容なのか知るためにクリックさせようとする必要はない。ウェブでは、何が出てくるかもはっきりしないのに、ページのダウンロードをじっと待っていなくてはならないというので、腹を立てているユーザがたくさんいる。印刷では好奇心をあおることで、人々にページをめくらせ、記事を読ませることが可能だ。オンラインで、同じことをやるのはユーザにとってあまりにも苦痛だ。
  • Eメールのサブジェクトやページタイトルでは、「the」とか「a」といった単語は飛ばしてしまおう(だが、ページ内の見出しには入れておくべきだ)。マイクロコンテンツは短い方が流し読みしやすい。また、リストはアルファベット順に並べられることが多いが、そんな時、「T」の項に自分のコンテンツを並べたいとは思わないだろう。「the」で始まるその他大勢のページと一緒くたになってしまう。
  • 最初の単語を重視し、その情報伝達力を高いものにしよう。アルファベット順のリストでもよい位置につけられるし、流し読みもしやすくなる。例えば、社名や人名、あるいはその記事で議論されている概念で始まるようにしよう。
  • すべてのページが同じ単語で始まらないようにしよう。リストを流し読みする際に、違いがわかりにくくなる。共通のマーカーは、行末に持ってこよう。例えば、このページのタイトルはマイクロコンテンツ:見出しとサブジェクト行(Alertbox 1998年9月) [原文] になっている。
  • ウェブサイトからEメールを送信する際には、「From」欄にはっきりと顧客との関係を明記すること。そうすれば、スパムや、いたずらメールと間違えられることは少なくなる(だが、顧客サービス係の個人名を利用するのは差し控えた方がいい。もちろん、ユーザがその人物と実質的な人間関係を築き上げた場合は別だ。知らない人からのメールは消されてしまう傾向が強く、ユーザに検索して見つけてもらえる確率も少ない)。

実例

Eメールのサブジェクト:チャンス
これではまるでスパムみたいだ。読まれることなく消去されるのは確実。
Eメールサブジェクト:ノルウェイでのウェブデザインカンファレンス
カンファレンスの告知のように受け取られる。近々ノルウェイに行く予定のある人以外、読まずに消去してしまうだろう。サブジェクト行としてはこちらの方が適当だ。ご招待:ノルウェイでのウェブデザインカンファレンス基調講演
EメールのFrom欄:musicblvd@musicblvd.comEメールのサブジェクト:あなたからのMusic Boulevardへのご注文

それほどひどいサブジェクトではない。だが、Music Boulevardへのご注文を本日出荷とした方がよかっただろう(情報伝達力の強い単語から始まっているし、より正確でもある)。From行には人間が読みやすい名前を入れた方がいい。例えば、Music Boulevard Customer Service
ページタイトル:ビッグブルーとウォール街
おそらくIBMへの投資に関係のあることなのだろうが、このニックネームを知らない人にはまったく通じない。よって、この見出しをクリックしてみようという気には絶対にならないだろう。これがIBMに関する話だと理解できる人でさえ、この記事のどこが新しく、興味ある点なのかわからない。
ページタイトル:PCを読む
え、何だって?こいつはいったい何の話だい?これは実際に(他のすべてと同様)アメリカの大手新聞から採ってきた実例である。印刷物ならうまくいっただろうが、サードパーティのウェブサイトに見出しだけ並んだ場合、そうはいかない。
ページタイトル:サウンドカード競争激化
コンピュータ関係のサイトなら、これはいい見出しだ。もし、文脈を離れて使われるなら、もうちょっと限定的な言葉を付け足した方がいい:PC市場でサウンドカードの競争激化。このページタイトルなら、どこかのリストで最後の部分がちょん切られたとしても有用性が失なわれない点に留意していただきたい。

1998年9月6日

公開: 1998年9月6日 (原文:1998年9月6日)
著者: Jakob Nielsen
原文:Microcontent: writing headlines, page titles, and email subject lines