やりたいことと出来ることの関係 2016年1月19日 「やりたいことが思うようにならない」「必要だけどやり方が分からない」という事態は解消されるべきだ。しかし「特にやりたいとは思わない」「自分には必要ない」「他のやり方でできるからそれでいい」という気持ちは、むしろそれなりに尊重されるべきだろう。
あらためて人間中心設計とは 2016年1月7日 ヒューマニティこそがHCDの目指すべき道だ。性同一性障害の人の風呂の問題や、アメリカ帰還兵のPTSDの問題の解決は容易ではない。ただ、機器や制度の設計によって解決に近づける努力は必要だ。そうしたスタンスこそ僕はHCDと呼びたいのだ。
人工物の想定外利用 2015年12月25日 想定外使用は、設計プロセスで予測できるものかというと、多分けっこう難しいものだと思う。となると、そうした利用法を発見するためにはUX調査、つまりユーザが実際の生活のなかでその人工物を利用し始めてから行う調査が必要だろう。
携帯電話料金のわかりにくさ 2015年12月4日 今回のテーマは、携帯電話契約の時に直面する料金体系の複雑さと、その結果としての分かりにくさについてである。携帯電話料金がユーザ中心設計ではなく、キャリア中心設計になっている現状は早急に改善されるべきだろう。
ユーザとしての後期高齢者 2015年11月27日 高齢者マーケットが前期高齢者を中心にしたものであっても、高齢者ユーザには後期高齢者も含まれる。今回は、知人とその88才の母親がネットバンキングの申請をした事例を紹介しよう。その申請に際して、その銀行は実に実に面倒な手続きを要求したのだそうだ。
心理学とUCD(後編) 2015年11月4日 日本心理学会の全国大会には「公募シンポジウム」という枠がある。今回は、「経験サンプリング法による心理学研究の新たな展開-スマートフォンを介して日常を探る」と「実学としての実験心理学6-応用と科学のジレンマを越えられるか」で考えたことを述べる。
心理学とUCD(前編) 2015年10月30日 日本心理学会の全国大会には「公募シンポジウム」という枠があり、勉強するにはとても良い機会だ。今年度、僕が指定討論者として参加した「衣食美心理学の可能性」の内容を紹介したい。僕自身は人工物進化学の観点から心理学に対して問題提起をした。
怒りと愛-UCDに関する世代論的考察(後編) 2015年10月28日 利用現場の状況に対する批判的アプローチにもとづいて手法を整備し活動を活性化してきた初期の世代と、それを継承し、より「楽しさ」や「うれしさ」、さらには「愛」を重視するようになった後の世代との間には、質的な変化が起きているのではないか。
怒りと愛-UCDに関する世代論的考察(前編) 2015年10月22日 僕らの時期は、従来のコンピュータサイエンスの世界に対して反旗を翻し、新しいことを切実に考え出そうとした実験的な時代だったように思う。そして素直な性格の後の世代の研究者は、与えられた既存の方向性を素直に研究し発展させてきたのではないかと思う。
設計品質と利用品質(後編) 2015年10月5日 ユーザビリティとUXの関係から始まり、満足感の位置づけ、利用品質という概念、感性的魅力など、さまざまな概念が、この図によって、それらがほぼ所定の位置に収まったと考えている。おまけ的にUI/UXについても整理がついてかなり気分的にはすっきりした。