UXコピーの長さ:長文、短文、マイクロ
長文、短文、マイクロコピーという、コピーの3つの長さを理解して、ユーザーのニーズにより的確に対応しよう。
長文(long-form)、短文(short-form)、マイクロコピーといったコンテンツ用語はしばしば混同して使われるが、定義はあいまいで、同義でもない。これらのコピーの種類の違い、そしてその効果的なデザインのタイミングと方法を理解することで、ユーザーのニーズにより的確に応える文章を作成することができる。
コンテンツとコピー:その違いとは
コピーの長さの違いについて説明する前に、コンテンツとコピーの違いを定義しておこう。
コンテンツとは、メディア形式を問わず、デジタルインタフェースに含まれるすべてのものを指す。
コピーとは、コンテンツのサブカテゴリーで、(ユーザーではなく)組織が作成したユーザーインタフェース上のテキストの総称である。

コピーと(コピー以外の)コンテンツはメディア形式で見れば区別しやすいかもしれないが、ユーザー生成コンテンツとコピーの区別は難しい場合がある。基本的には、プラットフォーム運営側がそのプラットフォーム向けにデザインしていないコンテンツはすべて、ユーザー生成コンテンツである。
この定義では、レビュー、コメント、ソーシャル投稿はすべてユーザー生成コンテンツに該当する。たとえば、Amazonのレビューは、プラットフォームによって作成されたものではないためコピーではない。そうではなく、外部の人間、つまりユーザーがこのコンテンツを作成したということだ。
では、コピーとコンテンツの違いを明確にしたところで、コピーの長さがユーザーエクスペリエンスにどのように影響するかを確認していこう。
長文コピー
長文コピーとは、3つ以上の連続する段落で1つのまとまりを成すコピーである。
ライターは、ユーザーにさらに詳しい情報や複雑な内容、またはコンテキストを伝える必要がある場合に、長文コピーを用いるべきである。適切に用いれば、分量に余裕がある分、ユーザーがタスクを達成するために知る必要のあるあらゆる詳細を説明に盛り込める。
長文コピーと聞くと、人々はブログ記事やニュース、教育記事に用いられると考えることが多い。しかし、長文コピーは以下のような用途にも用いられる:
- ポリシーの説明
- 製品ドキュメントや技術ドキュメント
- ヘルプやサポートページ
- レポートやケーススタディ
- 製品ページ
- 会社概要ページ
- 提案書や助成金申請書
オンラインでは、ユーザーの注意持続時間が短くなり続けていることから、長文コンテンツはますます少なくなっている。けれども、それが完全に消えることは決してない。なぜなら、長文コンテンツこそが、複数のステップからなるプロセスや高度な技術的問題のトラブルシューティングといったトピックについて、複雑で詳細な情報を伝えられる唯一のコピー形式だからだ。さらに、トピックが自分にとって重要である場合、ユーザーはより包括的な理解を得るために一語一語読むこともある(これはコミットメントパターンとも呼ばれる)。そのような状況で断片的な情報を提供すると、不信感を生む恐れがある。
長文コピーがオンラインでおそらく今後も存在意義を持ち続けるもう1つの理由は、検索エンジン最適化(SEO)を支援できる点にある。長文コピーは、自然に多くのキーワードを含み、ユーザーのエンゲージメント時間を延ばし、内部リンクを強化できるため、サイトのSEO改善に寄与する。

長文コピーはユーザーの注意をひきつけにくい。他の長さのコピーと異なり、長文コピーをじっくり読むには時間と注意力、そして知的なエネルギーが必要だからだ。こうしたことから、記事以外では長文コピーはますます少なくなっている。
ユーザーが長文コピーからすばやく要点を把握できるよう、優れたコンテンツデザイナーやライターは、短文コピーやマイクロコピーを用いてテキストをフォーマットし、構造化し、分割する。たとえば、長文コピーには見出しや小見出しといったマイクロコピーや、FAQに対するアコーディオン形式の回答といった短文コピーが含まれることがある。長文コピーは短文コピーとマイクロコピーで構成されていることが多いが、それでもユーザーには1つのまとまりとして読まれる。
短文コピー
短文コピーとは、1つのポイントを伝えることに焦点を当てた2~3段落のコピーである。
短文コピーは、1つのアイデアまたは要点をすばやく伝える必要がある場合に用いられ、多くの場合、ユーザーの注意を引くようなかたちで書かれる。ライターは、ユーザーが情報を見つけたり、長文コピーの中に埋もれていると見落とされかねない重要なアイデアやメッセージをすばやく理解できるように、短文コピーを用いるとよい。
短文コピーの例には次のようなものがある:
- オンボーディングチュートリアル
- 長い要約
- 製品説明
- 詳細なミッションステートメント
短文コピーは、情報を伝えるための標準的な方法となった。長文コピーを読むにはユーザーの労力と注意力を多く要するため、ライターは詳細な情報を短文コピーという形式にどのように収められるかを考える必要がある。戦略的にテキストを分割したり、構成を工夫したりすれば、流し読みしやすい短文コピーという形で多くの情報を伝えることができる。

短文コピーは、長文コピーとマイクロコピーの中間に位置する。つまり、流し読みできるほど短く、かつ1つのアイデア全体を伝えるのに十分な長さがある。ユーザーを圧倒することはないが、何かを見つける手助けや情報に基づく判断を下すのに十分な情報を提供できるということだ。したがって、ユーザーは同じトピックについて長文コピーを読む必要がなくなる。
しかし、UXライターはこの「ちょうどよい中間」を安易にデフォルトにすべきではない。たとえユーザーが短文コピーを流し読みするにせよ、全文を一語一語読むにせよ、トピックの複雑さが長文コピー向きであるなら、短文コピーでは情報を理解する助けにならないからだ。
また、短文コピーは、トピックの全体像をより完全に描き出せるとしても、マイクロコピーの代わりにはならない。ユーザーは具体的な要点を即座に求めるものだ。それには1~2文のマイクロコピーのほうが適しているからである。
マイクロコピー
マイクロコピーとは、コピーの長さで最も短いもので、2文以下のものを指す。
マイクロコピーは、ライターがユーザーにすばやく情報を伝えたり、影響を与えたり、次のステップへの操作を促したりする必要がある場合に用いられる。その短さゆえに、マイクロコピーはユーザーが(流し読みやスクリーンリーダーの音声読み上げで)最も無理なく読めるコピーである。優れたマイクロコピーは、エラーを防ぎ、クリックを促し、ユーザーの理解を深める。
マイクロコピーの例には次のようなものがある:
- リンクとボタンのラベル
- 入力欄の説明
- 入力コントロールのラベル
- ページタイトルとメタデスクリプション
- エラーメッセージ
- ツールチップ
マイクロコピーは、そのエクスペリエンスにおけるテキスト情報の大部分を占めることが多い。デザイナーがマイクロコピーを好むのは、インタラクションの流れを妨げずに効率的にユーザーを誘導できるからである。一方、ユーザーがマイクロコピーを評価するのは、操作中でも流し読みしやいため、大量のテキストに圧倒されることなく、何をすべきかをすばやく理解できることによる。

インタフェースにおけるコピーの多くはマイクロコピーだが、マイクロコピーだけでは完全なエクスペリエンスを作り出すことはできない。効果的なエクスペリエンスを構築するには、マイクロコピーに加えて他のUI要素、画像、動画、入力コントロール、そして短文と長文のコピーを組み合わせる必要がある。マイクロコピーはウェブサイトの主役となることを意図したものではない。マイクロコピーは、主要なコンテンツやアクションに向けてユーザーを導き、支援し、影響を与えるために存在するのである。
コピーの長さ:概要
長文コピー
| 定義 | 3つ以上の連続する段落で1つのまとまりを成すコピー |
|---|---|
| 利用場面 | 詳細または複雑な情報を扱うときユーザーがより深い知識を「求める」ときSEOを支援したいとき |
| 例 | ポリシーの説明 製品ドキュメントや技術ドキュメント ヘルプやサポートページ レポートやケーススタディ 製品ページ 会社概要ページ 提案書や助成金申請書 |
短文コピー
| 定義 | 1つのポイントを伝える2~3段落のコピー |
|---|---|
| 利用場面 | 重要で比較的詳細な情報を簡潔に伝えるとき長文コピーを流し読みしやすい単位に分割するとき |
| 例 | オンボーディングチュートリアル 長い要約 製品説明 詳細なミッションステートメント |
マイクロコピー
| 定義 | 2文以下のコピー |
|---|---|
| 利用場面 | インタフェースでユーザーを誘導するとき重要なポイントをすばやく伝えるとき |
| 例 | リンクとボタンのラベル 入力欄の説明 入力コントロールのラベル ページタイトルとメタデスクリプション エラーメッセージ ツールチップ |
結論
デジタルインタフェースには非常に多くの種類のテキストが存在するため、それらの定義を混同したり、違いを忘れがちだ。UXコピーの範囲を学んだり、復習する時間を取ることで、ライターはデザインしているエクスペリエンスに最適なアプローチを選択できるようになるだろう。
記事で述べられている意見・見解は執筆者等のものであり、株式会社イードの公式な立場・方針を示すものではありません。