宅配荷物受け取り代行サービスアプリ

アメリカでは、宅配荷物が指定の日に届かなかったり、荷物が盗まれることも日常茶飯事です。でも、そんな悩みを解決するサービスが登場しました。既存の宅配料金に加えて追加の料金を払ってまで、どうしてこのサービスを使う意味があるのでしょうか。

好調なアメリカのネットショッピング、課題は宅配

アメリカの大手貨物配送会社UPSのレポートによると、ネットショッピングが実店舗でのお買い物を超えたというニュースがありました(参照記事:Online Shopping Exceeds In-Store Purchases: Report)。

この記事によると、ミレニアルズはお買い物の54%をネットショッピングで行い、かつスマートフォンからのお買い物は44%のユーザーが行っており、昨年と比べてもまだ3%伸びているということでした。

果たして日本は、ということで調べてみました。MMD研究所の調べによると、スマートフォンからの買い物はネットショッピングの65.8%に達したということでした(参照記事:ネットショッピングをする時に最も使うデバイスとしては「スマートフォン」が増加傾向、2015年より5.5ポイント増)。この数値はミレニアルズに特化した数ではないですが、ミレニアルズに特化して日米を比較すると、日本のほうがネットショッピングの利用率は高く、スマートフォンからのアクセスも多いことが予想されます。

日本の場合、ネットショッピングに限らず、宅配荷物は細かな時間指定で家のドアまで丁寧に持ってきてくれたり、希望に応じてコンビニ受け取りも可能という、消費者のニーズに沿ったきめ細やかなサービスが既になされていますが、アメリカではそうはいきません。

例えば、ネットショッピングで商品を頼んでも、注文時に表示される受け取り予想日がおそろしく適当だったりするのは日常茶飯事。いざ届いたとしても、不在の場合は玄関の外に放置されてしまい結果的に盗難にあったり、門の外から家に向かって箱を投げ入れられて、中身が損傷したり…という状態で、受け取り日時の予想どころか、無事に荷物を受け取ることもままならないことが多い現状です。

日本の便利さを経験した身では、日本の宅配便の優秀さに、あらためて感心してしまいます。

受け取りの悩みを解決するサービスアプリの登場

でも、そんな宅配荷物受け取り難民が多いアメリカですが、救世主が現れました。受け取の悩みを解決するサービスアプリ「Doorman」です(参照記事: The 23 Best iPhone Apps to Download Now)。

宅配荷物受け取り代行サービス「Doorman」

このサービスは荷受けを代理でやってくれるサービスで、ユーザーは荷物をDoormanの住所に送って、Doormanが受け取り、ユーザーはアプリを使って時間を指定し、再配送してもらうというシステムです。日本のように、注文してすぐ翌日に受け取るということをユーザーはあまり期待していないのでしょう。国土の広いアメリカでは、即日配達はできたらすごいが、できなくてもしょうがないという潜在意識がユーザーには実はあるのではないかと思います。この意識を逆手に取ってビジネスにしているのがこのサービスのキーではないでしょうか。

不在のために荷物を持ち帰られたり放置された荷物が盗難に遭うよりも、自分が望む時間に再配達を頼めることや、その依頼にアプリを使うことで24時間いつでも好きなタイミングで依頼できることに価値があるということでしょう。

日本人の感覚でいうと「こんなの当たり前じゃないの?」と思うかもしれませんが、ここアメリカではそうではないのです。既存大手の宅配サービスが日本の一般的な宅配サービスに比べて、行き届いたものではないというのがおわかりいただけると思います。

このサービスの価値を示すかのように、昨年Doormanは増資を受けて、現在$1.5 millionの資本金までに上りました。この手のサービスがユーザーからは望まれているが、実際にはその願いが達成できていないということがわかるかと思います。

大手貨物配送会社との棲み分けは、大きな物流の流れは大手が行い、最後の小さいけれど手間のかかる宅配をこのサービスが受け持つという考え方を提示したのがキーポイントではないでしょうか。確かに物理的に広いアメリカですから、このような大きな物流と小さな物流に分けて考える方が理に適っているのかもしれません。

ユーザー視点で言うならば、もともとの配達料金にプラスしてこのサービスの料金を追加出費するわけですから、Amazon Primeなどの配達料金が安くなるサービスに入っていないと、ちょっと割高に感じるのはやむを得ないかもしれません。

現在のサービスは北米3都市限定

現在、このサービスはサンフランシスコとシカゴ、NYの3都市限定ということで、残念ながらLA在住の私はまだ実際に使うことができませんでした。今後に期待です!

気になる料金は一回ごとの支払いなら$3.99、月額は$19からということですが、これは毎日のようにネットショッピングをするのであれば、悪くない金額なのかもしれません。

Doormanの料金プラン

荷物の配達が期待していた日時に来ないと、がっかりしてしまったり予定が狂ったりと困ることも多いので、個人的にもいつかぜひ、このサービスを使ってみたいと思いっています。

商品開発のための現地実態調査

イードの米国子会社・Interface in Design, Inc.は、どのような製品に関してもフレキシブルなスタイルで、アメリカをはじめとした世界各国で調査を実施することが可能です。例えば、現地情報を出張せずに現地の状況を把握することも出来ます。

皆様の会社の商品企画や開発、デザイン部の方々が、現地向けの商品を開発する際の一助(マーケットの状況や、製品の使用状況などを通した仮説の抽出など)としていただけるはずです。

ご希望に応じてプレインタビューを加えたり、観察調査を加えるなどのオプショナルサービスも提供可能ですので、下記よりお問合せ下さい。

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森原悦子
著者(森原悦子)について
Interface in Design, Inc. COO/President。
武蔵野美術大学卒。インダストリアルデザイナーなどとして活躍後、旧イードに入社。定性調査やエスノグラフィーといった手法を得意とし、クライアントのグローバルな商品開発のコンサルティングリサーチを多く手がける。2011年8月より現職。

公開: 2016年7月7日
著者: 森原悦子

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