ネットショッピングの新たなUX:
ユーザーが抱く期待の変化

現在のネットショッピング客は、迅速な配送・購入の選択肢があること、実店舗とWeb間の移行がシームレスであること、提供される情報が正確でタイムリーであること、豊かなエクスペリエンスが物理的な世界にも引き継がれることを期待している。

我々がECサイトの調査を始めたのは、ドットバブルの頃の2000年にまでさかのぼる。それ以来、eコマースのユーザビリティとそのカスタマーエクスペリエンスの調査を継続的におこなってきた。

『Ecommerce User Experience』(eコマースのユーザーエクスペリエンス)のレポートシリーズの第4版に向けて、NN/gの7人のリサーチャーからなるチームは、49のB2C(企業・消費者間)ECサイトを対象に、63の定義したテストを含む、ラボベースの大規模なユーザビリティ調査を実施した。この調査には、合計で16人のユーザーが参加し、各ユーザーには63のテストタスクのうちの一部が割り当てられた。そして、この大規模なラボベースの調査以外にも、『Ecommerce User Experience』レポートシリーズ内のeコマースについての11のトピックのレポートをそれぞれ更新し、進化させるために、多数のより小規模で的を絞った調査もおこなわれた。

ECサイトやネットショッピングでの行動についての振り返りをおこない、これまでの成果を見ると興味深い。過去の調査から、トレンドや課題、ユーザーの行動や期待について振り返り、こうしたものを現在のそれと比較すると、その変化は劇的だからだ。この間、デザイナーたちがたくさんのことを学び、eコマースのユーザーエクスペリエンスを大幅に改善してきたということである。おめでとう! しかしよくあるように、今度は、eコマースの現在の状況に関わる新しい課題と、ネットショッピングに対する進化し続ける顧客の期待に気づくことになる。この記事では、現在のECショッパーに見られるこれまでの期待との最大の違いと、そうした新たな期待のテーマについて概説する。

オンライン小売業が進展するにつれて、AmazonやAlibaba、Walmartのような大手プラットフォームとの競争が、それ以外のすべての小売業者にとっての、eコマースでどのようにビジネスをおこない、展開していくかにおける重要な要素になってきている。そうした大規模なサイトでは、ワンストップショッピングサービスや他にはないレベルの品揃え、低価格、便利で迅速な配送、送料無料や返品無料などの特典を消費者に提供している。インターネットのユーザーエクスペリエンスについてのJakobの法則にあるように、ユーザーは大半の時間をあなた方のところ以外のサイトで過ごす。そのため、こうした大企業のサイトを経験することで消費者の期待が高まり、それ以外の小売業者も同じ品質のサービスを提供せざるを得なくなっているのは間違いない。eコマースの市場価値における戦いでは、シンプル・迅速・信頼・便利というショッピングのエクスペリエンスに対する消費者の高まる期待に、誰が応えることができるのか、というのが中心テーマになっているのである。

新しい調査をもとに、我々はeコマースのカスタマーエクスペリエンスに対する顧客の期待の変化を過去の調査と比較して、分析した。そうした変化は以下の6つの大きなテーマによって表すことができる:

  • 利便性
  • スピード
  • 保証
  • 正確性
  • 選択肢
  • エクスペリエンス

利便性

EC業者がさまざまなチャネルにわたる買い物のエクスペリエンスを提供し始めるにつれて、ネットショッピングでの利便性に対するユーザーの期待は高まってきている。デバイスやチャネルが何であろうと、彼らはいつでもどこでも自分の思いどおりに買い物をしたいからだ。企業はデジタルでのエクスペリエンスと物理的なエクスペリエンスを別々の異なるエクスペリエンスであると考えていることが多い。しかしながら、顧客はそうではない。彼らは物理的な世界とネットの世界がシームレスに一体化することを期待しているのである。

買い物客は、ネット上で見つけた商品を、物理的な店舗で検討したり、買ったり、返品したりする機能を欲しがっている。また、店舗での受け取りは、ユーザーにとってそのアイテムがすぐに必要だったり、配送料がかかるのを避けたい場合には、便利なものだ。さらに、ECサイト上で、近隣店舗の正確で信頼できる在庫情報を確認できれば利便性が上がるし、自分の必要なものをどこですぐに入手できるかがわかり、安心感を与えることもできるだろう。店舗への無意味な移動で時間を無駄にしないですむECサイトを今回の調査参加者は高く評価していた。そして、これを一歩進めて、アイテムが店舗のどこにあるかについての詳細情報を提供したり、リクエストしていたアイテムが店に届いて準備ができたことを知らせたりすることで、Webから店舗への移動の手助けまでしているサイトは称賛されていた。顧客が定期的に買うアイテムを楽に再注文できるようにしたり、定期購入のスケジュールを設定する機能を提供したりすることも便利さにつながるだろう。そうすれば、よく使う商品を切らす心配がないからだ。AmazonやWalmartのような大企業はこうしたチャンスを見極めて、自分たちのサービスに組み込んでいる。

AlexaやSiri、Google Assistant、Cortanaを使った音声操作による買い物はインタラクションの新しいチャネルである。しかし、デバイスにお気に入りのサイトから注文したいアイテムを伝えるだけでよい、というアイデアは、利便性のレベルをまったく新しい段階にまで引き上げた。今後は、こうしたテクノロジーによって、増大した利便性に対する期待に、さらに拍車がかかる可能性もあるだろう。

スピード

過去、ネットで注文するということは、商品が配達されるまでに何日もあるいは何週間も待つことを意味することが多かった。しかし、今はもうそうではない。Amazonは、数年前から、2日以内に到着するクイック配送サービスを提供しているし、最近では、時間まで指定できる当日配達便を多くの場所で提供しはじめている。これは(UPSやFedEx、政府の郵便事業のような)外部の配送業者に左右される、ステレオタイプな配送オプションの「ボックス」を提供する以外のやり方といえよう。

その結果、今のネット上の顧客は、自分の求めているものをすぐに手に入れたいと考えるようになり、EC業者との即時的なやりとりを望むようになった。迅速な配送は、最近の配送に関わる選択肢の多さに圧倒されているWebの買い物客には大きなメリットがある。また、迅速な配送の選択肢は、その小売業者にとって競争相手との差別化になるだろう。スピードに対するユーザーのニーズというのは、迅速な配送に限らない。1クリックでの注文や合理的な購買フローは、迅速で楽に買い物できるようにすることでユーザーを獲得したい小売業者によって開発されたものだ。迅速でシームレスなエクスペリエンスは、ネット上での生産性を最大化したい顧客の気持ちをうまく捉えることができる。こうした期待に沿うことで、信頼とロイヤルティは築かれるのである。

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Barnes and Nobleでは、ログインした買い物客には、商品の詳細情報ページで即時購入(Instant purchase)の選択肢を提供し、決済フローを省略して、まさにボタンをクリックするだけでネット注文ができるようにしている。
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Barnes and Nobleでは、従来の決済方法を選んだユーザーには、最寄りの店舗でアイテムを受け取れるという(Buy online, pick up in store at B&N…)便利な選択肢を提供している。また、PayPalも利用可能にして、データ入力の手間を省いて、すばやく決済できるようにしている。

保証

ECサイトでのプライバシーやセキュリティの保証に対するユーザーの期待が高まっている。その一方、こうした事柄に関わる問題への寛容さは低下している。セキュリティの基準が上がった原因は、FacebookやEquifax、Yahooのような企業でデータが漏洩し、信頼が裏切られたことにある。このところ、こうした企業が大きなセキュリティの問題に直面しているからだ。ユーザーはECサイトで自分のデータのセキュリティが不安だと、そのサイトには戻ってこない可能性が高い。今回の調査で、買い物客は、安全であると感じたいので、サイトがセキュリティのために適切な対策と保護の手段を講じているかを知る必要があると考えていた。この分野に投資し、データの安全に関する懸念に対処するためにユーザーに説明をしよう。顧客のサイトでのエクスペリエンスの間、彼らのデータをいかに大切に扱っているかということを伝えて、データが保護されていることをユーザーに保証しよう。

精度と正確性

また、正確性の基準も上がっている。ユーザーは、非常に精度の高い情報を提供する組織に対して、利用してよかったという経験をしているからだ。現在の買い物客は、位置情報や在庫データ、注文ステータスメッセージ、商品の受け取り時間帯、価格、到着日、ユーザーレビューに精度を期待している。今回の調査参加者は、商品情報があいまいだったり、配達の時間帯や追加料金について大まかな一般論しか載せていないサイトに遭遇すると失望していた。他の企業から得られたのと同じくらいに具体的な情報をその企業がなぜ提供しないのか納得できなかったからだ。

Pottery Barnでは、特大サイズの商品はエリア別追加配送料の対象である。しかし、商品ページにはその実際の料金は出ていない。そのページを念入りに読んだユーザーが、「Shipping and Returns」(:配送と返品)のアコーディオンの下にある「Shipping and Delivery Information Page」(:出荷と配送情報のページ)をクリックすると、その追加料金がどういうものなのかを知ることができた。そのページでようやく、郵便番号を入れればエリア別の料金の計算機能を見つけることができたからだ。

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Pottery Barnの特大サイズの商品のページには、配送料金がかかる、とある。しかし、その料金がいくらなのかは明示されていない。決済プロセスを最初から最後までやり通さないと実際の金額がわからないというのではあまりにも大変だ。この商品の詳細情報ページにある追加料金の情報も役に立たない。そこにある、「出荷と配送情報のページ」に進むリンクだけが実際には有益だった。

Pottery Barnは、プロセスの早い時期にもっと直接的な情報を提供できたはずだ。ユーザーは、決済が完了する前に、いくら配送料金を払うことになるかを知りたいと思っているからだ。Pottery Barnは、エリア別送料についての役に立たない詳細情報を商品価格の側に載せる代わりに、推定される最低配送料を入れることができたはずだ。あるいは、下の例でRestoration Hardwareがやっているように、ページの上のほうに出ている価格の側で、追加料金計算機能へのリンクを提供するともっといいだろう。そして、さらにいいのは、商品ページ自体にエリア別計算機能を埋め込み、ユーザーが郵便番号を入れれば料金が示されるようにすることである。

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Restoration Hardwareでは、家具の最低配送料は199ドルであることが明らかにされているが、顧客は郵便番号を入れれば正確な送料を知ることもできる。

極めて高い精度を求めるだけでなく、ユーザーは不正確な情報についても寛容ではない。調査参加者は間違った情報が表示されたり、不愉快な不意打ちをくらうと、たちまち懐疑的になり、そのサイトの説得力や信頼性について疑問を抱いていた。調査参加者の1人はピットブル(:犬種の1つ)を飼っていて、犬関連のギフトや犬のアクセサリーの専門サイトであるTheTCshop.comでギフト券を使って買い物をしていた。しかし、サイトで、違う犬種にピットブルというラベルが間違って付けられているのに気づくと、イライラしていた。

「ここにあるフリースの毛布が、『Pit Bull Fleece Blanket』(:ピットブルのフリース毛布)となっているので、クリックしました。見た瞬間、イラッとしたからです。毛布にカネコルソ(:犬種の1つ)の絵を入れて、ピットブルといっているからです。複数の犬種をひとまとめにして、それを全部ピットブルと呼んでいるということですね。こういうサイトを見るたびに、…私がそこでお金を使うことになるかどうかは、こういうこと、つまり、彼らがうちの犬の種類を他の犬種と十把一絡げにして、それを全部、ピットブルと呼んでいるだとか、そうした犬種を区別するだけの知識が彼らにあるのかどうか、ということが関係してきてしまいます」。

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theTCshop.comで、ユーザーはピットブルと書かれた商品のラベルが間違っていることに気づくと、即、こういうミスをする企業は信用に欠けると判断した。

ユーザーには常に正確な情報を示そう。情報が正確でなかったり、信頼が置けないようなら、見せないほうがいい。配達の時間帯や追加料金のような動的な情報の精度を上げる努力をしよう。提供する情報の精度が上がれば上がるほど、ユーザーは買い物がうまくいっていると感じる。そして、これこそが、サイト側が作り出したい感覚であることは間違いない。消費者に選択肢があふれている時代には、商品情報から、レーティング、レビューまで、すべてを疑うことも可能だ。信用できるとユーザーにわかる正確で高品質な情報を提供することによって、他社と勝負し、自分たちのビジネスを差別化できるチャンスであると考えよう。

選択肢

品質情報に関する期待が増大していることに加えて、買い物客はインタフェース自体以外の総合的なカスタマーエクスペリエンスが優れていることも期待している。サイトが提供する選択肢には、支払いや出荷と配送、定期購入の設定、さらに、カスタマーサポートのチャネルのためのものもある。最近では、以前には聞いたことがなかったような方策を提供することで、極限まで柔軟に対応しようとしているサイトも多い。柔軟性のレベルがここまで高くなると、顧客は自分の思いどおりのインタラクションができるし、自分のニーズに合う買い物のエクスペリエンスをデザインすることが可能だ。そのため、ほとんど何でもできる選択肢をECサイトが提供することを現在のユーザーは期待しているのである。

たとえば、通常のマットレス店との差別化のために、Casper.comでは、100日間無料でマットレスを1つ試せるというユニークな選択肢をユーザーに提供している。もしそのエクスペリエンスに顧客が満足できなければ、Casperはそのマットレスを回収して、全額払い戻しをおこなう。

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Casper.comでは、マットレスを自宅で100日間無料で試せるという選択肢を提供している。

eコマースの黎明期には、ユーザーは注文の支払いにクレジットカードを使うしかなかった。しかし、PayPalやAmazon Pay、Visa Checkout、Masterpass、Apple Pay、Amex Express Checkoutなど、最近はさまざまな支払い方法が登場してきている。Overstock.comでは、ビットコインによる支払い方法まで選択肢として提供している。(暗号通貨がユーザーが安心して使える広く認められた支払形式になるかどうかはさらに見ていく必要がある)。

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Overstock.comでは、Paypalや暗号通貨など、さまざまな支払い方法の選択肢を提供している。

他にもユーザーが選択肢があることを期待している場所にカスタマーサービスがある。チャットから、クリック・ツー・コール(クリックによる発信)、ソーシャルメディアまで、調査参加者は助けてもらうための方法がいろいろあることを望んでいた。顧客が助けを求める必要があるときには、それぞれの状況に合うチャネルを選べるようにすべきだからだ。たとえば、仕事中で電話を取ることができないとしたら? Facebook経由でその業者に質問を送ろうとするかもしれない。車で移動中でテキストメッセージを送れないとしたら? 電話が最も有用だろう。ユーザーにはそれぞれ異なるニーズがあり、問題の緊急度もさまざまだ。そのため、じっと座って電話で回答を待つ以外にも、すぐにメッセージを送れる選択肢があると非常に役に立つだろう。Southwest Airlinesは、ユーザーが顧客ロイヤルティアカウント上の名前を変更できるように、Facebook Messenger経由でカスタマーサービスを提供した。その顧客はすでにFacebook上にいたので、これは彼女にとっては手っ取り早く便利なやり方だった。

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Southwest Airlinesでは、カスタマーサービスの手段として、Facebook Messengerなど、さまざまな選択肢を提供している。
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Overstock.comでは、カスタマーサポートを受けることのできるすべての選択肢を明示するとともに、その各チャネルでの待ち時間や回答の速さに関する有益な情報を提供している。

エクスペリエンス

以前なら素晴らしいと言われたエクスペリエンスも、今ではまあまあのエクスペリエンスになってしまっている。ユーザーがeコマースで快適に感じるレベルが上がるにつれて、嬉しい驚きの要素が加えられていることが期待されるようになったからだ。印象的で個性的なパッケージや、刺激を与えてくれるコンテンツ、さらには、物理的なエクスペリエンスの延長にあるデジタルエクスペリエンスといった1つ1つのことがどれも、EC業者が自社を差別化する方法になりうるということだ。

たとえば、Stitch Fixでは、ユーザーを引きつけるために、エクスペリエンスに関わる細かい要素を活用している。ファッションのキュレーションをするこのサービスは、素敵なパッケージと商品の見せ方を通して、またさらに、インスピレーションとなる洋服のコーディネートのアイデアを毎回、ボックスに同封することで、ネットショッピングを楽しいオフラインのエクスペリエンスと結びつける素晴らしい仕事をしている。

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Stitch Fixは、ネットショッピングの楽しいエクスペリエンスを素敵なパッケージやユーザーに嬉しい驚きを与える洋服のコーディネートアイデアといったオフラインの戦術と結びつけている。

Neiman Marcusでは、一部の店舗にMemory Mirror(:米Memomi Labsが開発したデジタルミラー)を導入している。このミラーはユーザーが試着しているところの動画や写真を撮ることで、彼らの比較ショッピングを支援するものだ。このミラーを使えば、ユーザーは着ているアイテムの色をバーチャルに変えることができる。また、ミラーの前で一回転すると、その全角度を表示するための調整がおこなわれ、着ている姿を360度見ることができる。このデジタルミラーで撮ったスナップ写真は他の人とシェアすることも可能だ。また、Urban Outfittersのアプリにあるスキャン可能なIDもエクスペリエンスの例といえる。これを使えば、買い物客は実店舗での会計時に楽に特典を獲得することができる。

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Urban Outfitterのモバイルアプリには、買い物のエクスペリエンスを豊かなものにする実店舗専用の機能がある。

今回の調査参加者の1人は、彼女が自分のビジネスアカウントのナンバーを使って実店舗で購入したものを、Office Depotがすべてアーカイブしていることを知り、大喜びしていた。彼女は言った。「じっと座って電話をかけ、私の取引を調べてもらうために待つ必要がありませんでした。ホッと安心しました! 経費として請求する必要があるかもしれない商品を理解してくれているという素晴らしいビジネスです」。Office Depotのサイトでは、この一覧を使って、以前に購入した商品をすぐに再注文することも可能だった。

Office Depotのサイトでは、ユーザーのために実店舗での購入を一覧にしている。

結論

顧客の期待を理解し、それに応えることが重要だ。ユーザーエクスペリエンスに対する彼らの認識は、彼らの期待と、そうした期待が満たされるかどうかに直接依存しているからだ。eコマースの変化する状況と、そうした変化が自分たちのサイトやサービスを顧客が利用する際の期待にどう影響するかについて考えてみよう。この記事で論じた大きなテーマをベースに、自分たちの総合的なカスタマーエクスペリエンスを評価するとよい。期待に沿うことができているか、また、今のユーザーニーズに遅れを取らないサービスを展開する予定になっているかどうかをよく考えるといいだろう。

フルレポート

トピックごとのデザインガイドライン11巻を含む、『Ecommerce User Experience』(eコマースのユーザーエクスペリエンス)全シリーズの第4版が現在ダウンロード可能である。