興味深い事実がWebページに人を引きつける
ユーザーがオンラインで探し求めているものは、事実である。したがって、事実を豊富に含むコンテンツは読者を引きつけ、注意を引き続けることができる。
ユーザーが標準的なウェブページの訪問に費やす時間が一瞬であることを考えると、ウェブサイトのページを実際に読んでもらうにはどうすればいいだろうか。
それには、事実を重視することである。ウェブ上にはなんのかんのとくだらない話があまりに多いため、率直な物言いは目立つのである。
2件の調査から得られたのは、ユーザーがどのように事実の情報を検索するかについてのわかりやすい例である。1件目の調査ではジャーナリストを、もう1件の調査では一般の人を対象に、企業サイトの投資家向け(IR)ページの利用に関してテストした。
ジャーナリスト: 究極の事実探求者
我々のテストでジャーナリストが企業サイトを利用する(未訳)とき、彼らは事実を見つけるということに非常に関心が高かった。こうした事実の中には「それは知らなかったよ」のような反応を引き起こす意外なものもあれば、CEOの年齢のようなシンプルなものもあった。
ジャーナリストはマーケティング志向が強すぎるようなテキストは読み飛ばすことが多かった。彼らはマーケティング情報については、常に慎重(で、時にシニカル)だった:
「我々がしなければならないのは、その企業の特徴を説明することであって、彼らの言っていることを単に伝えることではありません。探しているのは事実です。…都合の悪い事実を隠そうとしていてもわかるものです」。
Fidelityのサイトで、あるジャーナリストに好評だったのはファンドについてのシンプルな事実である。提供されている文脈が彼の読者向きだったからである:
「この『我々は290本のファンドを取り扱っています』という箇所はいいですね。これこそが事実です。…プリントアウトするならここでしょう。私が特にいいと思うのは事実ですから」。
また、あるジャーナリストはWal-Martのサイトの年次報告書の財務情報の説明の仕方について感心していた:
「これがいいのは彼らが数字について説明しているということです。人々が本当に知りたいのはそうした重要な数字だからです。そういったことに率直であるのはいいことです。ここから彼らの売上が1370億ドル強で、昨年より増加していることがわかります。彼らの売上が伸びていて、その伸び幅が約20%であると指摘できるのはありがたいです」。
BMWのウェブサイトを訪問したジャーナリストが感心していたのは、その安全情報についての徹底ぶりだった:
「安全性についての記録、この部分は情報として優れていると思います。人々が高価な車を買う理由の1つは、そうした車は事故のときに自分たちをより守ってくれたり、事故を防ぐのを助けてくれるだろうと考えているからではないでしょうか。…この情報は実際、非常に詳細です。セールストークではないのです。この『クラッシャブルゾーン』という用語を私は自分の記事で使うでしょう。…ランプについても、こうしたハイテクのものすべてに読者は興味を持つと思います。私が探そうとしているはそういうタイプの仕様です」。
IRページ: 企業情報の探求
投資家向け(IR)ページをテストしてわかったのは、投資家と金融アナリストが、組織に関する情報はすぐ見つかる、と考えていることである。したがって、IRページで目次なしに大量のリンクを与えられるというのは不快だし、その結果、必要な情報を得るために必死に作業しなければならなくなる。リンクをより具体的な情報につなぐのは悪いことではない。しかし、まず最初に概要を提供しよう。
そうした概要には重要な質問に対する答えを必ず入れておこう。例えば、その組織の:
- 目的
- 営業年数
- 事業規模(従業員数、事業所数を含む)
- 本社所在地
- 年間の売上高
こうした情報はユーザーがあなた方の組織の背景や持続性、信頼性について理解するのに役に立つ。さらに、こうした質問に簡潔に答えることで、ユーザーの興味を引き続けて、彼らと適切な関係を築くことにも一役買ってくれる。しかし、こうした情報が隠されていたり、入手不可能だと、あなた方の会社は何かごまかしているのではないか、あるいは、素っ気ない、というように見えてしまうだろう。
「事実だけ話して下さい、奥さん」注
アイトラッキング調査によると、ユーザーの目はウェブコンテンツ内の数字に引きつけられる。それはなぜか。数字は事実であることが多いからである。
事実が重要なことは明らかだ。しかし、テーマから外れた事実や情報を入れると、ユーザーをイライラさせる可能性が高い。関係のないニュースや記事、参考資料は、あなた方が主張したいことからユーザーを脱線させる迂回路を作り出してしまうのである。
我々が実施したユーザビリティ調査のうちのある回で、1人のユーザーがある企業のウェブサイトの環境と書かれたリンクをクリックしたのに、関係ない情報が出たと腹を立てていた。彼女は言った:
「これは環境とはなんの関係もないです。知りたいのは彼らがどのように樹木を保全したり、アザラシを保護したりしているかなのに。これはよくあるどうでもいい情報ですね、『法令を遵守する』というのは。ええと、それから、彼らは『人権を尊重』すべきだ、とも言っていますが、どうやってそうするかは教えてくれていません。『児童労働』、は環境とは関係ないですね。…このサイトでこれ以上の情報が得られないのは間違いないでしょう。電話しなければならないということですね。じれったいなぁ。環境カテゴリーに来ているのだから、ここで得られる情報はすべて環境についてのものであるべきだと思うのですが」。
人々には彼らが望んでいるものを与えよう。それはなんと新しいコンテンツ戦略の推進方法だろうか。しかし、機能するのである。
訳者注: アメリカの犯罪ドラマDragnetの主人公の刑事の有名なセリフ。たくさんパロディにもなっている。
フルレポート
ユーザーのウェブの読み方に関するアイトラッキングのレポート全文がダウンロードできる(英語)。
さらに詳しく
調査レポート(英語)
- Presenting Company Information on Corporate Websites and in About Us Sections
- Investor Relations (IR) on Corporate Websites
- PR on Websites
- How People Read on the Web: The Eyetracking Evidence
- Social Media User Experience
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— U-Site編集部 (@UsabilityJp) June 23, 2013