黒須教授のユーザ工学講義

HCD-Netの今後に向けて(1):そのコアと課題

HCD-Netの根底にある課題は、組織としてのコアコンセプトであるHCDの内実が、ぼんやりとした、何でもありに近い状態であることだ。HCD-Netを改革するためには、これまで何回か頓挫してきたコアコンセプトの明確化が必要である。 (2018年9月4日)

「社会的デザインと、デザインにおける理知的側面」の記事画像

社会的デザインと、デザインにおける理知的側面

機器の外観やグラフィックのデザインの仕事には、直感と感性、そして描画や造形のスキルが重要だ。だが、近未来のデザイン領域のデザイナーにとっては、それらや、人間工学や認知工学の知識だけでなく、洞察力や論理的思考能力、つまり理知的側面が重要だと考えている。 (2018年8月28日)

原典への旅(3):属性列挙法 (attribute listing)

これは、何らかの事物の属性を抽出し、その属性を他の事物に適用することで新しい使い方やコンセプトを生み出す発想法である。しかし、それが日本に紹介された時点で、その基本的な性質が変化してしまったのである。 (2018年8月23日)

「原典への旅(2):KJ法と『発想法』その2」の記事画像

原典への旅(2):KJ法と『発想法』その2

今回は、KJ法の基本的性質やその手順について改めて紹介しておくことにする。KJ法を、単なるカードの寄せ集め技法と思ってしまわず、その背景にある考え方も知っていただきたい。 (2018年7月17日)

原典への旅(2):KJ法と『発想法』その1

ポストイットで情報をまとめるKJ法は今では広く使われている。またaffinity diagramや親和図法という表現を耳にした読者も多いことと思う。皆ほとんど同じことなのだが、今回はそのあたりの謎解きに迫る。 (2018年7月13日)

「原典への旅(1): 『エモーショナル・デザイン』の三階層モデル」の記事画像

原典への旅(1): 『エモーショナル・デザイン』の三階層モデル

Norman, D.A.の『エモーショナル・デザイン』を読んだ方も多いだろう。あの中の基本的枠組みとなっているのが、「処理の三レベル」といわれる、本能レベル、行動レベル、内省レベル、という区別である。しかし、そこには二つの疑問がある。 (2018年7月4日)

Nigel Bevanの死

Nigelが亡くなったとの知らせが届いた。Nigelは、ISOの活動において、ISO 9241-210の標準化や、ISO 9241-11の改定作業をはじめ沢山の規格に関係していたし、ISO/IEC 25010などの作業にも深く関係してきていた。ともかく、今はusabilityやUX、そしてHCDに対して大きな貢献をしてくれた彼の冥福を祈りたい。 (2018年6月11日)

いま、HCIに必要な、問題解決型アプローチ

UXという概念が広く使われるようになり、ユーザビリティは地味くさくて古いキーワードだ、といった見方が強まってしまった結果が、現在の状況である。しかし、HI研究にいま一番求められているのは、ユーザビリティの問題を見つけ、あるいは予見し、それを解決しようと努力することだと思う。 (2018年4月25日)

遠いところにいるユーザ

ユーザ調査では実際のユーザの協力が必要である。特に、製品やサービスの実ユーザを特定して行う、開発後のユーザ調査(UX評価)で得られる情報は大変貴重で、本当のUXの情報とみなすことができ、そこから、開発のための貴重な知見を得ることができるものである。 (2018年4月12日)

「UX評価をフィードバックとして活用する」の記事画像

UX評価をフィードバックとして活用する

UX評価とは、利用側プロセス全体、つまり長期的な利用実態調査のことである。評価や分析と、その次の企画作業とは連動させるべきであり、評価分析のデータを活用することによって、ユーザの抱えている問題を把握し、よりよい人工物の設計につなげてゆくことが望ましい。 (2018年1月15日)