直帰率を下げる:
2 回目のクリックをめぐって

アクセス元の違いは訪問者が直帰してしまった理由を暗示している。サイト内のコンテンツに直接アクセスしてきた訪問者が、さらに他のページにも関心を持つようデザインすべきだ。

“サイト内への直アクセス(deep dip)”が大いに増えたというのは、今年の Fundamental Guidelines for Web Usability セミナーで紹介する新しいユーザー調査結果から得られた重要な点の一つである。つまり、これまでに比べてより多くのユーザーが、サイトのトップページからではなくサイト内にあるページからサイトに入るようになっている。

トップページは依然として重要で、引き続き使いやすいトップページのデザインを確実にしていく主な理由として以下の二つをあげたい:

  • 通常、サイトのトップページは、アクセスが最も多い唯一のページである。なぜなら、直リンクがサイトへの入り口としてアクセスされた数は、サイト内にある莫大な数のページそれぞれに分散してしまうからである。
  • サイトのトップページは、直リンクからサイトへ入り、更にそのサイト内を見てまわろうと思うサイトビジターが、サイト内での居場所や方向感覚を確認する地点である。

多くのサイトにとって、サイト内への直接アクセスの増加は、残念な結果をもたらす。それは、直帰率が遥かに多くなるということだ。

直帰率とは、最初に訪れたページで U ターンしてすぐにそのサイトを去るビジターの割合である。そうしたサイトビジターは “去って”しまい 、二度とサイト内のその他のページを訪れるようなことはない。

ユニークビジター数にこだわるな

直帰率が増えていることから、 “ユニークビジター”の数をサイトの効果を分析する基準として使うのは止めざるを得ない。サイト内の 1、2ページをちらっと見てすぐに去るような サイト観光客(Site tourists) は、ユニークビジターの数を徐々にあげるものの、長期的なサイトの価値を示すものではない。

逆に、すぐに引き返すビジターの値は、マイナスの指標とみなすべきだ。そのサイトは、もう 1ページアクセスしてみようと興味をひくことにすら失敗したのだ。

サイトの効果を測るには、何度もサイトに繰り返し訪れるようなサイトに厚い信頼をおくユーザーのみを数えるべきだ。もしくは、ほとんどの人は一度訪れるだけといったサイトである場合、少なくとも、彼らが最低限の関心をサイトに示したことが見なされた時点で、プラスの数値として数えるようにするべきだ。

ユニークビジター数を増やすことを目指していると、人々が再びサイトを訪れ固定ユーザーや顧客になっていくための機能を設計することより、むしろ、ちょっとした仕掛けをデザインしていくようなことになり、長期的なサイトの位置づけを決定する上で悪い影響を及ぼすだろう。

直帰率をサイトへのアクセス元別に分析する

全ての定量調査がそうであるように、ウェブサイトのアクセスログの解析 (Web analytics) には注意が必要だ。仮に間違った指標を測定した場合、解析結果の信頼性が下がるだけでなく、その結果が直接間違った解釈を促し、サイトデザインのビジネス的な価値を下げる間違った方向へと導きかねない。

ここで重要なのは、直帰率をひとまとめには出来ないことを理解することだ; つまり、サイトビジターを4つのアクセス元(サイトへの関心レベルの度合いで並べて)に分けて、直帰率を分析しなければならない。

  1. 重要度、価値の低い参照元、Digg など。これらのアクセス元からやってきたサイトビジターは気まぐれという悪評も高く、おそらくターゲットユーザーではないだろう。彼らのほとんどは、もてあましていた好奇心を満たした時点ですぐに去っていくということを、予測しておくべきだ。Digg から得られた利益があったとすれば、それはあぶく銭のようなものだと考えるように; 仮に、このようなアクセス元からやって来たビジターの直帰率が驚く程高くても、心配する必要はない
  2. 他のウェブサイトからの直接のリンク、これらのリンクは、やんわりと推薦しているようなものと言える: “このサイトをチェックするとよいかもしれない。” このようなリンクをクリックした場合というのは、サーチエンジンで自分から検索して見つけるような人に比べると、同じ度合いの関心をサイトに対して持っているとは見なせない。これらのビジターは、ある程度の関心を持っている。しかし、高い直帰率が見られたら、それはユーザーエクスペリエンスに問題があることの兆しと言えよう。
  3. サーチエンジンからのビジター、オーガニックサーチの結果、もしくはスポンサーリンク。あなたのサイトのリンクを自らクリックしたことから、そのトピックに対し、積極的な関心があることを表しており、あなたのサイトのコンテンツにも強い興味をひかれるはずである。仮に、彼らがすぐにサイトから去ったとしたら、それは彼らが最初に見たページの中に、何か致命的な誤りがあることを示している。
    • 補足: 検索キーワードによっては、ユーザーの意図したキーワードと検索結果に期待したものにあなたのサイトが応えていないにも関わらず、あなたのウェブサイトが高いランクに表示されることがあるだろう。当然、あなたのサイトが提供していない情報を探していたユーザーは去っていくだろう。彼らはあなたのターゲットではないのだから、こうしたビジターの直帰率が高くても心配する必要はない。
  4. サイトに高い関心をもつ熱心なユーザー、 あなたのサイトに繰り返し訪れるユーザー。ある意味、一番のファンの人たちからは熱心にアクセスする様子が見られると思われるかもしれない。その一方で、彼らがサイトを頻繁に訪れているのだとしたら、彼らの関心の高さが、訪問の度にいつも表れることはない可能性がある。人々が続けてサイトに戻ってくる限り、彼らが数ページを見てサイトを去ることが時にあったとしても、何もおかしくはない。
    • 例をあげると、私が Alertbox のコラムについて email ニュースレターで知らせると、ニュースレターの購読者の中から、コラムのページにどっとアクセスが押し寄せる。これらのビジターの中からは、わずか 10 %がその他のページへとクリックして移動するに過ぎない。 しかしながら、私が思うに、ずっと購読している読者は私が文章中でリンクしている過去のコラムを既に読んでいることがその理由だろう。更に、新しい購読者が上司に私のコンファレンスへの受講を承認してもらい出席するまでに、たいてい3年かかる。従って、新しい購読者たちがコラムの中で短く触れているコース内容の詳細をクリックしながら読み進めているとは考えにくい。

下のグラフで、4つのユーザー関心度別に、予測される直帰率を大まかに示している。チェックマークを反対向きにしたような形をしている。

ロイヤリティの高いユーザからの短時間の繰り返し訪問を除けば、アクセス元によってユーザの興味がかき立てられるほど直帰率は減少する傾向にある。

イントラネット上ですぐに立ち去るユーザー

すぐに立ち去るユーザーはウェブサイトで最も一般的なようだが、これはイントラネットでも見られる。結局のところ会社の正式なイントラネットなのだから、あらかじめ従業員はページ内容は正しいと納得する傾向をもっている。すなわちたいていの場合、イントラネット上の直帰は、ナビゲーションが不便だったり、関連リンクがあまり有益でなかったり、セクションのトップページがよくないことがその原因となっている場合が多い。 (これら全てのトピックについて、以下のレポートを参照のこと。Intranet Information Architecture [IA].)

次の1ページにアクセスさせる

サイトビジターのアクセス元によって、直帰率は高くも低くもなる。しかしながら、重要とは見なさないビジターを除いて、直帰される数を下げるよう努めるべきだ。

我々がまとめたケーススタディの一つ Return on Investment (ROI) from usability、で分かったのだが、小さなデザインの変更により、あるウェブサイトの直帰率が 30% から 2.5%というわずかな値になった。必ずしも、直帰率を十分の一に下げることはないが、小さな変更が大きな改善をもたらすことはよくあることだ。

何よりもまず、典型的なユーザーで あなたのサイトをテストして欲しい。信頼性の低いデザインや、くだらないコンテンツ、分かりにくいナビゲーションによって、どんなやり方でサイトビジターを追い返しているのかということを、ほとんど必ずと言ってよい程、分かりやすく見つけることができる。

次に、もしユーザーが現在いるページに関心があるのであれば、 彼らが移るべき次のステップに気づかせるしくみを作る。 以下に、よい方法を二つ紹介する。

  • 直線的な情報のパス(linear information path)。補足する情報へのリンクを一つ、もしくはそのトピックについてより詳しい情報を一つ提供する。 このリンクをページの一番下、(願わくば)ユーザーがもっと学びたいと高い関心をもった時点で分かるところに配置しておく。(但し、 New York Times のサイトで見られた関連リンクの例、は使わないように。ここでは、人々に “その他の記事”を引用しているが、関連がある記事を選んで並べているわけではない。)
  • コンテクストに応じてこちらのリンクも参照といったものを提供し、現在いるページを気に入ったユーザーの関心の的であるいくつかのトピックに向けた複数のポインタを提供してはどうだろう。ここでの目的には、一般的なナビゲーションメニューよりも、特定のリンクを提供する方がはるかに適している。

三つめに、あなたの会社の製品やサービスについて、ユーザーがディープリンクや製品カタログをじっくり見てようやく見つけることを期待するのではなく、それがあることが明確に分かるようにし、直接のリンクをはることだ。

公開: 2008年6月30日 (原文:2008年6月30日)
著者: Jakob Nielsen
原文:Reduce Bounce Rates: Fight for the Second Click

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