黒須教授のユーザ工学講義

グラフィックデザインの責任 2. 基礎を学び実践すること

グラフィック要素はユーザが見て理解できなければならないとは知っていても、その知識を活かしていないデザイナーもいる。彼らに共通した傾向として、デザインはクリエイティブな活動なのだから、多少のユーザビリティは犠牲にしてでも、斬新で見栄えのするデザインをしたいという態度があるようだ。 (6月20日)

このコラムについて

日本ユーザビリティ界のリーダー・黒須正明教授(略歴)による「ユーザ工学」講義。ユーザビリティ・UX・HCDなどの重要なトピックを解説してくれています。

わかりにくいusabilityの定義とusableという言葉

ISO 9241-11、そしてそれを引用している規格類においては、任意の製品やシステム、サービスが使えるモノか(usabileか)どうかという基準を提示してはおらず、単にその水準を記述する指標を提示しているにすぎない。 (5月22日)

改めて経験工学を 3. その展開

既存の人工物が持つ多様な機能を分析するのではなく、その中の特定の機能や目標達成に着目し、その機能が実現しようとしていたコトに置き換え、そこから分析を出発させることが良い。特定の製品やサービスではなく、本質的なユーザ経験の改善を目指すこと、これが経験工学のアプローチである。 (5月10日)

改めて経験工学を 2. 等価性にもとづく工学

設計担当者が切り出した目標達成には提供可能性というバイアスがかかり、ユーザ当人もそうした制約条件を無意識的に自分に課している可能性がある。近未来の開発につなげるには、そういった制約条件を頭から排除して、ユーザの目標をじっくり分析し、それを実現しうる等価な人工物を考えることが必要なのだ。 (4月18日)

「改めて経験工学を 1. 従来の産業のあり方を見直す」の記事画像

改めて経験工学を 1. 従来の産業のあり方を見直す

ユーザビリティからUXに関係者の視点が移り、経験という視座から身の回りのあらゆることを見渡そうとするスタンスがでてきたことは喜ばしい。人間の行動は単に機械的に目標を達成すればそれで完了ということではなく、人間がその行動を通して内面的にどのような経験をするかということが大切だからだ。 (4月5日)

「“Theory of User Engineering”出版」の記事画像

“Theory of User Engineering”出版

ユーザ工学についてもっとアピールすることが必要だろうと考え執筆した、“Theory of User Engineering”が2016年の12月に刊行となった。僕にとっては英語で初の単著となった記念すべき書籍ではある。 (3月22日)

「ユーザビリティと利用品質についての最新動向」の記事画像

ユーザビリティと利用品質についての最新動向

JTC1/SC7/WG6の会議に参加した。そこで一番強調したかったポイントは、主観的利用品質というものがあること、満足度はその点で他の利用品質(客観的利用品質)とは異なること、主観的利用品質は「利用」ではなく製品品質を「知覚」することによって成立するものであること、の3点だった。 (2月17日)

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経験想起法

以前に開発したUX Graphには、時間経過とともに曖昧になる人間の記憶に基いた主観評価値を、グラフの形に描いていいかという疑問があった。そこで思い切ってグラフを削除した経験想起法を提唱するに至った。 (2月1日)

ステイクホルダー中心設計?

人間中心設計の「人間」がユーザを意味するなら、ユーザ中心設計の方が明確である。反対に、経営者や株主などのステイクホルダーを含んだ意味であれば、利害対立が含まれた設計アプローチということになってしまう。 (1月10日)