ミレニアルママ向けのサービス

子連れのお客さんが、ファストフード店で注文して食べるまでに苦戦している——そのことに気づいた店が始めたサービスが広がりつつあるといいます。子連れの多くはミレニアルズ世代。ファストフードチェーンが提案する彼らに合ったサービスとは。

  • 森原悦子
  • 2016年1月8日

日本ではあまりなじみが無いかもしれませんが、Chick-fil-Aというチキンをメインにした人気のファストフードチェーンが「Mom’s Valet」というサービスを始めたということで、ニュースになっていました。

ドライブスルーで注文して、お店に入ったら席に座るだけ。

Chick-fil-AのWebサイト

サービスの内容は、ドライブスルーで商品を注文してその後パーキングに車を停め、店に入ると既に席が作られていて、テーブルには注文した品物だけでなく、子供用の椅子、さらにはスプーンやフォークや紙ナプキンまで必要なものが揃っているというもの。お母さんはバギーを押して席にいたら子供の着席の面倒だけを見ればいいというサービスです。

Chick-fil-Aは小さな子供を連れたお客さんがお店に入って注文をした後、食べるまでにどれだけ大変な思いをしているかということに気づきこのアイデアを始めたということですが、もともと一部の店舗限定で行われていたこのサービスを拡大したということで、ニュースになっていました。

子供を車から降ろして、バギーに載せて店内に入り、注文した後、席を確保して、チャイルドシートを持ってきて、商品を受け取り、紙ナプキンやケチャップなど、さまざまな必要なものを取りに席を立つ・・・・子連れの客は店に来る度に本当に大変な思いをしています。

このサービスはそのストレスを店側の努力で出来るだけ軽減させるという、とても素晴らしいサービスではないかと思います。利用客はこのサービスを受けることできっと、無意識に感じていたストレスに気づき、この店舗を評価したのであろうと思われます。

実際、このサービスを始めた店舗は、このお陰で非常に売り上げが順調でそのためChick-fil-Aはサービスの拡大をしたようです。利用者側、特に子連れのお客さんにとってはとても有難いサービスですが、店舗側からすると実は簡単なことではないと思います。それでもこのサービスを拡大するというのは、単に目先のメリットだけではないのでしょう。

ストレスを取り除いてリラックスできるスペースをモバイルアプリで実現する

多くのファストフードレストランのメイン顧客は18-35歳―つまりミレニアル世代です。

先に紹介した記事にもチェーンストアの広報のコメントとして書いてありましたが、究極のゴールは子連れの客に限らず、モバイルアプリを通して注文をして、すべての顧客がこのようなレベルの利便サービスを享受できるようになることだといいます。

潜在ストレスを取り除くことで、顧客を獲得するというのは、近年特にポピュラーな戦略かと思いますが、その戦略ツールの一つにアプリが絡むのはミレニアル世代では当然の動きだと思います。

スターバックスの注文アプリ

スターバックスのアプリ

アプリで先に注文して、店で受け取れるサービスの代表としてはスターバックスのアプリがあります。

スターバックスで自分の好みに合わせたコーヒーの注文をしたいけど、だいたい何時も長い列が出きています。そこを解決するために去年出てきたサービスです。

Chick-fil-Aの例などを鑑みると今後は、アプリでスターバックスの店内の座席も確保出来る様になるかもしれません、全くの想像ですが…。例えば、子連れのお母さん用に、バギーが置き易いテーブルや、勉強する人用に電源が近いテーブルなど、さまざまな顧客の個々のニーズに応えてリラックススペースを提供しリピーターを増やす…という戦略が考えられるかもしれません。

商品開発のための現地実態調査

イードの米国子会社・Interface in Design, Inc.は、どのような製品に関してもフレキシブルなスタイルで、アメリカをはじめとした世界各国で調査を実施することが可能です。例えば、出張せずに現地の状況を把握することも出来ます。

皆様の会社の商品企画や開発、デザイン部の方々が、現地向けの商品を開発する際の一助(マーケットの状況や、製品の使用状況などを通した仮説の抽出など)としていただけるはずです。

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森原悦子
著者(森原悦子)について
Interface in Design, Inc. COO/President。
武蔵野美術大学卒。インダストリアルデザイナーなどとして活躍後、旧イードに入社。定性調査やエスノグラフィーといった手法を得意とし、クライアントのグローバルな商品開発のコンサルティングリサーチを多く手がける。2011年8月より現職。