ECサイトがAmazonと勝負する、6つの方法
Amazonの規模と幅広い品揃えは弱点にもなる。非常に優れた顧客エクスペリエンスをAmazonにはできないやり方で提供することに小売業者は注力すべきである。
こういう記事を見たことがあるだろう。伝統的な小規模の小売業者が、Amazonによって形成された小売環境の中で、競争力を保ち、商品を販売するのに苦労している、と。また、この巨大小売業者が提供するスピードや利便性、低価格、膨大な品揃えについての、Amazon支持者からの熱狂的な評価を耳にしたこともあるのではないだろうか。
そう、Amazonはこうしたことを非常にうまくやっており、オンラインショッピングでそうした要素を重視する消費者からの注文を獲得している。しかしながら、Amazonだってすべてをうまくやれているわけではない。他の小売業者もAmazonの弱点に乗じて、彼らにはできないやり方で消費者に価値を提供すればよいのだ。今回はAmazonよりも優れたユーザーエクスペリエンスを提供する方法を6つ紹介する。
1. 商品とレビューで質の高さと信頼性を確保する
Amazonの小売プラットフォームが急成長し、サードパーティ向けのマーケットプレイス経由で販売される商品の量が膨大になったため、Amazonはマーケットプレイスからコピー商品や偽のレビューを締め出すのに苦労している。ユーザーはWeb上の商品やレビューの正当性について用心するようになった。過去に疑わしい商品やコンテンツに遭遇した経験があり、偽物を見分けるための知識が増えてきているからだ。『Ecommerce User Experience』レポートシリーズの最新の第4版のために最近おこなった調査では、レビューを読むための批評眼を持ち合わせているユーザーが何人もいた。
Crutchfield.comで、ヘッドフォンについてのレビューを読んでいたある買い物客はこう言った。「これを見ると、このヘッドフォンについて書いたのは普通の人たちのようですね。もっと大きなサイトでレビューを読むと気づくものです。誰かがクリックファームやボットに肯定的なレビューを投稿させているのだろうなと。これら(のCrutchfieldにあるレビュー)は、そういうものとは言葉遣いや句読点の打ち方が違います。ここにある情報は実際に有益でしょう」。
別の買い物客はWayfair.comでダイニングテーブルを見ながら、こう述べていた。「レビューが全部良いものだったり、悪いものだったりする場合は、何かがおかしいです。全員が良いと思ったり悪いと思ったりするようなものなどないですから」。
小規模な小売業者は、Amazonのような巨大企業より、商品やレビューの質や正当性をコントロールできる。Webサイトでは、信頼性の高いブランドを目立たせよう。見覚えのあるブランドを取り扱う小売業者は、ユーザーからさらなる信頼感を得られるからだ。レビューの投稿にはeメールでの確認を必須にすることや、レビュー対象の商品を購入したアドレスからのみレビューできるようにすることを検討するとよい。質の高いレビューは目立つ位置に置いて、デザイン処理を施し、際立たせよう。レビューのページでは、評判の良い商品とあなた方の会社との関わりや、偽レビューと闘う取り組みについて触れた、簡潔なミッションステートメントを入れたコンテンツを強調するとよい。
2. ユーザーの労力と不安を軽減する
Amazonをブラウズして買い物をするのはたいへんな作業になる場合もある。我々の調査の参加者は、オンラインショッピング時の選択肢の多さに、不安になったり、圧倒されたりすると述べていた。そして、Amazonでのエクスペリエンスとは、選択肢を選ぶということであり、そこには数千もの選択肢があることも珍しくない。ユーザーがあなた方のサイトで買い物を完了するときの労力を軽減することは、チーム全員が目指すゴールであるべきだ。ユーザーの労力を軽減する方法はいくつかある。たとえば:
- 厳選された品揃えと堅牢な検索。提供する商品の選択肢を絞り込んで少なくすれば、ユーザーが選択肢を見て回って、比較する間の作業量は限定される。また、サイト検索に、商品の種類別に注意深くカスタマイズされたフィルターがあれば、ユーザーが自分のニーズに関連のある選択肢のみに絞り込みやすい。
- 有益な情報が入っていて、比較しやすい商品一覧。カテゴリーページや一覧ページでやるべきことは、ユーザーに商品の選択肢を示すことである。商品一覧は十分な情報を提供して、顧客がすばやく重要な属性を識別して楽に比較できるようにすべきである。
Amazonのタイムセールを見て回っていたユーザーは、一覧ページのデザインのわかりにくさにイライラしていた。彼女はあるBluetoothヘッドフォンの詳細ページに行きたかったのだが、そのヘッドフォンの画像や商品名をクリックすると、サインインを求められるのである。彼女は言った。「これを見ようとするとサインイン以外のことをさせてくれないのはなぜでしょうか」。ヘッドフォンの詳細を見ようと何度も挑戦してから、彼女はこの商品一覧の見出しが実はヘッドフォンが当たる懸賞のためのものであることに気づいた。つまり、これは商品一覧の項目ではなかったのだ。しかし、商品であるかのように一覧ページに表示されていたのである。「こういうのは良くないですね。これが景品だとは思いもよりませんでした。5回くらいこのページに戻っては、この項目を見て、やっとそのことに気づきました。他の項目と同じような見た目になっているからです」。
Amazonにある商品の多くは、商品名がわかりにくく、ひと目見ただけではその商品がどんなものであるかを理解するのが難しい。タイムセールを見て回っていた先ほどのユーザーはこう言った。「代わりにGrouponを見ることが多いです。Amazonを見て回るのはあまり好きではありません。商品を1つ1つクリックしないと、それがどんなものであるかがよくわからないからです」。以下の一覧ページの2番目に出ている商品は、「Universal Socket, Kusonkey Professional 7mm-19mm Universal Sockets Tools Gifts for Men Him Husband Dad Father DIY Handyman Women」(万能ソケット、Kusonkey プロフェッショナル 7~19mm対応万能ソケット ツール 男性・彼・夫・父・DIY・便利屋・女性のためのギフト)という名称である。しかし、キーワードがぎゅうぎゅうに詰まった非常に長いこの商品名は、商品一覧内では最後が切れてしまっていて、商品がどんなものであるかを知る役には立たない。(実際には、この商品はいろいろなサイズのドリルビットが利用できるドリルビットアダプターだった)。
- 有益な情報が入っていて、しっかりした構成の商品ページ。適切なデザインの商品ページには、明確な情報階層があり、最も重要である商品情報がわかりやすくページトップに表示され、二次的な情報はページのずっと下のほうか、タブコンテンツ内に配置されている。最も有益な情報をページトップに置くことで、ユーザーがそこにすぐアクセスでき、検索やスクロールの必要がない。比較が効率的にできるように、こうした情報階層は商品ページ全体で一貫しているべきである。
Amazonは商品ページに表示される情報の質の管理に問題を抱えている。商品が大量にあり、その多くがサードパーティの小売業者によって投稿され、販売されているので、Amazonの商品ページは一貫性に欠けていることが多く、情報の表示の仕方に問題があるのだ。たとえば、あると思っていた場所に家具の寸法の表示がなく、それがページトップの商品概要よりも下に追いやられていたことに、ユーザーは不満を募らせていた。
犬用のベッドを見ていたあるユーザーはこう言った。「見てください。このベッドにはどのくらいの大きさかということについての情報がありません。寸法がないのに我が家のスペースに合うかどうかわかるわけがないでしょう。家の中に持ち込まれるものはすべて、寸法が載っているべきです」。こうした寸法の情報は他の商品ではページの上のほうに載っていた。そのため、この商品でも同じ場所に出ていると彼女は思ったのである。
情報が適切に階層化されていないこと以外にも、Amazonは関連商品を押しつけようとしすぎている。こうした関連商品を商品説明ページの真ん中に置くことで、ユーザビリティが損なわれているのである。犬用ベッドを探していた参加者は、関連商品のカルーセルの下までスクロールすれば、サイズの情報があるということにまるで気づかなかった。このカルーセルのせいで、全部見たという錯覚を起こしたからだ。つまり、このカルーセルは、このページにはもう商品情報がない、という間違った合図をユーザーに送ったのである。こうした課題や表示の一貫性のなさによって、彼女の犬用ベッド探しはかなり無駄に手間のかかる作業となってしまった。
3. スピードと利便性に投資する
周知の事実であるが、Amazonはスピードと利便性によって、他の小売業者よりも優位に立っている。スピードと利便性は密接な関連がある。速いということは便利なことでもあるからだ。Amazonは、スマートスピーカーのEchoや商品ページの「今すぐ買う」ボタン(1クリック決済)、そして、もちろん、Amazon Primeメンバー向けの無料翌々日配送によって、手間なく楽に商品を購入できるようにした。こうしたメリットが購買者を惹きつけているのである。
しかし、Amazonには効果的なことが、すべてのECサイトでうまくいったり、実現可能であるとも限らない。自社の顧客基盤に焦点を合わせ、どうやったら自分たちのサイトで顧客のエクスペリエンスを速く便利なものにできるかということを考えよう。
- 楽で手間のかからない再注文。消耗品を提供していて、繰り返し注文されることが多く見込まれるのなら、定期購入や簡易または自動再注文機能を宣伝しよう。
- スピードや利便性関連のロイヤルティ特典。ロイヤルショッパーには特典を提供して、リピーターとの関係を発展させよう。調査参加者の多くはその企業に忠実であることで特典をもらえる企業をひいきしていた。
あるユーザーは常にまずTarget.comで商品を探していた。というのも、彼女の持っているTargetカードを使って購入をすると、5%の割引になるからだ。また、彼女はChoice Hotels(:世界規模のホテルチェーン)も使いたがっていた。ロイヤルティプログラムのメンバーなので、追加のサービスや特典が得られるからである。
- 迅速な決済。Barnes and Nobleなどの小売業者は、迅速に決済できる機能を提供して、Amazonが提供している類似の機能に対抗しようとしている。自分たちが扱っている商品の中に、すでにアカウントのあるユーザーの簡易決済に適したものがないかどうかを検討してみよう。
4. モバイルショッピングをサポートする
GlobalWebIndex発行のオンラインコマースの最新トレンドに関する2017年のレポートによると、モバイルデバイスは今や、顧客の買い物と購買のカスタマージャーニーにかなり関係するようになってきている。我々自身が実施した定性調査でも、このことは裏づけられている。調査参加者の多くが、モバイルデバイスで、(ときにはeメールニュースレターをクリックすることによって)商品を発見したり、まず調べたりしていたからだ。
モバイルショッピングの成長は、Apple PayやAndroid Pay、PayPal、Alipayなどの簡易決済技術が新たに開発されたことや、買い物客側もブランド側もショッピングチャネルとしてソーシャルメディアを利用することが増えたことに起因すると考えられる。買い物時のカスタマージャーニーの多くでは、ソーシャルメディアを使って、買う商品を探すことがおこなわれているのである。
こうしたことから、ニッチな商品を扱う小規模のブランドや小売業者は、顧客の購入意欲を刺激する、そのブランドらしい魅力的なソーシャルコンテンツを作成するのにAmazonよりも有利であるといえる。商品が使われている様子を示す購買意欲を刺激するコンテンツで、ユーザーをあなた方のサイトに誘おう。サイトに到着したとき、Amazonよりも質の高いエクスペリエンスを味わうことができれば、彼らは買い手になってくれることだろう。
5. オンラインとオフラインの両方で、質の高い専門的なエクスペリエンスを提供する
より限定された顧客を持つ小売業者なら、Amazonのような巨大組織との差別化になる、体験的でパーソナルな心のこもった扱いという、買い物での伝統的なエクスペリエンスを充実させることも可能だ。
- オフライン。実店舗でユーザーに商品を触って感じてもらえる機会を提供する。また、店舗で、顧客に来店してもらえるユニークなイベントを主催し、再来店や継続的な購買につながるコミュティや関係を育てることもできる。Amazonは幅広い店舗ネットワークを持っていないので、彼らの価値は、シームレスで一貫性のある心地よいエクスペリエンスというよりも、スピードとユーティリティに偏っている。小規模小売業者や物理的な店舗を持つ小売業者は、上記のようなエクスペリエンスを提供することで、Amazonに勝つチャンスがある。
店内での体験という要素によって、買い物客に付加価値を提供して、彼らを物理的な店舗に惹きつけることができる。たとえば、ヨガやフィットネスの関連商品を販売するAthletaでは、店舗の多くでヨガのクラスを開催し、既存客や潜在的な顧客を定期的に来店させている。Joann Fabricsでは、さまざまな手芸関係のプロジェクトから顧客が選んだテーマをそこできちんと作リ上げることができるという、Creator’s Studioというコーナーを店内で提供している。プロジェクトに取り組むというタイプのエクスペリエンスは、おそらく新規の顧客を連れてくることになるし、もちろん、その店舗でのプロジェクト用商品の販促にもなる。MACやEstee Lauder、Bobbi Brownなどの化粧品ブランドでは、拡張現実を使ったデジタルメイクアップミラーを店舗とオンラインに導入して、ユーザーが数百もの化粧品とメイクをワンタッチでバーチャルに試すことができるようにしている。
- オンライン。オンラインでも、専門的で体験的な要素を組み入れることは可能だ。紳士服専門店のIndochinoはショールームを持っていて、そこで、カスタムメイドスーツのための採寸や裏地の選択、さらに、スーツの内側に入るイニシャルの選択に至るまで、最上級のエクスペリエンスを提供している。しかし、Indochinoはネットショッピング客向けにも、同様にスーツのカスタマイズを可能にするショールーム的なエクスペリエンスを作り出している。彼らのWebサイトでも、うまくデザインされているカスタマイズ用ツールのおかげで、顧客は自分の服のすべてのパーツを選択することが可能である。
Indochinoによる専門的なエクスペリエンスは注文後も続く。上質なパッケージングと箱を開けたときのエクスペリエンスによって、専門的な要素は顧客の家にまで及ぶのである。Indochinoで買い物をした客の1人が言うには、彼は欲しいスーツをオンラインで探してから、さまざまなカスタマイズのオプションを調べた。その後、店に行って、数種類のジャケットを、試着したりその裏地の素材を選ぶことにした。数週間でスーツが彼の家に届けられた。スーツのパッケージは魅力的で、心のこもったものだった。そして、そこには取り扱い表示の入ったカードと次回の購入のための特別割引クーポンも入っていた。この顧客は彼の体験したエクスペリエンスに感動していた。「私のためだけ、という感じが非常にしましたし、すべてが良くできていました。すごかったよ、と周りに言い続けられるくらい感動したと思います」。
Amazonはこうしたエクスペリエンスには対抗することができない。とりわけ、そこに実店舗でのタッチポイントが含まれている場合はそうだ。Amazonは品揃えが良いし、便利だが、オフラインでのインタラクションにシームレスにつなげるためのモードを持っていないからである。顧客のショッピングジャーニー内のさまざまなタッチポイントに専門的で体験的な要素を追加しよう。
タッチポイントを充実させる案としては以下のようなものが考えられる:
- 顧客をあなた方のショッピングチャネルに惹きつけ、買い物での体験的な要素を強調した広告やダイレクトメール。
- 実店舗でしか提供できない、買い物での体験的な要素。
- 商品のカスタマイゼーションや、商品をデジタル上で試せる機能など、動的で有益なオンラインエクスペリエンス。
- 上質なパッケージングと、箱を開けるときの巧みにデザインされたエクスペリエンス。
- パーソナライゼーションと、人間味のあるeメールや物理的なダイレクトメール。
- 購買エクスペリエンスの拡張。たとえば、ソーシャルなコミュニティやコンテストなどのチャネルを通してユニークなコンテンツをシェアしてもらうために、写真などのコンテンツを顧客に投稿してもらうなど。
6. 顧客を大切にし、人間味のある対応をし、優れたカスタマーサービスを提供する
優れたカスタマーサービスは電話を通してのみ生まれるわけではない。Webでの良質なカスタマーサービスとは、きちんと構成された有益で総合的なカスタマーサービスと問い合わせ先の電話番号を含むサービス情報にすぐにアクセスできることを指す。
『Ecommerce Customer Service』についてのレポートの第4版のための調査で、我々は多くのユーザーがカスタマーサービスに関連する作業に取り組む様子を観察した。調査参加者にとって、電話での問い合わせという解決策は最後の手段であることが多かった。彼らは疑問への回答を自分で見つけ出そうとすることのほうが断然多かったからだ。調査およびアドバイザーサービスを提供するCEBによって実施され、The Effortless Experience(邦訳『おもてなし幻想』)という本の中で詳述されている調査によると、実際、カスタマーサービスにかかってくる電話の約58%が、オンラインで自分の課題を解決しようとして、うまくいかなかったWebサイト訪問者によるものだった。
顧客が自分で問題を解決できるように支援し、そうすることで彼らに自信を持たせて、あなた方の組織から大事にされていると感じてもらおう。カスタマーサービスの情報とは後から付け足しで入れるようなものではない。カスタマーサービスの情報は必ず最新でユーザブルな状態にしておこう。
また、どうしても電話で尋ねたい疑問があるときに問い合わせ先の番号がすぐに見つかることを顧客は期待している。サイトで電話番号を見つけにくくする、あるいは見つからないようにすることでコスト削減をしようとしている企業は目先のことしか見えていない。電話番号を隠すとユーザーは不満を感じ、その企業に対するイメージが悪化するからだ。
Amazon.comはサイトで電話番号を提供していない。我々の調査で、あるユーザーがAmazonのサイト内のサポート情報で答えが得られなかった問題のために、電話番号を見つけようとした。彼女はヘルプ情報内を5分ほどくまなく探したが、それは無駄に終わった。そして、ついに「Contact us」(お問い合わせ)ページを見つけたが、そこでは助けを必要とする理由をあらかじめ申告する必要があった。しかし、Amazonに電話するという選択肢は彼女の問題ではディスエーブルになっていた。そこで彼女は「Phone」(電話)というボタンが有効になるように、別の問題を選んでみることにした。彼女がようやく「Phone」ボタンを有効にすると、今度は先に進む前にログインをするように求められた。しかし、彼女はなかなかパスワードを思い出せなかった。
最終的に、ノートブックではAmazonの電話番号が出てこなかったので、彼女はモバイルデバイスに移動することにした。というのも、彼女は自分がモバイルのAmazonアプリにログイン済みであることを知っていたからだ。そして、彼女は再度ヘルプセクションに移動した。しかし、そこで見たのは、非表示のままの「Phone」というオプションと、折り返しの電話を受けるために電話番号を入力するようにというAmazonからの指示だけだった。
彼女は言った。「うわっ、なんて不便なのでしょう。電話がかかってきたちょうどそのときに私が彼らと話をしたくない場合はどうするのでしょうか。でも、電話番号は出さないのですね、ばかげています。賭けてもいいけど、投資家向け情報ページに行って、彼らに投資しようと思えば、電話番号はすぐに見つかることでしょう」。そこで、彼女は今までの経路から外れて、投資家向けの問い合わせページを見つけ出したが、そこには電話番号が載っていた。このユーザーのAmazonというブランドに対するイメージは悪化した。Amazonのやり方は良心的でないし、彼女のことを大事にしてくれず、顧客よりも利益を重視しているように思ったからである。
結論
Amazonは近年、伝統的なeコマースの環境を効率的に破壊し続けている。彼らの規模とコンテンツの幅広さは長所でもあるが、彼らの持つ多数の弱点の原因にもなっている。あなた方のサイトの規模は間違いなくAmazonよりも小さいだろう。しかし、質の高いコンテンツや厳選された品揃え、一貫性のある商品説明や商品比較情報、シームレスで専門的なエクスペリエンス、非人間的ではないサービスといった施策を通して、このことを自分たちの長所に変えられるはずだ。相手の土俵でAmazonを倒そうとするのではなく、Amazonにはできないやり方で非常に優れた顧客エクスペリエンスを提供することに注力するのが、賢い小売業者というものだろう。
参考文献
- Mander, J., Buckle, C. (2017). GlobalWebIndex’s bi-annual report on the latest trends in online commerce. https://www.globalwebindex.com/reports/commerce
- Dixon, M., Toman, N. & Delisi, R. 2013. The Effortless Experience: Conquering the New Battleground for Customer Loyalty. London: Portfolio Penguin.