『UXリサーチの道具箱Ⅱ』のご紹介

ユーザビリティテスト実践ガイドブック

『UXリサーチの道具箱Ⅱ-ユーザビリティテスト実践ガイドブック-』は、日本を代表するUXリサーチャ・樽本徹也さんの最新作です。ユーザビリティテストの手順に沿って、それぞれの作業の目的や注意点が分かりやすく解説されている一冊です。

  • U-Site編集部
  • 2021年4月21日

日本を代表するUXリサーチャ・樽本徹也さんの最新作『UXリサーチの道具箱Ⅱ-ユーザビリティテスト実践ガイドブック-』は、ユーザビリティテストを手順に沿って分かりやすく解説している、取扱説明書のような一冊です。

2021年3月25日に発売された『UXリサーチの道具箱-ユーザビリティテスト実践ガイドブック-』は、UXリサーチの分野で日本を代表する実践家である樽本徹也さんの最新作です。なお、樽本さんは、長い間、弊社でユーザビリティエンジニアリング業務をなさってから独立された方です。

この『UXリサーチの道具箱Ⅱ』では、UXリサーチを構成する「調査」と「評価」のうち、「評価」、特にユーザビリティテストに焦点を当て、実施プロセスが1ステップずつ紹介されています。

なお、「調査」については前作『UXリサーチの道具箱-イノベーションのための質的調査・分析-』で紹介されていて、本サイト上でもこの本の紹介記事を掲載しています。

『UXリサーチの道具箱Ⅱ』の概要

本書は全6章で構成されていて、本題である「ユーザビリティテストの実践テクニック」は、チャプター2以降で紹介されています。

チャプター1:ユーザビリティテスト概論

ユーザビリティテストの概論について説明されています。ユーザ中心設計には様々な手法が存在しますが、それらには骨格となるパターンが存在するといいます。ユーザビリティテストの評価は、大きく『総括的評価』と『形成的評価』に大別でき、その中でも『形成的評価』の代表的な手法『思考発話法』でのテスト方法を、チャプター2以降で説明しています。

チャプター2:求人ガイド

スケジュール作成(ユーザのリクルートから分析までの日数や工数管理など)から、リクルートまでの手順と注意点が説明されています。

スケジュール作成・工数管理にもコツがありますが、特に注意しなければならないのは、テストに参加してくれるユーザを集める、リクルートに関する作業です。リクルート条件の設定を誤ってしまうと、本当に知りたい結果が得られない可能性があります。本章ではリクルート条件設定のコツや方法について紹介されていますので、必要な作業・ポイントについて総ざらいすることができます。

チャプター3:設計ガイド

ユーザビリティテストのタスク設計・テスト設計について説明されています。知りたいことをタスクとして設定していきますが、このタスク設計がユーザビリティテストの成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。本章ではポイントを「タスク設計の四原則」として紹介しているほか、タスクの作り方を、基本編・応用編として紹介しています。

また、タスクを含めたテスト全体の構成を組むためのポイントのほか、インタビューガイド・実査ツールの準備やパイロットテスト(製品の問題点を見つけるためではなく、「テストの問題点」を見つけるためのテスト)の重要性についても解説されており、ユーザビリティテストの下準備のガイドになるのではないでしょうか。

チャプター4:実査ガイド

ユーザビリティテスト本番の心得が説明されています。ユーザビリティテストでは司会者として注意しなければならない点がたくさんあります。本章では具体例を示しながら紹介されているので、まるでユーザビリティテストを見学しているかのような気持ちで読むことができます。

また、テストだけでなく、ユーザが実査会場に到着してから帰るまでの一連の流れも説明されています。ユーザビリティテストでは同意書の記入・カメラのセッティング等、多くの作業を並行して行う必要がある場合がありますが、テストのことで頭がいっぱいになるととつい忘れがちになってしまうこともあるでしょう。これらについても詳細に説明されていますので、本章を確認することでミス防止にもつながります。

司会者の重要性は明白ですが、隠れて重要なのが見学者です。ただなんとなく見学している方もいらっしゃるでしょう。ですが、テスト中どこをチェックする必要があるか、タスク終了後の質問者としてどのような心構えでいるべきかポイントがあり、それらについても説明されています。

チャプター5:分析ガイド

テスト終了後の分析の方法について説明されています。本書のはしがきで述べられていますが、優れたUXを作り上げる上で最も重要なことは、評価と改善を繰り返す「反復デザイン」です。テストの結果を得たあとは問題点を確認して改善に生かさなければなりません。その意味では本書の核となっている章といえるでしょう。分析についての注意点が詳細に書かれていますので、議論が活発なあまり脱線してしまうという方にもおすすめです。

チャプター6:UTちょい足しレシピ集

チャプター2~5では代表的なユーザビリティテストの手法について説明されていますが、本章では様々な手法や分析方法が紹介されています。それぞれの手法にはメリット・デメリットがあるので、知りたいことに対してどの手法を使えばいいのか検討するときの参考にできることでしょう。

優れたUXの実現のために必要な作業・考え方を具体的に示してくれる書籍

「実践ガイドブック」の名のとおり、具体例を基に「どのように」テストを行えばいいのか、「なぜ」そのようにする必要があるのかが分かるようになっています。また、章ごとに内容が独立しているため、ピンポイントで知りたい情報を得ることができます。

ユーザビリティテスト初心者向けではありますが、実務を積んだリサーチャが初心に帰るための一冊としても重宝しそうです。さらに、チャプター5、6などは、調査会社にユーザビリティテストを依頼するクライアントとなる方にとっても参考になるはずです。 コラムや附録も多く、読みやすい一冊になっていますので、ユーザビリティテスト入門編としておすすめの一冊です。

書誌情報

書名
ISBN
著者
出版社
発売日
価格
円(税込円)
ネット販売
Amazon / 楽天 / 紀伊國屋 / TSUTAYA / ヨドバシ / HMV など

データ提供:openBD

本書を5名の方にプレゼント

ここでご紹介した『UXリサーチの道具箱Ⅱ-ユーザビリティテスト実践ガイドブック-』を、著者の樽本さんと出版社のオーム社様のご厚意で、ご献本いただきました。

こちらを抽選で5名の方にプレゼントいたします。

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