混乱を招くカテゴリー名を回避するための5つのヒント
カテゴリーやリンクのラベルは、ユーザーがそれをクリックしたときに何が起こるのかを伝えるものでなければならない。
どのカテゴリーやリンクをクリックするかを決めるには、認知的な努力が必要だ。たとえば、ページに多くのリンクがある場合、ユーザーは自分のゴールに到達するために最も役立ちそうなものを選択しなければならない。そして、このプロセスは、特にリンク名が曖昧で不明瞭な場合、ユーザーにとって大きな負担となる。
ユーザーは気の利いた表現よりもわかりやすさを好む
適切なリンク名とは、クリックする前に、何が得られるのかをすばやく正確に予測できるものである。
ユーザーが理解することのできる説明的なカテゴリー名は、造語や社内用語よりも優れている。しかし、ウェブサイトのデザイナーは、通常、その分野の専門家であり、社内用語に慣れているが、オーディエンスはそうではないということを時には忘れてしまうことがある。

適切なカテゴリーラベルのための5つのヒント
役に立たないラベルを整理することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、企業に対するユーザーの印象を良くすることができる。以下のヒントを活用して、カテゴリー名をわかりやすいものにしよう。
1. 説明的で関連性のあるものにする
ナビゲーションラベルは、たとえ退屈に感じられたとしても、わかりやすいものでなければならない。形態よりも機能を優先することだ。つまり、カテゴリー名は説明的で、オーディエンスが自分に関連があると感じられるものにする必要がある。
ラベルが説明的でないと、ユーザーが誤ったリンクをクリックし、必要な情報を見逃しやすくなる。ユーザビリティ調査では、情報の匂いが弱いカテゴリー名がスキップされる場面を頻繁に目にする。たとえそのリンクが、ユーザーが探しているアイテムにつながっていたとしてもだ。


2. 造語は使わない
気の利いた名前の魅力に惑わされないようにしよう。一般的に使われている言葉をそのまま用いるのがよい。たとえば、「About Us」(会社概要)は「Company Experience」(会社の体験)よりも適切である。なぜなら、そのほうが一般的な表現だからだ。
ユーザー中心の言葉を使うことで、ユーザーが意思決定にかかる時間を短縮できる。これは、ウェブサイト内をすばやく移動したい訪問者には重要なことだ。どうしても凝った名前を使用しなければならない場合は、その意味を必ず説明しよう。なぜなら、ユーザーは意味のない言葉を飛ばす傾向があるからだ。

3. カテゴリーの重複をチェックする
ユーザーにとって最も有益な分類の方法は、識別しやすく、説明的なカテゴリーラベルを付けることである。カテゴリー名は、一般的すぎず、限定的すぎず、漠然としておらず、曖昧でもなく、意味が重複しないようにする必要がある。それぞれのカテゴリーは独自の特徴を持ち、ユーザーが似たような選択肢の間で混乱しないようにする必要があるということだ。カードソーティングやツリーテストなどの調査手法がカテゴリーに最適なラベルをつけるのに役立つだろう。

4. ユーザーのメンタルモデルに基づいてカテゴリーを設定する
カテゴリーは、ユーザーの考え方に沿って構成するべきである。ウェブサイト内で、ユーザーが自身の経験だけを頼りに意思決定を行いながらスムーズに移動できるようになっているべきだからだ。
企業は、自分たちにとって馴染みのある枠組みに従って、ウェブサイトの構成要素を分類することがよくある。たとえば、組織図を反映させたり、製品を型番ごとに配置したりする。しかし、そうではなく、「ユーザーの」メンタルモデルを特定するために、ユーザーベースの調査を行う必要がある。

5. 直感に頼らない
カテゴリー名をユーザーにテストしてもらい、各カテゴリーにどのような情報が含まれているかを彼らが正確に予測できるかどうかを確認する必要がある。カードソーティングやツリーテストなどの調査手法を使うと、カテゴリーラベルに対するフィードバックが得られ、ウェブサイトをどのように構成すれば、ユーザーが効果的に移動できるかがわかるようになる。ユーザー調査は、そのカテゴリー名がユーザーにとって有効であることを保証する唯一の方法だ。これを行わないと、自分やチームのメンタルモデルや思考プロセスがサイトに悪影響を及ぼしつづけてしまう可能性がある。

結論
カテゴリー名が適切でないと、ユーザーを混乱させ、フラストレーションを引き起こすだけでなく、ラベルが何を指しているのかを推測させることになり(しかも、その推測はたいてい誤っている)、多くの場合、インタラクションコストが増加する。そして、結果として、ユーザーに悪い印象が残ることになる。
ブランドアイデンティティを伝えることは重要だが、そのために探しやすさや気づきやすさを犠牲にしてはならない。そのカテゴリー名がどんなにかっこよく思えても、優れたUXを実現するには、そうした名前は避けるのが賢明である。