いま、HCIに必要な、問題解決型アプローチ UXという概念が広く使われるようになり、ユーザビリティは地味くさくて古いキーワードだ、といった見方が強まってしまった結果が、現在の状況である。しかし、HI研究にいま一番求められているのは、ユーザビリティの問題を見つけ、あるいは予見し、それを解決しようと努力することだと思う。 (2018年4月25日)
遠いところにいるユーザ ユーザ調査では実際のユーザの協力が必要である。特に、製品やサービスの実ユーザを特定して行う、開発後のユーザ調査(UX評価)で得られる情報は大変貴重で、本当のUXの情報とみなすことができ、そこから、開発のための貴重な知見を得ることができるものである。 (2018年4月12日)
UX評価をフィードバックとして活用する UX評価とは、利用側プロセス全体、つまり長期的な利用実態調査のことである。評価や分析と、その次の企画作業とは連動させるべきであり、評価分析のデータを活用することによって、ユーザの抱えている問題を把握し、よりよい人工物の設計につなげてゆくことが望ましい。 (2018年1月15日)
UXグラフ(ERM)ツールの使い方 (2) ERM (経験想起法)について、前回は、インフォーマントの経験に関するデータの、オンラインツールを使った集め方を説明した。今回は、データを集めた後、それをどのように分析して利用するかについて、サンプルデータを使って説明しよう。 (2017年12月27日)
UXグラフ(ERM)ツールの使い方 (1) ERM (経験想起法)において、インフォーマントの経験に関するデータをどのように集め、分析して利用するかについて、2回に分けて書くことにしよう。今回は、データを集める方法について説明する。集めるときには、オンラインツールを利用してもらうのがいいだろう。 (2017年12月26日)
ユーザビリティとUXの関係 その2 僕の品質特性図では、設計時の品質と利用時の品質を区別し、客観的品質と主観的品質を区別することで、四つの品質を分けることになった。設計時の品質がまずあって、その結果として製品品質ができ、それが利用されて利用時の品質となる、と考えるのが適切と思われたからだ。 (2017年11月29日)
ユーザビリティとUXの関係 その1 この品質特性図づくりは、ISO 13407に出会った1990年代からの僕のライフワークの一部でもある。ここでは、どのようにしてこの図に至ったかという経緯の説明も交えて、少し詳しく説明を書かせていただこうと思う。それを知って頂くと、この図の理解もより深まると思う。 (2017年11月7日)
累積的UXとはなにか 全体的UXをある時点に集約して考えることは可能ではあっても、それをそれまでの評価値から説明することは困難である。UXの評価の動的な変化に注目し、どのような側面がその高い/低い値をもたらしたのかを定性的に考察するアプローチ以外には、UXを全体的に把握することはできないし、その意味もない。 (2017年10月23日)
ロボット三原則とHCD アシモフのロボット三原則を読めば、それがロボットは人間に仕え、人間のために作られたものだという考え方に立脚していることがわかるが、それは正にHCDの考え方を表現したものといえる。この三原則を実装するのはとても難しいことだが、今やそれを研究しなければならない時期になってきているだろう。 (2017年9月27日)
人間中心設計という言葉の是非 人間中心設計における人間という概念は、十分に吟味されて選ばれたものとはいえなかった。人間中心設計というとなにやら崇高な響きがあるように聞こえてしまうが、本当に考えるべき側面はユーザとしての人間についてなのだ。 (2017年9月12日)