ユーザビリティとUXの関係 その2 2017年11月29日 僕の品質特性図では、設計時の品質と利用時の品質を区別し、客観的品質と主観的品質を区別することで、四つの品質を分けることになった。設計時の品質がまずあって、その結果として製品品質ができ、それが利用されて利用時の品質となる、と考えるのが適切と思われたからだ。
ユーザビリティとUXの関係 その1 2017年11月7日 この品質特性図づくりは、ISO 13407に出会った1990年代からの僕のライフワークの一部でもある。ここでは、どのようにしてこの図に至ったかという経緯の説明も交えて、少し詳しく説明を書かせていただこうと思う。それを知って頂くと、この図の理解もより深まると思う。
累積的UXとはなにか 2017年10月23日 全体的UXをある時点に集約して考えることは可能ではあっても、それをそれまでの評価値から説明することは困難である。UXの評価の動的な変化に注目し、どのような側面がその高い/低い値をもたらしたのかを定性的に考察するアプローチ以外には、UXを全体的に把握することはできないし、その意味もない。
ロボット三原則とHCD 2017年9月27日 アシモフのロボット三原則を読めば、それがロボットは人間に仕え、人間のために作られたものだという考え方に立脚していることがわかるが、それは正にHCDの考え方を表現したものといえる。この三原則を実装するのはとても難しいことだが、今やそれを研究しなければならない時期になってきているだろう。
人間中心設計という言葉の是非 2017年9月12日 人間中心設計における人間という概念は、十分に吟味されて選ばれたものとはいえなかった。人間中心設計というとなにやら崇高な響きがあるように聞こえてしまうが、本当に考えるべき側面はユーザとしての人間についてなのだ。
ユニバーサルデザインと「指定されたユーザ」 2017年8月29日 ユーザビリティとユニバーサルデザインの考え方を融和させる方策は、「最も幅がある人々」を分割したセグメントごとに想定ユーザを明確にする、というものだ。しかし、企業活動のなかで、それらの複数のユーザセグメントが全体として集合的に悉皆的なユーザ集合を構成しているのか、という疑問が起きる。
「指定されたユーザ」という考え方 2017年8月22日 製品やサービスの設計を、全方位的に多様な特性や利用状況を考慮して行うのは困難だ。設計活動を現実的なものにするためにターゲットユーザを想定すると考えると、ユーザ像の設定と設計プロセスの流れは次のように整理できる。
人間中心設計の規格は誰がどう使うのかステイクホルダーの位置づけをめぐって 2017年8月4日 規格はまずコンパクトであるべし、と思う。いろいろな概念に関係づけることは内容を複雑にし、理解を困難にしてしまう。さらに、規格における定義は、「内容に即して」厳密であるべし、とも思う。特別な意味でステイクホルダーという言葉を使っているのなら、その使い方に即して定義を行うべきだっただろう。
社会的インタフェースとしてのネット情報環境の平準化 2017年7月25日 最近、多くの人たちが、没個性的で類型化された発想や思考になってきたように感じ、世界における思考の平準化を助長しているように思える。また、頻繁なネットの利用によって自分で考える習慣が廃れてきたようにも思う。それでは、情報の海で安直な手段に頼ってしまうことになるのではないかと危惧している。
グラフィックデザインの責任 2. 基礎を学び実践すること 2017年6月20日 グラフィック要素はユーザが見て理解できなければならないとは知っていても、その知識を活かしていないデザイナーもいる。彼らに共通した傾向として、デザインはクリエイティブな活動なのだから、多少のユーザビリティは犠牲にしてでも、斬新で見栄えのするデザインをしたいという態度があるようだ。