電子書籍をユーザビリティの面から考える 2010年9月5日 僕にとって、電子書籍は携帯できなければ意味がない。机の前に座ってモニタ画面で読書をするなら、紙の本で十分だ。したがって電子書籍としては、大きさと重さが非常にクリティカルな条件になると思っている。
アプリケーション開発企業の姿勢を問う 2010年7月30日 メジャーなメーカーのソフトが使いにくく、フリーウェアや安価な製品の方が使いやすいということを、メジャーなメーカー達は虚心に反省すべきだと思う。要するにユーザーエクスペリエンス(UX)などといいつつ、実はユーザの持っている本質的な要求に対応できていないのだ。
UXと言えるのは長期的モニタリングをしてから後の話だ 2010年6月17日 UXにはユーザビリティ(利用品質)だけでなく、性能や信頼性などの品質特性がすべて関係する。購入時点での短時間の経験だけでなく、長期間利用した経験を含めてUXと言うべきではないか。
魅力型製品と当たり前型(実質的)製品 2010年6月3日 製品には、魅力型製品と当たり前型(実質的)製品がある。魅力的品質は当たり前品質をカバーすることはできない。当たり前品質が飽和していれば、新規性などの魅力的品質で勝負するの仕方ないが、そうでない場合には開発の主力は当たり前品質の不足部分に充てるべきである。
SUIウィジェットとGUIウィジェット 2010年5月26日 GUIのいいところは状態に応じて表示内容を容易に変化させられるところである。だが、日常生活機器にほんとうにGUIの導入が必要だろうか。何がなんでもGUIにするのではなく、ハードウェアウィジェット(SUIウィジェット)の良さを取り入れたデザインをすべきではないか。ここではスイッチ類を取り上げて、SUIについて少し考えてみたい。
ユーザビリティと自己拡張満足感 -可能性について- 2010年5月8日 最近、辰巳渚さんの本を何冊か読んだ。家事塾を主催している彼女の書いた「捨てる技術」に関する本である。 辰巳さんとは共同でプロジェクトをやろうとして、いま準備をしているところなのだが、この一連の本に書か…
ATMにおけるヒューマンウェアとの棲み分け 2010年4月25日 人工物には、ハードウェア、ソフトウェアだけでなくヒューマンウェアも含まれる。ヒューマンウェアは、挨拶の仕方や給仕のやり方など、人間の動作や行動について規定されたこととか、人間が行うサービス行為などの意…
ユーザビリティとユーザエクスペリエンス 2010年2月10日 ときどき、ユーザビリティとユーザエクスペリエンスの関係について質問を受けることがある。僕はシンプルに、前者はモノの側の話、後者はユーザの側の話、として説明をする。さらに説明を付け加える時には、ユーザエ…
広告における虚像とネットにおける実像 2010年1月19日 インターネットが登場し、日常的なメディアのひとつとなってきた現在、製品情報の提供の仕組みは本質的に変化した。 消費者は企業側や広告代理店側の一方的な意図に左右されていた製品情報だけでなく、「ほんとうの」情報を求めてネットにアクセスするようになった。
利用の時代から創出の時代へ 2009年12月25日 問題発見の努力を米欧に任せ、その成果を輸入して利用するだけのただ乗り的な姿勢はないだろうか。独自の問題意識をもって活動ができているかどうかという点は、人間中心設計における重点の置き方にも関係してくる筈だ。問題を見いだし、それを概念化し、そのための方法論を構築する。そうした創出のアプローチがどんどん日本で出てくることに期待している。