さらなるデジタルライフに向けて

僕は20代から人の二倍生きたいと思ってきた。その生き方にデジタル機器は欠かせない。そんな僕の自宅や身の回りのデジタル環境とアナログ環境を紹介させていただこう。

年頭のご挨拶を兼ねて、ちょっと肩の力を抜いた原稿を書かせていただく。ご容赦あれ。実は、勤務先の放送大学の「大学の窓」という15分番組があり、昨年12月に「私のデジタルライフ」というタイトルで、僕の自宅や身の回りのデジタル環境とアナログ環境の紹介をさせていただく機会があった。なぜ僕にお鉢が回ってきたのかは分からないが、ともかく、2013年度から放送大学で開講する情報コース(学部と大学院修士)のプレアナウンスの位置づけだったのかもしれない。11/27に撮影にこられて3時間、それから2週間もたたない12/10-16あたりで毎日放送されたらしい。この短い日程でうまくまとめてしまうというのは、多少身びいきになってしまうが流石にプロのお仕事、と思う。学内でもちょっと話題になってしまったらしいが、恥ずかしいという気持ちもあり、いつも臆面もないことをしているのだからという開き直りもある。

撮影は大変だった。何しろ、綺麗にするなんて度台無理な我が家。床の掃除くらいはしておいたが、それ以外は放置。そもそも70平米の家にどっさりと書籍やメディアや機械が詰まっている。私のテリトリーはいちおう半分ということになっているので、そこには書棚を積み上げ、横積みし、手前にはケーブルなどの雑物がある。

特に撮影困難を極めたのは僕の作業コーナー。番組では一畳ほどのエリア、と紹介されていたが、まあそんなもんだろう。そこにデスクトップパソコン2台、1台はトリプルモニター、もう一つはツインモニターにしている。さらに32インチのテレビ、というかDVDとBDの鑑賞用モニターがある。そして、今は2TBのHDが4台、4TBが9台、6TBが2台、足下に転がっている。さらに充電コーナーとなってしまっているスキャナーの上の場所には、スマホ(Galaxy)、Galaxy Tab、iPod touch、iPad、Kindle Fire、Kobo、携帯ルータ、携帯充電用バッテリー、さらに最近試しに購入したCOBYのKyrosなどが充電中は積み重なる。横の棚には、ノートパソコンが9台、Kindle各種が2台、その他の電子ブックが4台(なかには広州で買った中国製のローカルブックマシンもある)、iPad、Sony Readerが2台、それと電子辞書が7台置かれている。それらを(この省エネ時代に・・たぶん馬鹿だからだろう)普段から充電しているので、床はもうケーブルの山。そこにはUSB HubもUSB3 Hubもあるし、スピーカーも2系統置いている。あとダウンとアップのスキャンコンバータとそのケーブル。VHSから録画するためのケーブル、その他、テプラとかなんだとかもある。プリンタはモノクロレーザとカラーレーザ2台の合計3台。これらのケーブル処理は、近未来には何とか解決して欲しい課題だけど、まあ難しいんだろうな。それに僕みたいに馬鹿なほどつなぎまくる人もいないだろうから社会的必要性も低いだろうし。で、収録の時、このコーナーにはアナウンサーと僕の二人が入ることは不可能。アナウンサーは立ってインタビューすることもあったし、そもそもカメラマンが入れない。そこで本棚の本をどけて穴をあけ、そこから撮影してもらった。

それと僕のウェイストポーチの中身、スマホ、iPod、Kobo、デジカメ、ICレコーダ、充電用バッテリー、乾電池、電子辞書などなどもスタッフの興味をそそったようだ。あと、僕の両腕の時計も撮影していった。

内容については番組を見ていただくのが一番なんだが、ストリーミングで見ることができるのかどうか、すみませんが分かりません(編集部注: ページの最後に番組動画へのリンクを掲載しました)。ただ、ひとこと言ったのは、僕は20代から人の二倍生きたいと思ってきたという話。それについてはほぼ着実に実行してきたつもり。その生き方にデジタル機器は欠かせない。とにかく時間が大切で、高密度圧縮した生活を送っている。仕事は人以上にやるつもりだし、だからといって毎日のDVD鑑賞は欠かせない。新しい音楽は仕事をしながら聴いている。それらをアナログ保存したり、デジタル保存したりするために大型のHDは欠かせない。時々ふっと昔のものが聞きたくなることもあるし、仕事で映画を見直すこともある(先日、SF映画に描かれている全体主義社会とユビキタステクノロジーというエッセイをアメリカの雑誌に書いた)。だから映画や音楽は「遊びではない。仕事につながるのだ」と同居人を説得している。ともかくデジタルテクノロジーがなければ、こうしたことは不可能だ。最近は、NaxosだけでなくHuluも契約した。そう、デジタルライフにはお金も必要なのだ。

とはいえ、アナログ生活も超高密度充実させている。買い物好きということもあるけれど、何か参照したいとなると、もちろんネット、Wikipediaでちょっと調べたり、Google Scholarなどで文献を調べるともあるけれど、単行本は即ワンクリック。Kindleにすることもあるけれど、専門書には電子ブックはやはり向かない。基本は英語の場合も「読み物」だ。ただ、先日Kindleが便利だなと思ったのは、洋書ですぐに欲しい資料があったとき。Kindleでも販売されていたので、ワンクリックしてすぐに読むことができた。おかげで講演資料をちゃんと作ることができた。ただし同時に紙の本も購入した。amazon商売に完全に乗せられている訳だ。小説では永井荷風あたりも好きなんだけど、青空文庫にはその一部しかないので、結局中古で全集を購入した。15000円だったから安い買い物だったけど、場所をとる。とにかくアナログメディアは空間との勝負。読み終えた画集や写真集などは調布の家に運んでいるけれど、専門書はすぐに参照するから手元に置いておかなければならない。事典やハンドブックも電子ブックでは使いにくい。語学の辞書はパソコンアプリが便利だが、それ以外はじっくり読む必要があるので、紙本である。それが何十冊も揃っているから事典やハンドブックだけでも相当な重さになる。

人生の時間と空間は有限である。それを如何に多重化し、如何にして有効に使いこなすか。そんな命題をかかげて、僕の実験的生活は今年もさらに進展するだろう。では、皆さんにとっても良い年になりますように。

編集部注

黒須先生ご出演の「大学の窓」の動画は、リンク先のページからご覧いただけます(「2012年12月分の放送」の3つ目、15分間)。

テレビ「大学の窓」
テレビ「大学の窓」 – 放送大学

また、放送大学の教養学部情報コース、大学院文化科学研究科情報学プログラムについては、放送大学の下記のページをご覧ください:

公開:2013年1月9日
著者:黒須教授

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