ビジネスホテルに関する調査(2)
満足度の高いビジネスホテルとその要因
新しいホテルが次々とオープンし、競争が激化するホテル業界。消費者はどのような基準でホテルを選んでいるのでしょうか。また、満足度の高いホテルはどこでしょうか。ここではイードが実施した自主調査の結果を紹介します。
「ビジネスホテル」は一昔前の“ビジネスホテル”から変化を遂げつつあり、プライベートで利用されるケースも多いことは、以前の記事で紹介しました。今回改めてビジネスホテルに関する調査を行い、消費者がホテル選びにおいて重視する点や総合満足度、満足した点などを調査しました。ここではその結果を紹介していきたいと思います。
- 手法
- インターネットアンケート(アンケートパネルに配信)
- 回答者条件
- 5年以内にビジネスホテルに泊まったことのある20歳以上の男女
- サンプルサイズ
- 1,578s
- 集計
- スクリーニング回答者の性年代構成比が全国の性年代構成比と同じになるようにウェイトバック集計
- 実施時期
- 2019年9月26日~10月7日
利用者が多いのは「東横イン」「アパホテル」
まず、直近5年間で泊まったことのあるホテルを聞いたところ、以下の結果となりました。
宿泊した人の割合が最も高いのが「東横イン」。続いて「アパホテル」でした。
ホテル選びにおいて重視されるのは「価格」「立地」「清潔さ」
次に「ビジネスホテルを選ぶ際に重視する点」を聞いたところ、以下の結果となりました。
最も多いのが「価格」で、7割強の人が重視しています。続いて「立地」「清潔さ」。「朝食」も3割の人が重視しています。
満足度が高いのは「ホテルメッツ」「ドーミーイン」「ダイワロイネットホテルズ」
続いて泊まったホテルに対する満足度を聞いたところ、以下の結果となりました。
どのホテルも「不満」「やや不満」と答える人はあまりおらず、ほとんどが「満足」「やや満足」と答えています。中でも「満足」と答えた割合が最も多いのが「ホテルメッツ」、続いて「ドーミーイン」「ダイワロイネットホテルズ」でした。この3つのホテルは、宿泊者の半数以上が「満足(TOP1)」と答えています。
では、満足度が高い「ホテルメッツ」、「ドーミーイン」、「ダイワロイネットホテルズ」は具体的にどのような点が評価されているのでしょうか。「満足」「やや満足」と答えた人に、満足した点を聞いたところ、以下のような結果となりました。
ホテルメッツで満足した点として挙がったのが、多い順に「立地」「清潔さ」でした。特に「立地」は6割が満足した点として挙げており、平均を大きく上回っています。また「立地」だけでなく、「清潔さ」「部屋の設備」「朝食」「接客」など、他の多くの項目も平均を上回っており、あらゆる点で満足度が高いことが特長です。
ドーミーインで満足した点として挙がったのが、多い順に「大浴場」「朝食」でした。ドーミーインの最大の特長でもある「大浴場」は平均を大きく上回っていますが、その他の項目、例えば「価格」や「立地」は平均を下回っていることが分かります。先ほどのホテルメッツと異なり、「大浴場」「朝食」といった“目玉”をうまく打ち出し、独自のやり方で高い満足度を得ていることが分かります。
ダイワロイネットホテルズで満足した点として挙がったのが、多い順に「清潔さ」「立地」でした。「清潔さ」「部屋の設備」「部屋の広さ」は平均を上回っている一方、「価格」は平均を下回っています。宿泊者にとって「ちょっと高いけれど、いいホテル」という位置づけであることが推測されます。
宿泊者の多い「アパホテル」「東横イン」で満足した点
ここまで満足度上位3つのホテルについて、宿泊者が満足した点を見てみました。では、宿泊者の多い「アパホテル」「東横イン」はどうでしょうか。
アパホテルで満足した点として挙がったのが、多い順に「立地」「価格」でした。また、「大浴場」が平均を上回っています。
東横インで満足した点として挙がったのが、多い順に「価格」「立地」でした。特に「価格」は6割近くの人が満足をしています。また、「予約のとりやすさ」が平均を上回っています。
まとめ
今回、ホテル選びで特に重視されるのは「価格」と「立地」であること、また満足度の高いホテルでも、満足度に貢献している要素はホテルごとに異なることを見てきました。今後もホテルに関する調査を行い、発表していきたいと思います。
イードのリサーチ事業本部では、今回のような消費者を対象としたアンケート調査をはじめ、さまざまな調査・分析を行っております。 お問い合わせ・お見積りは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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