マイクロコピーの3つの目的:情報提供、働きかけ、インタラクション

マイクロコピーには、ユーザーに情報提供し、働きかけ、ユーザーのインタラクションを支援するという3つの目的がある。

マイクロコピー(2文以下のコピー)は、流し読み行動を支援し、他の種類のコピーよりも読まれる傾向にある。マイクロコピーは非常に汎用性が高く、ユーザーに情報を提供したり、働きかけたり、ユーザーインタラクションを支援したりすることができる。

マイクロコピーの3つの目的

UXコピーを作成するときは、目的を頭に入れておくことが非常に重要である。目的を踏まえることで、最もユーザブルな文章をどのように作成するかの方向が定まるからだ。マイクロコピーは、次の目的のうちの1つ(または複数)を達成することを目指すものである:

  • 情報またはアドバイスを与えることでユーザーに情報提供する(inform
  • 特定の選択やブランドとのつながりをユーザーに働きかける(influence
  • インタフェースとのインタラクション(interactionを支援する

情報提供型マイクロコピー

情報提供型のマイクロコピーは、ユーザーに情報を提供し、理解を促す。

マイクロコピーの3つのタイプの中で最も用途が広い情報提供型マイクロコピーは、ユーザーが十分な情報に基づいて意思決定し、学び、そしてインタフェースを正しく使えるようにする。情報提供型マイクロコピーは、ユーザーが「知っている状態」になり、自分のタスクを実行できるよう、主導権をユーザーに委ねることを目指している。

システムメッセージ:Mailchimpでは、アカウントのセキュリティを強化するためにいくつかの変更を行っています。今後数週間は画面の見た目が少し変わる場合がありますが、ログイン方法は変わりませんのでご安心ください。
Mailchimp:このシステムメッセージによって、近日実施される更新についてユーザーに知らせることで、ユーザーが最新の情報を把握できるようにして、混乱を防いでいる。

情報提供型マイクロコピーの一般的な形式には、次のようなものがある。

タイトル、見出し、小見出し

タイトルや見出し、小見出しはいずれも、テキストが何についてのものかを示すという同じ方法でユーザーに情報を提供する。こうしたマイクロコピーを流し読みすることで、ユーザーは自分のタスクに関連する情報がどこにあるかがわかる。

タイトル:ミレニアル世代にとってRoth IRAが理にかなう理由。見出し:税引き後の拠出と非課税の運用益。
Investopedia:タイトルで記事のトピックを示す一方、見出しでRoth IRAの主要な利点の1つ目を挙げている。

要約とリード文

要約とリード文もまた、記事やページが何についてのものかを示すことでユーザーに情報を提供する。これらはタイトルと同様に、通常、全体を要約したり紹介したりして、コンテキストを示し、ユーザーの理解を支援する。しかし、タイトルとは対照的に、要約とリード文にはより具体的な情報が含まれることが多い。

要約:トミー・コールドウェルは、ベアーズイヤーズを守る先住民との関係を育むことで、ロッククライミングへの新たな愛を築こうとしている。
Patagonia:この記事は、曖昧なタイトル(:Beneath the Rock(聖なる岩の下で))と情報提供的な要約で、バランスを取っている。

ツールチップ

ツールチップのテキストは、コンテキスト内で説明を示すことで、ユーザーに情報を提供する。要素にマウスオーバーすることで、ユーザーはインタフェース内の馴染みのない用語やシンボルの定義と説明を得ることができる。

カメラのアイコンの下に「画像で検索」というテキストが出ている。
Google:このツールチップは、アイコンの機能を説明している(なお、我々はすべてのアイコンにラベルを付けることを推奨している)。

働きかけ型マイクロコピー

働きかけ型(マーケティング)マイクロコピーは、ユーザーが即時のデジタル上の行動(多くの場合はコンバージョン目標)を促すことを目的とする。

働きかけ型マイクロコピーは、コンバージョンを生み出したり、その企業のブランドを促進することを目指すものだ。このコピーはユーザーニーズとビジネス目標のバランスを取りつつ、目を引くが明確でなければならないことが多い。

見出し:1か所で、無数の方法でコミュニケーションを取る。
Slack:Slackは、売上を伸ばすために、機能と利点を宣伝する見出しを用いている。

働きかけ型マイクロコピーの一般的な形式には、次のようなものがある。

タグライン

タグラインは、ブランドのアイデンティティを魅力的な方法で伝えることによってユーザーに働きかけ、多くの場合、ブランドとユーザーの間に感情的なつながりを築こうとする。タグラインは、うまく機能すると、ブランドが約束するエクスペリエンスの一部になりたいとユーザーに思わせることで、コンバージョンを生み出す。

タグライン:evian - 自然のありのままの水。
evian:このタグラインは、ブランドのトーンを穏やかでエレガントなものとして設定すると同時に、製品を健康的でナチュラルな選択肢として位置づけている。

call-to-action

call-to-action(CTA)は、魅力的で実行可能なガイダンスを提示することで、ユーザーがコンバージョンに向けて次のステップを取ることを促す。感情に訴える表現を用いることもあるが、多くの場合、不確実性を減らすこと(ユーザーに前に進むための簡単な次のステップを提供すること)によって機能する。

call-to-action:「学校の準備をしよう」
Barnes and Noble:このcall-to-actionは、新学期向けの買い物に対するワクワク感を高め、急いで行動したくなる気持ちを高める。

プロモーションバナー

プロモーションバナーは、ユーザーの関心を引きそうなセールなどのイベント(たとえば季節商品)を告知することで、売上を促進する。価値を提供するだけでなく、プロモーションバナーは、感情的な訴求、緊急性(今すぐ行動したくなる気持ち)、限定性といった説得の技法を使って、コンバージョンを促すことが多い。

バナー:「デバイスが最大49%オフ」。
Amazon:電子機器を半額近い価格で入手できると示唆することで、Amazonはユーザーをセール対象の商品へ引きつけることを目指している。

インタラクション型マイクロコピー

インタラクション型マイクロコピーは、ユーザーによるインタフェースとのインタラクションを支援する。

インタラクション型マイクロコピーは、ユーザーがインタフェースを操作するために必要な知識を提供し、たとえば、検索ボタンに「検索する」とラベルづけするなどして、通常、特定のインタフェース要素が何のためのものかを示す。また、ユーザーが実行したアクションについてフィードバックを提供したり、システムの現在の状態を示したりすることもできる。

タブのラベル:「マイダッシュボード」、「今日」、「時間ごと」、「10日間」、「週末」。
Weather.com:タブのラベルは、予報の表示を切り替えられることを示すことで、ユーザーのインタラクションを支援している。

インタラクション型マイクロコピーの一般的な形式には、次のようなものがある。

ボタン、リンク、チェックボックスなどの要素のラベル

ボタン、リンク、チェックボックスや他のほとんどの要素のラベルは、ユーザーが要素とインタラクションするときに何が起こるかを示す。これらのラベルは、ユーザーが自分の選択肢を確認して、選択を確定できるようにする。

ボタン:「+ 追加する」。リンク:「今すぐ購入する」。
ボタンとリンクのラベル(たとえば「Add」(追加する)や「Shop now」(今すぐ購入する))は、インタラクション型マイクロコピーの一種であり、ユーザーが関連するUI要素をクリックした場合に何が起こるかを伝えている。

カテゴリー名

カテゴリー名は、ユーザーがアクセスできるページを表示し、それらがどのように整理されているかを示す。カテゴリー名を見れば、ユーザーは必要な情報にアクセスするためにどのナビゲーション要素を選べばよいかがわかる。

ナビゲーションメニューのラベル:「ペンキと塗装用品」、「色を探す」、「プロジェクトセンター」、「プロ向け」、「キャンペーン」。
Sherwin-Williams:ナビゲーションメニュー内のラベルは、インタラクション型マイクロコピーの一種であり、ユーザーの目的に関連する情報を見つけるためにどこをクリックすればよいかを伝えている。

プレースホルダーテキスト

プレースホルダーテキストは、フォームに入力するためにユーザーが提供する必要がある情報を示す。(ただし、フィールドラベルをプレースホルダーテキストで置き換えてはならない。)

航空券予約ページにあるさまざまなフィールド。一部のフィールドの中には、「都市または空港」や「mm/dd/yyyy」のようなプレースホルダーテキストが表示されている。
American Airlines:プレースホルダーテキストによって、さまざまなフィールドで受け入れ可能な情報の種類が明確になっている。

パンくずリスト

パンくずリストは、ユーザーが自分の現在位置を把握したり、サイトの階層をさかのぼって戻るのを支援する。また、以前に訪れたページや関連する親ページへすばやくジャンプする方法を提供する。

パンくずリスト:「ホーム」>「節約方法」>「あなたのビジネスのために」>「コロンビア特別区」。
Pepco:このパンくずリストは、「戻る」ボタンを使わずにページを戻るための容易な方法をユーザーに提供している。

目的の優先順位づけ

効果的なマイクロコピーはしばしば複数の目的の役に立つが、それぞれのコピーはその主要な目的によって分類すべきである長文や短文のコピーとは異なり、マイクロコピーは多くの場合、少ない語数で影響を与える必要がある。そのため、1つの目的に集中することで、ユーザーの主要なニーズを満たせる可能性が高くなる。

たとえば、タグラインは、企業の製品やサービスについての「情報提供」を目指しつつ、ユーザーがこの特定の企業にとどまるよう「働きかける」ことを目的とする。しかし、結局のところ、タグラインの主要な機能は働きかけであるため、作成者はそれを働きかけ型マイクロコピーだととらえるべきである。したがって、情報提供型の性質(たとえば、製品を詳細に説明すること)に重点を置きすぎると、ブランドとユーザーの間の絆を築くという一番の目的からそれてしまう可能性がある。

パーティーの人数にもとづいて、どのサイズの菓子の詰め合わせを選ぶべきかを説明する表。
See’s Candies:働きかけの技法(たとえば、この菓子は保存料無添加で作られているという念押し(:And don’t forget, our candies…))をいくつか使ってはいるが、この表のマイクロコピーは、お菓子の詰め合わせのサイズに関する情報を伝えることに焦点を当てている。

また、マイクロコピーは実装によって、主要な目的が異なる場合がある点にも留意することが重要だ。ツールチップ、タグライン、ボタンラベルなどのサブタイプだけで分類してはならない。その代わりに、目的とコンテキストを常に考慮する必要がある。

上:顧客の声を掲載しているカード。下:ペンシルベニア州で通行料金を未払いのままにしておくと問題になる理由を説明するカード。
同じUI要素に関連づけられたマイクロコピーでも、目的が異なる場合がある。たとえば、Asanaのカード(上)は働きかけ型(「Asana(:協働プラットフォーム)のおかげですべてが共有可能になり、我々はいろいろな取り組みにかかる時間を節約できます。…」)で、ペンシルベニア州ターンパイクのカード(下)は情報提供型(「未払いの通行料金。未払いの通行料金をそのままにしておくと、車両登録の停止のリスクがあります…」)である。

コンテキストによって目的が変わるマイクロコピーの例には、次のようなものがある:

  • 件名
  • カードのコンテンツ
  • プッシュ通知

結論

マイクロコピーを作成するときは、それが「どこに」置かれるのか(たとえばツールチップ、タグライン、ボタンラベルなど)だけに焦点を当てるのではなく、ユーザーに情報提供するためなのか、働きかけるためなのか、このインタフェースとのインタラクションを支援するためなのか、といった目的について考えるべきである。

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