ヒューリスティック評価とは、経験則(ヒューリスティックス)に基づいてユーザビリティを評価し、UI上の問題を発見する手法です。ユーザビリティの専門家が問題点を抽出し、それに対する改善案を提案します。ニールセン博士らが1990年に発表しました。

ユーザーを必要とするユーザビリティテストに比べて、評価範囲を柔軟に設定でき、より短い期間で評価できるため、比較的コストがかからないことが特長です。また、ユーザーが見ても理解しにくい、仕様書やごく初期のプロトタイプでも評価が行えるので、UI開発の多くの場面で活用できます。

ヒューリスティック評価はユーザビリティインスペクション法の1つです。これは、ユーザビリティの専門家が対象となる機器やシステムを見て、その洞察に基づいてUI上の問題を明らかにする発見する手法です。

ヒューリスティックス

ヒューリスティックスとしては「ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10原則」(Jakob Nielsen’s 10 Usability Heuristics)が有名です。

  1. システム状態の認知度(Visibility of system status)
  2. システムと実世界の調和(Match between system and the real world)
  3. ユーザーの主導権と自由度(User control and freedom)
  4. 一貫性と標準化(Consistency and standards)
  5. エラーの予防(Error prevention)
  6. 再生より再認(Recognition rather than recall)
  7. 柔軟性と効率性(Flexibility and efficiency of use)
  8. 美的で最小限のデザイン(Aesthetic and minimalist design)
  9. ユーザーによるエラーの認識・診断・回復のサポート(Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
  10. ヘルプとドキュメンテーション(Help and documentation)

何ができるか/利用想定シーン

ユーザビリティテストと異なり、ヒューリスティック評価では評価範囲や対象を広く、柔軟に対応できるため、操作全体から幅広く問題点を抽出できます。 例えば、

  • 実際に存在する製品/Webサイトやプロトタイプ
  • 情報のカテゴリや階層化がわかるもの(情報の構造)
  • ラベリング(例:ボタンの表示名など)を確認するためのサイトマップ(サイト構造図)
  • インタラクションが分かる画面遷移図 など

ヒューリスティック評価を受けてユーザビリティテストの調査範囲の絞り込み(タスクの選定)を行うことで、より精度の高いテストの実施も可能です。

ユーザビリティテストとの補完関係

ヒューリスティック評価で抽出された問題点すべてが、実ユーザーにとって重要な問題であるとは限りません。そのため、 後日ターゲットユーザーを使ったユーザビリティテストで実際の操作の確認と組み合わせて調査することをお勧めします。

利用例・向いているテーマ

情報構造やラベリングの視点も含めてチェックすることが可能なため、開発サイクルのどのタイミングでも活用することが可能です。

  • 企画段階:現状のUIの問題点の把握やユーザー要求の抽出
  • 設計段階:ユーザーが理解しにくい、仕様書や画面遷移図、プロトタイプでも評価が可能

アウトプット例


目次

  1. ユーザビリティ評価による、UIデザインの改善
    1. ユーザビリティとは
    2. ユーザビリティテスト
    3. アイトラッキング調査
    4. ヒューリスティック評価
    5. ウェブユーザビリティ評価スケール

公開: 2015年9月3日
著者: U-Site編集部