『UX原論』の刊行 黒須教授のユーザ工学講義 (2020年4月27日) 2018年の秋に企画を立て、その年の初冬から執筆を始めた『UX原論』が2020年1月にようやく脱稿し、2020年4月28日に販売されることになったので、この場をお借りして、少しPRさせていただきたい。
Nigel Bevanの死 黒須教授のユーザ工学講義 (2018年6月11日) Nigelが亡くなったとの知らせが届いた。Nigelは、ISOの活動において、ISO 9241-210の標準化や、ISO 9241-11の改定作業をはじめ沢山の規格に関係していたし、ISO/IEC 25010などの作業にも深く関係してきていた。ともかく、今はusabilityやUX、そしてHCDに対して大きな貢献をしてくれた彼の冥福を祈りたい。
ユーザビリティとUXの関係 その2 黒須教授のユーザ工学講義 (2017年11月29日) 僕の品質特性図では、設計時の品質と利用時の品質を区別し、客観的品質と主観的品質を区別することで、四つの品質を分けることになった。設計時の品質がまずあって、その結果として製品品質ができ、それが利用されて利用時の品質となる、と考えるのが適切と思われたからだ。
ユーザビリティとUXの関係 その1 黒須教授のユーザ工学講義 (2017年11月7日) この品質特性図づくりは、ISO 13407に出会った1990年代からの僕のライフワークの一部でもある。ここでは、どのようにしてこの図に至ったかという経緯の説明も交えて、少し詳しく説明を書かせていただこうと思う。それを知って頂くと、この図の理解もより深まると思う。
わかりにくいusabilityの定義とusableという言葉 黒須教授のユーザ工学講義 (2017年5月22日) ISO 9241-11、そしてそれを引用している規格類においては、任意の製品やシステム、サービスが使えるモノか(usabileか)どうかという基準を提示してはおらず、単にその水準を記述する指標を提示しているにすぎない。
ユーザビリティと利用品質についての最新動向 黒須教授のユーザ工学講義 (2017年2月17日) JTC1/SC7/WG6の会議に参加した。そこで一番強調したかったポイントは、主観的利用品質というものがあること、満足度はその点で他の利用品質(客観的利用品質)とは異なること、主観的利用品質は「利用」ではなく製品品質を「知覚」することによって成立するものであること、の3点だった。
怒りと愛-UCDに関する世代論的考察(後編) 黒須教授のユーザ工学講義 (2015年10月28日) 利用現場の状況に対する批判的アプローチにもとづいて手法を整備し活動を活性化してきた初期の世代と、それを継承し、より「楽しさ」や「うれしさ」、さらには「愛」を重視するようになった後の世代との間には、質的な変化が起きているのではないか。
怒りと愛-UCDに関する世代論的考察(前編) 黒須教授のユーザ工学講義 (2015年10月22日) 僕らの時期は、従来のコンピュータサイエンスの世界に対して反旗を翻し、新しいことを切実に考え出そうとした実験的な時代だったように思う。そして素直な性格の後の世代の研究者は、与えられた既存の方向性を素直に研究し発展させてきたのではないかと思う。
「ユーザの言葉を話す」 黒須教授のユーザ工学講義 (2015年7月29日) いろいろな製品に接していると、Nielsenが提示したこのヒューリスティック原則に違反した事例に幾度も出くわす。ハイテク弱者にも使ってもらうためには、易しく言い換える技術、つまり言葉のデザインが必要だ。
クライアント中心設計のもう一つの事例 黒須教授のユーザ工学講義 (2015年7月27日) イランで銀行のオンラインシステムを設計している企業の人たちと話をしている時に、ん、これはクライアント中心設計ではないのかな、と思えたので、そのことを紹介したい。僕と彼らの間には、想定ユーザの違いとユーザビリティの定義の違いがあった。