モバイルでのユーザー登録やログインの入力フォームのチェックリスト

モバイルでのパスワード入力には、デスクトップでの2倍の時間がかかる。以下の12個のガイドラインに従い、モバイルデバイスでのユーザー登録とログインの手間を減らそう。

新しいサイトへの登録や、以前に訪れたサイトへのログインをしたがる人などいない。使っているデバイスの種類がなんであれ、そうだろう。とはいえ、モバイルデバイスでのユーザー登録やログインはデスクトップでやる以上に骨が折れる。その理由は以下である:

  • モバイルでやるほうがパスワードの入力はたいへんだ。数字や特殊文字を利用するには、キーボードを切り替えなくてはならないからだ。事実、ミュンヘン大学の実施した調査でも、モバイルでのパスワード入力にはデスクトップの約2倍の時間がかかり、その結果、ユーザーがモバイルで作るパスワードはあまり強力でないものが多いことが示されている。
  • ユーザーはパスワードを覚えるのに苦労している。そのため、パスワードをいまだに物理的なファイルやコンピュータに保存している人は多い。しかし、そうしたものは出先からは参照不可能である。
  • 一般的にいって、入力フォームの記入というのはモバイルのほうが間違いやすい。

通常、我々はまず、モバイルでのユーザー登録やログインをユーザーに依頼する前によく考えたほうがいい、とアドバイスする。ECサイトの場合は、ゲストでも決済できる手段を非常口として常に提供するといいだろう。

しかし、ユーザーにログインやユーザー登録を依頼する必要がある場合に、そうしたプロセスをより容易なものにするガイドラインが以下である:

  1. ほとんどのアプリやWebサイトでは、ログインやユーザー登録は任意であるべきだ。また、ログインをしなくても、できるだけ多くの機能が利用可能であるべきである。

ユーザー登録

  1. ユーザー登録のメリットを説明しよう。アカウントを作ることで、ユーザーは何を得られるのか。
  2. ソーシャルログインやGoogleログインなどのユーザー登録の代わりになる手段を提供しよう。こうした方法を皆が使うわけではないが、その方法を使いたい人には時間の短縮になる。というのも、彼らは十分にリハーサル済みのパスワードを使うことになり、パスワードを覚えてしまっている可能性も高いので、入力中に間違うことも少ないだろうからだ。
  3. ユーザー登録フォームでは必要最小限の情報を要求しよう。Eメールとパスワードだけでよいというのが理想だ。誕生日などの絶対に必要というわけではない情報は要求しないようにしよう。だが、追加の情報を提供することでユーザーがさらにメリットを得たいと考えた場合には、プロフィールを編集することでそうできるようになっていなければならない。
  4. パスワードを表示させよう。入力しているパスワードをユーザーが見ることができれば、間違いが減るし、パスワード入力後に見直すこともできる。
  5. パスワードに関する制約は前もって明らかにしておこう。そのサイトのパスワード要件がどんなものかと推測せざるをえなかったのに、その後、その推測が間違っていたとわかるほどイライラすることはないからだ。
  6. パスワード強度チェッカーを表示しよう。そうすれば、ユーザーは自分の選んだパスワードについてリアルタイムでフィードバックを得られるようになるので、より強力なパスワードを作ろうとするようになる。
  7. 同じ入力欄を繰り返すのはやめよう(たとえば、パスワード入力欄を2個続ける、Eメール入力欄を2個続ける、など)。パスワードを入力するだけでも手間なのに、それを2回やらなければならなくなると、2倍の手間になるからだ。その代わりに、パスワード(とEメール)が見えるようにして、エラーがないかをユーザーがチェックできるようにしよう。さらに、ユーザー登録プロセスの最後に、選択したEメールと入力したパスワードが出ている確認ページを表示してもよい。
  8. ユーザー登録の確認をユーザーに求めるときにEメールは使わないようにしよう。
    アプリケーションが切り替わると、ユーザーが混乱してしまい、本来のゴール(あなた方のサイトに登録することでは決してない)の達成を妨げる障害になってしまう可能性があるからだ。どうしても本人確認が必要なら、Eメールでリンクを送る代わりにテキストメッセージで確認コードを送ればよい。そうしたコードなら、コンテキストを切り替えなくても、画面トップに表示された通知にちらっと目を向けるだけで確認できるので、ずっと入力が楽だ。

ログイン

  1. (Touch IDなどの)指紋認証でログインできるようにしよう。この方法にすれば、ログインプロセスの手間はほぼ解消される。
  2. パスワードを表示するという選択肢を提供しよう。とはいえ、パスワードを見せることをログイン時のデフォルトにする必要はない。長年、我々はパスワードを見せるようにと主張してきた。しかし、サイトやアプリがパスワードを見せるようにし始めたのはごく最近だし、パスワードがはっきりと見えることで、安全性に不安を感じるユーザーもいる。そのため、この時点では、パスワードを隠すことをデフォルトにして、「パスワードを表示する」というチェックボックスを表示し、ユーザーがパスワードを見られるようにしておくことを推奨したい。
  3. パスワードを忘れた場合」というリンクも入れておこう。めったに使わないパスワードは忘れてしまうものだ。また、パスワードの回復はどのデバイスからでもできるようになっているべきだ

結論

モバイルでのユーザー登録やログインをユーザーに強制する前によく考えよう。そして、それがあなた方の提供する選択肢の1つなら、我々のガイドラインに従って、ユーザーができるだけ楽にそのプロセスを終えられるようにしよう。

モバイルのWebサイトとアプリケーションをユーザブルにする方法について、さらに詳しくは、我々のトレーニングコース「モバイルのユーザーエクスペリエンス」にて。

参考文献

E. von Zezschwitz, A. De Luca, H. Hussmann. 2014. Honey, I shrunk the keys: influences of mobile devices password composition and authentication performance. In NordiCHI ’14. http://doi.acm.org/10.1145/2639189.2639218