Web会議の疲れを減らすヒント
Web会議に関する調査(2)
イードが実施した調査から、Web会議に参加する人の半数弱が対面の会議より疲れを感じていることが分かりました。調査結果を基に疲れを引き起こす要因や、疲れを減らすヒントについて考えます。
株式会社イードでは、テレワークの普及に伴い増えている「Web会議」について調べるため、独自で調査を行いました。前回の記事では、Web会議の際の困りごとや、顔出しの状況についてご紹介しました。今回は「Web会議と疲れ」に焦点を当て、調査結果をご紹介したいと思います。
調査概要
- 調査手法
- インターネットアンケート(アンケートパネルに対する調査)
- 実施期間
- 2020年6月30日~7月6日
- 調査対象者
- 20-59歳男女、有職者、月に1回以上仕事でWeb会議をする人
- 回収
- 性年代均等回収
- 本調査有効回答数
- 1,010s
Web会議をしている人の半数弱は「対面の会議より疲れる」と感じている
月に1回以上Web会議をする人に、対面での会議との疲れ方の違いを聞いたところ、半数近くが「対面より疲れる/やや疲れる」と回答しました。
この結果を「Web会議実施頻度別」「顔出しの状況別」で見たのが以下のグラフです。
(それほど大きな差ではないものの)「Web会議実施頻度が少ない」「顔出しをしている」ほど「疲れる」割合が高いという結果となっており、「Web会議への慣れなさ」や「顔出し」が疲れの要因となっている可能性が考えられます。つまり逆に考えると、「数をこなしWeb会議に慣れること」「顔出しをしないこと」で、Web会議の疲れを減らせる可能性があると言えそうです。
非言語コミュニケーションに長けている人ほど疲れを感じる?
続いて、前回の記事でご紹介した「Web会議で困ること」を「Web会議の疲れ方」別に見たのが以下のグラフです。「疲れる」人と「疲れない」人で差が見られた項目が「相手の表情を読みとりづらい」「話を聞くのに集中力がいる」「相手の話している内容が分かりづらい」でした。
見方によれば、この結果から「普段対面で相手の表情やしぐさなど、ノンバーバル(非言語)なメッセージにも気を配っている人ほど、勝手が違うWeb会議で疲れを感じている」と解釈することもできそうです。
また別の質問では、対面の会議と比べたときのWeb会議における「話の理解のしやすさ」を聞いていますが、Web会議に疲れを感じている人ほど、「話を理解しづらい」と感じていることが分かりました。やはり、対面からWebでの会議になることで失われてしまう情報(ボディランゲージなど)を含めて普段相手の話を聞いていた人ほど、Web会議において情報が不足していると感じ、「話が理解しづらい」「疲れる」と感じると言えるのではないでしょうか。
Web会議の疲れを減らすための様々な工夫
アンケートでは、「Web会議の疲れを減らすために行っている工夫」についても聞いており、様々な工夫が寄せられました。その一部を紹介したいと思います。
ストレッチをする
- ストレッチをはさむ(女性20代)
- たまに立ったり伸びをしたりする(女性30代)
楽な姿勢で参加する
- リラックスした姿勢でのぞむ(男性30代)
- 椅子の上にあぐらをかいて、楽な姿勢で座る(女性30代)
お茶やコーヒーを飲む
- コーヒーを飲みながらやる(男性50代)
- たまにお茶を飲んだりして息抜き(女性30代)
- 飲み物を用意しておく(女性40代)
適度に気を抜く
- カメラに映らないところでリラックスする(男性20代)
- 適度にサボる(男性30代)
リラックスできる環境を整える
- アロマをたいている(女性40代)
- クーラーの気温調整をして聴きやすい環境を整えて行うようにしている(男性20代)
必要のないときはカメラやマイクをOFFにする
- 発言しない時はマイク・カメラをオフにしている(女性20代)
- 自分が発言しない時はマイクをオフ、またあまり顔出しが重要じゃない時はカメラをオフにしている(男性50代)
事前に資料を共有しておく
- 資料を事前に送付、共有しておく(男性30代)
- 出来る限り、事前に資料を準備し、話す内容と併せて資料を見てもらって理解してもらうようにする(男性50代)
発言内容をあらかじめまとめておく
- 話す事を事前に頭の中で整理しておく(女性20代)
- なるべく事前の準備を行ってより伝わりやすい指標やグラフを用意する(男性20代)
途中で休憩をはさむ
- インターバル宣言を行い、適宜休憩をとるようにしている(男性30代)
- だれてきたと思ったら休憩を入れる(男性30代)
- トイレ休憩や給水など自由に行っていいということを最初にルール決めしておく(男性20代)
快適なヘッドセットや椅子などを用意する
- 性能の良いヘッドセットを使う(女性40代)
- 音声がクリアに聞こえるヘッドセットを使っている。マイクも大声を出さなくても良いようなヘッドセットを使っている(男性40代)
- できるだけ腰が疲れない椅子に座って参加するようにしている(女性50代)
- 椅子を購入した(男性50代)
まとめ
今回、以下のことを見てきました。
- Web会議をしている人の半数弱が「対面の会議より疲れる」と感じている
- 非言語コミュニケーションに長けている人ほど疲れを感じる可能性がある
- 「数をこなしWeb会議に慣れること」「顔出しをしないこと」で、Web会議の疲れを減らせる可能性がある
- Web会議の疲れを減らす工夫として、以下のような例がある:
ストレッチをする/楽な姿勢で参加する/お茶やコーヒーを飲む/適度に気を抜く/リラックスできる環境を整える/必要がないときはカメラやマイクをOFFにする/事前に資料を共有しておく/発言内容をあらかじめまとめておく/途中で休憩をはさむ/快適なヘッドセットや椅子などを用意する
コロナ禍を機にWeb会議をする機会が増え、今、少しずつ慣れ始めた人も多いのではないでしょうか。経験が蓄積されていく中で、“スムーズな進行”、“生産的なやり方”などに加え、“疲れを回避する術”についても、それぞれのケースでベストな方法が見つかっていけば良いなと思います。